「バーニング 劇場版」を観てきました。
ストーリーは、
アルバイトで生計を立てる小説家志望の青年ジョンスは、幼なじみの女性ヘミと偶然再会し、彼女がアフリカ旅行へ行く間の飼い猫の世話を頼まれる。旅行から戻ったヘミは、アフリカで知り合ったという謎めいた金持ちの男ベンをジョンスに紹介する。ある日、ベンはヘミと一緒にジョンスの自宅を訪れ、「僕は時々ビニールハウスを燃やしています」という秘密を打ち明ける。そして、その日を境にヘミが忽然と姿を消してしまう。ヘミに強く惹かれていたジュンスは、必死で彼女の行方を捜すが・・・。
というお話です。
小説家志望のジョンスは、父親が傷害で捕まり、アルバイトをしながら、何とか暮らしていた。ある日、幼馴染の女性ヘミと偶然に再会し、彼女がアフリカ旅行へ行く間、飼い猫の世話を頼まれる。
ヘミが海外から戻り、会いに行くと、アフリカで知り合ったという、お金持ちそうな男性・ベンを紹介される。高級外車に乗り、働いている素振りもないが高いマンションに住んでいる。何の仕事をしているのですかと聞くと、「僕は時々、ビニールハウスを燃やしています。」と言う。何の目的があるのかは分からないが、素直にそのままを受け取り、その日から、ジョンスは、近所のビニールハウスが燃えていないか、確認し始める。
それからしばらくして、ヘミと連絡がつかなくなり、ヘミの事を知らないかと思い、ベンに連絡を取り、ヘミの事を聞きに行くが、彼も1ヶ月前くらいから連絡が取れないという。その時、ジョンスは、ふと彼にビニールハウスは燃やしているのかと聞くと、つい先日、燃やしたところだと言う。ジョンスは、近所をチェックしていたので、この近所で燃えたビニールハウスは無いですよと言うのだが、君には近すぎて見えなかっただけだよと言う。
何かおかしいと思い、ベンを調べ始めると、彼の家に新しく猫がいるようになったらしい。もしかしてヘミの猫かもと思い、ベンを付け回し始めるジョンスだったが・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画の原作は、村上春樹さんの「納屋を焼く」です。私は、原作を読んでいないので、何とも言えませんが、原作と言っても、随分、脚色をしているようでした。
サスペンス映画としては、結構、ベンという男性の謎が深くて、楽しめましたが、スッキリはしない感じでしたね。全体的には、まとまっていたし、楽しめましたが、ちょっとイヤな感じが残って、これで終りかいっ!と思ってしまいました。まぁ、村上さんの小説って、こんな感じの短編が多いんですけど。
ジョンスという主人公の青年なのですが、どーも、私の好みじゃなくて、一番マトモな性格だし、正しい事をするのがこの子なんだけど、共感が出来ませんでした。つい、ベンの味方をしたくなっちゃって、ストーカーみたいなことすんじゃねーよ!とか、金持ちのする事に口出しするんじゃないわよっ!とか思ってしまいました。なんか、うじうじしていて、猫背で、イラつく男の子なのよ、このジョンスって。
でね、このヘミという女性も、あまり可哀想と思えるような子じゃないんです。どう見ても、金持ちにくっついていく、金目当ての女にしか見えなくて、もちろんベンや彼の取り巻きも、彼にたかってくる女の子に冷たい目を向けているのが解かるんです。嫌だよねぇ、こういう女って。
こんな感じだったので、どーも、この映画、のめり込めずに終わってしまいました。でも、内容は、面白かったですよ。納屋を焼く=ビニールハウスを焼く、とは、どういう意味だったのか。良く考えると、ちょっとゾッとするんですけどね。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。私は、あまり主人公やヒロインに共感は出来なかったけど、サスペンス映画としては、よくまとまっていたし、楽しめました。村上作品としては、良いんじゃないかしら。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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