「七つの会議」池井戸作品の特徴が良く出ている作品ですが、それ以上に役者の怪演が素晴らしいです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「七つの会議」を観てきました。

 

ストーリーは、

中堅メーカー・東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫は、いわゆる「ぐうたら社員」。トップセールスマンで、八角の年下である課長の坂戸からは、そのなまけぶりを叱責され、営業部長・北川誠が進める結果主義の方針の下、部員たちが必死で働く中、八角はひょうひょうとした毎日を送っていた。そんなある日、社内でパワハラ騒動が問題となり、坂戸に異動処分が下される。坂戸に代わって万年二番手に甘んじてきた原島が新しい課長として一課に着任するが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた。

というお話です。

 

 

中堅メーカー・東京建電の営業一家の係長・八角民夫は、ヤル気の無いぐうたら社員。会議ではいつも居眠りをし、周りが忙しく働いていても、マイペースを崩さず、定時には帰宅をする。八角の年下である課長の坂戸は、そんな八角を目障りだと思い叱咤するばかりだったが、ある日、我慢が限界に達し、八角に”生きている資格が無い”とまで言ってしまう。すると八角は、ここぞとばかりにパワハラで訴えてやると言い放ち、坂戸をパワハラで訴えた。会社は対応の追われ、部長の北川は、可愛がっていた坂戸に何とかしてやると話していたが、坂戸は他の部署に追われてしまう。

 

今まで営業2課課長だった原島が営業1課の課長となり、北川からの激しい叱咤激励を受けて、胃が痛い毎日を送ることになるのだが、原島と事務の浜本は、不可解な人事に疑問を抱き始める。

 

 

坂戸の事件の後、営業部に痛い目を見させたい経理部は、八角が大金の飲食の領収書を出している事に気が付き、何か裏があるのではと感じて八角と下請け業者の癒着を調べ始めると、その経理は飛ばされた。カスタマー室長の佐野も、ある部分のクレームが多い事に気が付き、それを調べ始めたところで地方へ飛ばされてしまった。全ての人事が、何かしら八角と関わっているのだ。

 

原島と浜本は、八角の後を付けて動きを調べ始めると、八角は、東京建電の部品の下請け業者を、値段が高いにも関わらず、突然違う業者に変えていた。そして、それに対して、北川部長は何も文句を言っていない。これだけノルマを達成しろと言っているのにおかしい。

 

 

そんな時、東京建電の親会社ゼノックスから、またも大量の型落ちシロモノ家電を販売するようにとの要請が降りてくる。無理なノルマを押し付けられ、その上、自社の問題も抱えた東京建電は・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

池井戸作品らしい作品でした。TVドラマを観ていた方なら、きっと、またこれなんですねって言ってしまうかもと思います。私も、ああー、内部告発ものなんですねぇ~ってまたも思ってしまいました。これ、池井戸作品には多いですよね。まぁ、好きなので良いですけど、でも、いつもいつも、正義が勝つとは限らないから、ちょっと問題じゃないかな?

 

 

ちょうど、”レオパレス”の賃貸建物偽装のリコールがされていて、笑ってしまいました。やっと違反建築を直す気になったのね。随分、昔から言われていた事なのに、今更ですかって感じなのですが、この「七つの会議」も同じ事なんですよ。やっと認めんのかいっ!て感じですかね。

 

でも、その内部告発、リコールの問題以上に、出演者の怪演が素晴らしいです。これ、良くこのキャストを持ってきましたね。この野村さんと香川さんのコンビは凄いです。このお二人の演技を観るだけでも、お金を払ってみる価値があります。素晴らしいです。ここまでやってくれれば、誰も文句は言わないと思う。もし、内容に満足しなくても、この演技では、参りましたって言っちゃいますよ。私は、香川さんのカマキリも好きなんだけどねぇ。マトモな演技は凄い迫力でした。

 

 

周りを囲む人々も、良かったです。及川さん、こういう普通の役もイイですね。ステキな魔王様も好きだけど、普通のサラリーマンも合っていました。ちょっと弱々しい感じの課長って、どの会社にも居るでしょ。そんな感じなんです。上手いなぁと思いました。

 

他の方々は、池井戸作品の常連さんでして、違和感はないのですが、ちょっとTVドラマと被ってしまって、頭の中を切り替えるのが大変でした。立川さんなんて、さっきまでトラクターで耕してなかったっけなんて思っちゃった。(笑)同じキャストを使いたいのは解るけど、もう少し変えて欲しかったな。

 

 

2時間の映画に詰め込んでいるので、何度も、「何ヶ月後」とか「何日後」とかテロップが入って時間を進ませるという手法を取っていて、イマイチ、のめり込めません。どうしても、その部分で思考が停止してしまって、映画の内容に関しても淡々と見てしまい、盛り上がるという感じが無いのが残念でした。これ、映画じゃなくて、TVドラマでやれば、もっと時間をとれて良かったんじゃないかな。TVの池井戸作品を作っていた監督の作品なので、どーもCMの事とか、毎週の放送とか、そういう感じで、作品がブツブツ切れてしまうのが本当に目障りでした。映画は2時間で一本なので、あまりブツブツして欲しくないんです。

 

原作を読むのが追い付かなくて、結局、映画が先になってしまいました。でも、完璧に池井戸作品なので、まぁ、読み始めたらすらすら読めるでしょうね。面白そうです。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。面白いです。でも、TVドラマの方の池井戸作品を観ていた方は、ちょっとデジャヴ?って思うかもしれません。監督が、TVの池井戸作品を作っていた方なので、本当に似ています。でも、役者の上手さが際立っているので、観る価値は十分にあります。楽しめると思いますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

P.S : この「七つの会議」、NHKでドラマ化されていたんですね。知りませんでした。観れば良かった。(*´ω`*)

 

 

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