「少女邂逅」を観てきました。
ストーリーは、
いじめられたことがきっかけで声が出なくなってしまったミユリ。そんなミユリの唯一の友達は一匹の蚕だった。ミユリは山の中で拾ったこの蚕に「紬」と名付け大切に飼っていたが、いじめっ子の清水にその存在がバレて、蚕を捨てられてしまう。唯一の友達を失い絶望するミユリ。そんなある日、ミユリの学校に亡くなった蚕と同じ名前を持つ「富田紬」という少女が転校してくる。
というお話です。
横浜のジャック&ベティという映画館で1週間上映するというので、観てきました。実は、無料券があって、たまたま観たのですが、この映画が思ったより良かったんです。本当は6月に公開されたらしいのですが、横浜ではやっと公開でした。
若手の新鋭、枝優花監督の作品で、初めてこの監督作品を観ました。ちょっとアップが多かったり、ぷつぷつと切れる部分もあり、少し見難いかなぁと感じる部分はあったものの、全体的には美しくて、話の持って行き方も上手いなぁと思いました。
女性には解ると思いますが、高校生の頃って、こんな感じなんですよね。誰かとツルんでいないと怖くなっちゃって、一度、虐められちゃうとどうしようもなく抗えなくなっちゃう。女子同士でも、憧れとかあって、あの子が好きと思うと、まるでその子の信奉者の様について歩いてしまう
そんな時代もあったなぁと思い出しました。と言っても、私はその頃から自分の考えを押し通す子供だったので、普通の女子高生のように可愛くなかっただろうけど。でも、同じ様にツルんでいる女の子たちは何人も居て、なんて可愛いんだろうと思ったものです。
そんな中でも、一度、虐めにあってしまい、一人で居る子もいたような気がします。虐める方は、一度でも反発されれば辞めるんだろうけど、やられるままだと、いつまでも虐めるんですよね。イライラしちゃうんだと思うんです。私も、この映画を見ていて、なんで反撃しないんだよってイライラしましたもん。同じ様な心理状態なんじゃないかな。
そんな虐められっ子のミユリは、紬の登場によって、まるで繭に守られるように、美しく変わって行きます。そして紬に近づきたいと思い、化粧をして、男の子にも興味を持ってみるんだけど、もちろん表面だけの背伸びだから、同じ様にはなれません。だけど、紬と一緒に歩きたいといつも思っているんです。そんな二人の関係にも、少しづつ”ひび”が入っていきます。
だってね、ミユリは表面の紬の姿しか見ていなくて、彼女が抱えている暗い部分を何も見ようとしてないんですもん。紬は、深い悩みを持っていて、本当は、それを話せるように、ミユリにも成長して欲しかったんだと思うんです。だけど、いつまでもミユリは後ろを付いてくるだけ。紬と並んで歩くことは出来なかった。だから、ヒビが入って、その関係は段々と壊れていったのだと思いました。
この映画、良かったな。私は好きでした。自分の高校生の時代に重ね合わせてしまいました。ミユリのような子も、紬のような子も、周りにいたんですよね。私は、いつも傍観者で、そんな彼らが変わって行くのを見ていたような気がします。それこそ蝶が羽化するように、少女から女へ変わる姿は何とも美しく眩しかったなぁ。その頃の私は何だったんだろう、ずーっと同じ姿のカマキリだったのかな。変わらないのもイイもんですよ。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。もう、上映はしていないので、1月にDVD化されるそうなので、レンタルか配信で観てみて下さい。あまり男性には、この感覚は判らないかもしれません。女子同士の何とも危うい関係を描いているので、女性には、理解出来るし、共感出来るのではないかと思います。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
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