「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」静かな暮らしを手に入れた彼は幸せだったかな。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」を観てきました。

 

1939年、作家を志しコロンビア大学の創作学科に編入した20歳のサリンジャーは、大学教授ウィット・バーネットのアドバイスで短編小説を書き始める。出版社への売り込みを断られ続ける中、ようやく掲載が決定するが、太平洋戦争のぼっ発によって、その掲載は見送られてしまう。召集により戦地に赴いたサリンジャーは戦争の最前線で地獄を経験し、終戦後もそのトラウマに悩まされながら、初長編「ライ麦畑でつかまえて」を完成させる。この作品の成功により、突如として名声を手に入れたサリンジャーだったが・・・。

というお話です。

 

 

1939年、何をやっても真剣になれず、何度も大学を放校していたサリンジャーは、小説を書き、母親に評価されたことをきっかけに作家を目指したいと考え、父親に、大学に戻りたいと話し、コロンビア大学の創作学科に編入して、大学教授であり、出版社も営んでいるウィット・バーネットを支持し、教えを乞うようになる。ちょっと生意気なサリンジャーに、バーネットは何度も雑誌に投稿させ、不採用通知を貰う事に慣れた頃、やっと掲載が決まる。

 

そんな時、太平洋戦争が開戦し、戦争時に相応しくないとの事で、掲載が見送られてしまう。失意の中、軍に召集され、戦地に赴いたサリンジャーは、一兵士として最前線に送られ、戦争の地獄を経験し、目の前に繰り広げられる惨劇が目に焼き付いてしまう。終戦して、自宅に戻ってくるも、戦争のトラウマに悩まされ、ふとしたことで思い出して、目眩に襲われたりという事を繰り返す。

 

 

そんな中で、自分の経験を紡ぎながら、初長編「ライ麦畑でつかまえて」を執筆する。すると、瞬く間に大ヒット小説となり、サリンジャーは一躍時の人となってしまう。有名人となったサリンジャーに沢山に人が群がり、大人の世界の汚さを見せつけられて、段々と我慢が出来なくなり、人里離れた場所に家を買い、人と関わらないように生きて行こうとするのだが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

サリンジャーって、こんな人だったんですね。まぁ、脚色が随分加えられているとは思いますが、それでも、何となく、雰囲気が解かりました。うん、あの小説なら、こんな人だったのかもしれません。子供の様に無垢だったけど、戦争で人間が怖くなり、その上、信用も出来なくなって、誰とも関わらないで、静かに生活がしたいと考えたのかなと思いました。本当に「ライ麦畑~」の主人公そっくりなんですね。

 

 

私、あまり「ライ麦畑~」は好きでは無く、読むのに苦労した事を覚えているくらいで、内容をあまり覚えていません。子供のように無垢な事は価値があるという考え方は、私はあまり共感が出来ないんです。確かに無垢だと可愛いけど、無垢って凄く人を傷つけるんですよ。ものを知らないという事は人の心も分からないという事で、配慮が出来ないでしょ。ある程度の年齢になったら、相手の気持ちが想像出来る様に、相手の行動が想像出来るように、頭を良くしないとね。バカのままでは生きている意味が無い。無垢でバカでいて良いのは、子供とペットだけ。大人の無垢は、目障りなんです。

 

 

と、サリンジャーを否定してしまいましたが、彼だって、きっと、良く分かっていたからこそ、この小説を書いたんだと思います。戦争で十分に苦しんだからこそ、この小説だったんだと思いました。人間の汚さを知っているからこそ、書けたのだろうと思います。

 

題名に”ひとりぼっちのサリンジャー”とありますが、私は独りぼっちじゃなかったと思います。きっと、彼の中には、自分の小説の主人公もいただろうし、彼自身は、全く一人だとは思っていなかったと思います。だって、友達なんて沢山必要無いでしょ。大切に思う人だけが居れば良いですもん。いつも一緒にいる必要なんて無いんです。

 

 

サリンジャーが周りの騒音が嫌でパーティーを出ていくとか、静かな田舎に引っ越すとか、その気持ちは、凄く分かりました。どうしようもなく、音が気になってしまうとか、人の気配が気持ち悪いとか、必死で気にしないようにしようとするんだけど、身体の方が反応してしまう事って、私もあります。集中して仕事をしている時は良いのですが、集中が途切れて一息付いた時、音や空気が迫って来て、締め付けられそうになったり、息苦しくて吐きそうになったりするんですよ。これって、きっと、何処に行っても逃げられないと思うのよね。精神的な問題だけだろうから。ま、私は直ぐに解消出来るから平気なんですけど。ストレスは恐ろしいよねぇ。

 

 

主演のニコラス・ホルト、X-MENのビーストが結構お気に入りなんだけど、今回も良かったです。バーネット役にケヴィン・スペイシーが出演していました。セクハラ問題で、幾つもの出演がキャンセルになっているというニュースが出ていたけど、この映画は撮影済みだったのね。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。伝記映画としては、良い出来だと思いますし、サリンジャーの半生が良く解ります。こんな人だったんだなぁって思える作品だと思いました。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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