「ヴィクトリア女王 最後の秘密」ヴィクトリア女王の可愛さにイケメンも悩殺されると思います。

「ヴィクトリア女王　最後の秘密」を観てきました。

ストーリーは、

1887年、ビクトリア女王の在位50周年記念式典。記念硬貨の贈呈役に選ばれたアブドゥルは、英領インドからイギリスへとやってくる。最愛の夫と従僕を亡くした孤独から心を閉ざした女王ビクトリアは、王室のしきたりなどにも臆することなく、まっすぐな笑顔を向けるアブドゥルに心を開き、2人の間には身分や年齢なども超越した深い絆が芽生えていく。そんな女王とアブドゥルをこころよく思わない周囲の人びとが2人を引き離そうと動き出し、やがて英国王室を揺るがす大騒動へと発展してしまう。

というお話です。

1887年、インドが英領となって29年目。アグラに住む若者アブドゥル・カリムは、囚人の名簿を作る仕事をしていたのだが、ある日、ヴィクトリア女王の即位50周年記念式典で記念金貨“モハール”を献上する役目に任命され、もう一人の献上役モハメドと共に英国へ渡ることになる。

18歳で即位してから、長年女王の座に君臨してきたヴィクトリア。細かく決められる１日のスケジュールと思惑が飛び交う宮廷生活に心休まらない日々を送っていた。毎日同じ事の繰り返しで、楽しい事も無い彼女。

そんな中、窓の外を見ると金貨を献上しに来たというインド人を見る。イイ男じゃないのと思い、ちょっと気分を良くしたヴィクトリアは、晩餐会の途中にコインを献上しに現れ、物怖じせず語りかけてくる真っ直ぐな彼を気に入ったヴィクトリアは、祝典期間中、従僕にすることにした。

インド皇帝でもありながら、現地に行ったことがない女王は、アブドゥルから教えてもらうイスラムの言葉や文化に魅了されていく。次第に身分も年齢も超えて強い絆が芽生えていくが、周囲はふたりの関係に猛反対。アブドゥルは良かれと思っていたイスラム教の教えだが、インドの混乱の元凶がイスラム教徒であり、英国兵に犠牲が多数出たのはその為だったと知った女王は、アブドゥルに帰国を命令する。しかし女王を慕うアブドゥルは帰らないと言い･･･｡後は、映画を観て下さいね。

この映画、とても面白い映画でした。言われてみれば、インドはイギリス領だったなぁなんて思いながら見始めましたが、統治するってこういう事なんだなって何となく感じました。

ヴィクトリア女王は、どこを統治しているかは解っていただろうけど、自分では行った事が無い場所が多かったんでしょうね。インドと聞いていても、どんな場所だかは、ほとんど知らなかったように見えました。そんな彼女の前に、今までとは違う、インドのイケメンが現れたから、ちょっと毛色の違う彼に興味を持ったのだと思います。そして、アブドゥルは、大学などの教育は受けていませんが、生活の中で育まれた知識があり、それは英国の凝り固まった頭を持つ学者たちとは全く違っていて、魅力的だったのだと思います。

周りの人間たちが遠巻きにして遠慮するような事も、平気でやっちゃうし、話しちゃうんです。映画を観ている方が、”おお～い、大丈夫？”って心配しちゃうほど、普通に、こうしたらイイんじゃない？とか話しちゃう感じなんです。でね、何かあるとアブドゥルが”私はあなたの先生なんですから。”って言って、収まっちゃうんです。何か、まるで主人と執事で、主人が執事に戒められちゃってる感じなんですよ。もう、そうなると、ヴィクトリア女王が可愛く見えてきちゃうんです。ジュディ・デンチ演じる女王だから、お婆ちゃん、とっても可愛いんですよ。

でも、周りは心配ですよね。私が女王の子供だったら、マジでお母さん騙されてるっ！って思ったと思います。パッと見、財産を持っているお婆ちゃんが若い男に騙されてる風なんですもん。そりゃ、周りは怒ります。周りには、ダメって言われて、でもアブドゥルほどに、自分を楽しくさせてくれる人はいないし、インドに帰りなさいと言いながらも、とっても寂しくて悲しいんです。そんなヴィクトリア女王の孤独と寂しさが、良く描かれていました。確かに、女王だけど、人間なんだから、少しは気を抜いた生活が出来る部分も欲しいですよね。可哀想でした。

色々な事がありながらも、ヴィクトリア女王とアブドゥルの親交は続いて行くのですが、その話の中に、インドが英国統治になっても、イスラム教とヒンドゥー教の対立の問題はずっとくすぶっていて、英国が統治に苦労していたことが、ちらほら会話に出てきます。なので、アブドゥルがヒンドゥー語では無く、イスラムの言語を教えることに問題が出てきて、帰るようにということになるんです。英国は中立でないと、統治出来ないですから。このヴィクトリア女王の後に、インドは独立して、パキスタンと別れるんだと思います。

このインドの英国からの独立やパキスタンとの別離の問題が、実は、あの「ボヘミアン・ラプソディー」で、フレディが、”パッキー”と呼ばれて怒り、家がゾロアスター教だからインドに居られず、英国に移民したという意味があります。フレディの御両親も苦労をしたんだと思います。

このインドの問題って、「英国総督　最後の家」で描かれていた事なので、もしお時間があったら、そちらの映画も観る事をお薦めします。そちらを観ると、何となくインドの歴史も分かって、ヴィクトリア女王がインド人の青年と仲良くなることを隠さなければならなかったことが、解かってくると思いますよ。

私は、この映画、超！お薦めしたいと思います。アブドゥルもカッコいいんだけど、とにかくヴィクトリア女王を演じるジュディ・デンチさんが可愛い！お婆ちゃんなのに、こんなに愛しいと思えるような人っていないと思います。私も年を取ったら、彼女みたいにキュートなお婆ちゃんになりたいな。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。

・ヴィクトリア女王 最期の秘密|映画情報のぴあ映画生活

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