「あした世界が終わるとしても」を観てきました。
ストーリーは、
幼い頃に母を亡くして以来、心を閉ざしてきた高校3年生の真と、そんな彼をずっと見守ってきた幼なじみの琴莉。ようやく一歩を踏み出そうとした2人の前に、突然、もうひとつの日本からやって来たもうひとりの“僕”が現れ・・・。
というお話です。
突然、何の前触れもなく人が亡くなるという突然死が起こるようになり、段々と、その数も増えてきている。幼い頃に母親の突然死に遭遇した高校3年の真は、父親と二人暮らしだが、父親は研究の為に、仕事で帰ってこないことが多い。寂しい毎日を送る真だったが、幼馴染の琴莉がいつも真の事を気にかけ、彼女の父親は真の父親の勤務している会社の社長であり、父親を家に帰してあげられないのは申し訳ないと気にしてくれている。
ある日、真の前に自分と同じ顔の青年が現れる。それと同時に、目の前でロボットのようなモノと少女の姿をしたモノが目の前で戦いに入る。理解の範疇を超える自体に驚くが、自分と同じ顔をした青年・ジンは、この世界と並行してもう一つの地球があるという事を説明し始める。隣の世界には、もう一つの地球、そしてもう一つの日本があり、あちらの世界で人が死ぬと、こちらの世界の同じ人物も死ぬことになる。鏡の様な存在であり、お互いにリンクしているらしい。こちらの世界の突然死は、あちらの世界でリンクした人物が死んだからなのだった。
あちらの世界の独裁者であるコトコの対の人物をこちらの世界で殺す為に、ジンはこちらの世界に渡って来たようだ。そして少女は、コトコの対の人物を守る為に派遣されたのだった。ロボットと少女の戦いは終り、どちらも倒れている。そこへ、真を心配した琴莉が現れる。ジンは、琴莉を見て、彼女がコトコの対の人間だと判り、殺そうとするが、真がそれを阻み、琴莉を連れて逃げる。
琴莉を護る為に来た少女はミコとリコという姉妹として作られた知能搭載遠隔人型兵器マティックという人工物であり、コトコと意識が繋がっていた。そしてコトコが何を計画していたのか、そして今後何が起こってくるのかを二人に知らせる。真は、このままでは何も出来ないと悟り、ジンに協力を依頼することにする。そんな時、琴莉の父親が、既に二つの世界に気が付いており、その対策を真の父親が研究していたという事を話し、一緒に対処方法を考えようと言い、真と琴莉、そしてジンとマティックたちを連れて研究所へ向かう。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
はい、このアニメ映画ですが、頑張っている作品だと思いますが、イマイチだったかなぁ。ある事件で世界が二つに分かれて、平行宇宙になっているという話は、まぁ、SFでは良くある話で、片方の人間が死ぬと、もう片方の人間も死ぬというのは、分からないでもないんです。でも、ちょっと持って行き方が強引過ぎたかなぁ。突然死という話にしちゃうと、違和感があるんですよ。せめて、何時間以内に自然な形で死に至るとしてくれないと、どちらの世界でも人は死ぬ訳だから、突然死だらけになっちゃうでしょ。いくら何でも不自然過ぎるのよ。
それだと、保険という制度も無くなるし、いつ死ぬか分からないんだから雇用形態だって変わってくるよね。世界の認識が変わってくるから、学校制度だってスキップが当たり前になり、能力主義になっていくでしょ。だって、”死”がすぐそこにあるんだから、早い者勝ちになって行くでしょ、命の保証が無いんだから。結婚制度も、親子制度も、段々と崩壊して行くんじゃないかな。だから、描かれている現代社会なんて、本当なら在り得なくなっているハズなんです。
そこまで考えられてないから、どーも観ていてもズレているんです。もう少し、脚本が何とかならなかったのかなって思ってしまいました。最後の方も、あっちの世界の人達が何をしたかったのか、イマイチ、理解が出来ないんです。
遠隔人型兵器というのが出てくるんだけど、見た目が「亜人」のIBMっぽいのよねぇ。アクションはカッコいいです。それと戦うのが、知能搭載遠隔人型兵器なんだけど、こちらが、また、可愛い女の子なんです。確かに見た目は良いのかもしれないけど、これも意味が無いよねぇ。アニメファンに媚びているように見えてしまい、私はダメでした。
もし、この内容をやりたいなら、連続TVアニメが良かったんじゃないかと思います。そうすれば、細かい設定も説明出来ただろうし、違和感を取り去る様に話を持って行けたような気がします。映画にまとめるのは辛かったよね。
それと、世界が別れた説明を、ちょっとした映像とナレーターだけで説明しているんです。ここが一番違和感がありました。この部分をナレーターで流しちゃダメだよねぇ。せめてジンとかに説明させないと、普通に高校生の世界を描いていて、突然にナレーターで世界が別れましたでは、ちょっとはぁ?となりますよ。
アニメにモーションキャプチャーを使ったようでしたので、リアル感はありました。でも、日常生活をモーションキャプチャーするなら、実写でやれば良いんじゃないの?在り得ない動きをリアルに再現する為にモーションキャプチャーがあるのかと思っていたので、あれ?と思いました。うーん、ゴメンナサイ。良い部分が書けないなぁ。
私は、この映画、まぁ、お薦めしても良いかなと思います。ごめんなさい。私は、あまり良い感想が出てこなかったのですが、SFアニメとして、楽しめる方もいらっしゃるかと思います。キャラクターも可愛いですしね。気になったら、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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