舞台「罪と罰」を観てきました。
ストーリーは、
帝政ロシアの都、サンクトペテルブルグ。
頭脳明晰な貧乏青年ラスコリニコフは、自分のような「特別な人間」には、「人類が救われ、その行為が必要ならば、法を犯す権利がある」という独自の理論を持っていた。そして強欲で狡猾な質屋の未亡人アリョーナを殺し、奪ったその金で世の中のために善行をしようと企てている。
そんな頃、酒場で出会った酔っぱらいの退職官史マルメラードフとその後妻カテリーナ一家の困窮ぶりを目の当たりにし、質入れで手にした持ち金をすべて彼らに渡してしまうのだった。
いよいよ計画決行の時。もくろみ通り質屋の未亡人を殺害したものの、偶然居合わせた彼女の異母妹リザヴェータまでも手にかけてしまい、ラスコリニコフは罪の意識と幻覚に苛まれるようになる。そんな彼の様子を見に訪ねて来たのは、親友のラズミーヒンだ。結婚のため上京してきた妹ドゥーニャ、母プリヘーリヤもラスコリニコフの様子を気遣う。
一方、質屋殺し事件を追う国家捜査官ポルフィーリは、ラスコリニコフの言動に疑念を抱き、じわじわと心理的に追い詰めていくのだった。
さらに不気味な影を感じさせる謎の男スヴィドリガイロフの登場が、ラスコリニコフを翻弄していく。
そんな中、マルメラードフの娘で家族のために娼婦となったソーニャの自己犠牲的な生き方は、ラスコリニコフの心に大きな変化をもたらし・・・。
後は、舞台を観て下さいね。
久しぶりに王道の演劇らしい演劇を観たような気がしました。凄くセリフが多いんです。多くて、長い。そして、演出も台本を書いた方と同じ、イギリス出身の方なので、本当にガッツリした、濃厚な舞台劇を観せて下さいました。素晴らしかったです。
三浦さん、よくあれだけのセリフを覚えていますね。驚くほどの多さで、動きも多いので、なんか、本当に久々に凄い舞台を観たという感じでした。もちろん、他の演劇も素晴らしいのですが、イギリスの古典的な舞台っぽいという感じでの、上品さ、歴史、などが感じられる舞台という事で、感動しました。
「罪と罰」って、ドストエフスキーのど真ん中なので、何度も読んで覚えていると思っていたのですが、最期、こんな風に改心したんでしたっけ。私、野垂れ死んだとばかり思っていて、「カラマーゾフ~」とかと混ざっちゃったのかしら。改めて、このお話、考えさせられました。
ラスコリニコフ(ロージャ)は、すんごく真面目で、頭が良く、良い人であるべきだと思っている人間で、強欲な金貸しのババアなんて人を苦しめるだけなんだから、みんなの為に殺す方が良いと考えて、自分は正しい事をするヒーローだと思って殺しちゃうんですよね。彼にとっては、質屋のアリョーナは悪人なんです。でも、悪人を殺す為に行ったのに、顔を見られた彼女の妹のリザヴェータも殺しちゃうので、ここで狂ってくるんです。
悪い奴だけじゃなくて、良い人も殺しちゃったって事で、良心の呵責に苦しむんです。そして段々と悪人と言えど人間なので、やっぱりいけない事だったんじゃないかと思い始めるんです。そりゃそうよ。良い悪いは関係無く、人間は殺してはいけないのよ。理由は無いけど、でも、ダメなものはダメなんです。それが良くなっちゃったら、人間ではなくて、人という動物になっちゃう。で、ロージャは、落ちて行っちゃうんです。いやぁ、でも、殺したくなるような奴っているよねぇ。私も、デスノートに書き込みたい奴、何人かいるもん。仕方ないよ、動物だもん。(笑)
この「罪と罰」というお話、やっぱり深いです。ドストエフスキーは凄いなぁ。本当に名作だからこそ、何年も読まれているんだろうと思います。面白いです。
私は、この舞台、お薦めしたいと思います。とても良い作品になっていました。もし、チケットが手に入るようでしたら、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「罪と罰」シアターコクーン
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/19_crime/
罪と罰〈上〉 (新潮文庫)
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罪と罰〈下〉 (新潮文庫)
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