「少女邂逅」少女たちは羽ばたこうとするけど、箱に収められている蚕と同じなのかもしれない。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「少女邂逅」を観てきました。

 

ストーリーは、

いじめられたことがきっかけで声が出なくなってしまったミユリ。そんなミユリの唯一の友達は一匹の蚕だった。ミユリは山の中で拾ったこの蚕に「紬」と名付け大切に飼っていたが、いじめっ子の清水にその存在がバレて、蚕を捨てられてしまう。唯一の友達を失い絶望するミユリ。そんなある日、ミユリの学校に亡くなった蚕と同じ名前を持つ「富田紬」という少女が転校してくる。

というお話です。

 

 
いじめをきっかけに声が出なくなった小原ミユリ。自己主張もできず、周囲にSOSを発信するためのリストカットをする勇気もない。そんなミユリの唯一の友達は、山の中で拾った蚕。ミユリは蚕に「紬(ツムギ)」と名付け、こっそり大切に飼っていた。「君は、私が困っていたら助けてくれるよね、ツムギ」この窮屈で息が詰まるような現実から、いつか誰かがやってきて救い出してくれるとミユリはいつも願っていた。
 
ある日、いじめっ子の清水に蚕の存在がバレ、捨てられてしまう。唯一の友達を失ったミユリは絶望するが、やはり自殺をする勇気も無く、また同じ朝を迎えてしまう。次の日、ミユリの通う学校に「富田紬(つむぎ)」という少女が転校してくる。彼女は、昨日、ミユリが虐めによって巾着状態にされていたところを助けてくれた少女だった。
 
 
虐めは続き、教室でミユリにイモムシの形のチョコを無理矢理食べさせようとした時、あまりの気持ち悪さにミユリは吐いてしまう。そこを富田紬が助けてくれて、それから二人は仲良くなる。紬に付いていて貰うようになり、虐めは終り、ミユリはおしゃれを教えて貰い、綺麗になって行く。
 
ミユリは、ストイックな紬に憧れており、つい彼女を目で追ってしまう日々が続き、ある日、紬が自傷行為をしていて、その傷から何故か糸が紡がれているのを見てしまう。美しくて、自分を守ってくれる紬が、自分が飼っていた「ツムギ」の代わりかもしれないと思い始めるミユリだったが、紬の本当の姿を全く見ていなかった。
 
 
高校3年の夏休みが近づき、紬とミユリは、二人で沖縄に旅行に行こうと計画し始める。最初は喜んで計画していたミユリだったが、大学受験を控えた夏休みに旅行に行っている場合ではないと考え始める。しかし、紬は行く気満々で、その用意をし始め・・・。
後は、映画を観て下さいね。

 

横浜のジャック&ベティという映画館で1週間上映するというので、観てきました。実は、無料券があって、たまたま観たのですが、この映画が思ったより良かったんです。本当は6月に公開されたらしいのですが、横浜ではやっと公開でした。

 

 

若手の新鋭、枝優花監督の作品で、初めてこの監督作品を観ました。ちょっとアップが多かったり、ぷつぷつと切れる部分もあり、少し見難いかなぁと感じる部分はあったものの、全体的には美しくて、話の持って行き方も上手いなぁと思いました。

 

女性には解ると思いますが、高校生の頃って、こんな感じなんですよね。誰かとツルんでいないと怖くなっちゃって、一度、虐められちゃうとどうしようもなく抗えなくなっちゃう。女子同士でも、憧れとかあって、あの子が好きと思うと、まるでその子の信奉者の様について歩いてしまう

そんな時代もあったなぁと思い出しました。と言っても、私はその頃から自分の考えを押し通す子供だったので、普通の女子高生のように可愛くなかっただろうけど。でも、同じ様にツルんでいる女の子たちは何人も居て、なんて可愛いんだろうと思ったものです。

 

 

そんな中でも、一度、虐めにあってしまい、一人で居る子もいたような気がします。虐める方は、一度でも反発されれば辞めるんだろうけど、やられるままだと、いつまでも虐めるんですよね。イライラしちゃうんだと思うんです。私も、この映画を見ていて、なんで反撃しないんだよってイライラしましたもん。同じ様な心理状態なんじゃないかな。

 

そんな虐められっ子のミユリは、紬の登場によって、まるで繭に守られるように、美しく変わって行きます。そして紬に近づきたいと思い、化粧をして、男の子にも興味を持ってみるんだけど、もちろん表面だけの背伸びだから、同じ様にはなれません。だけど、紬と一緒に歩きたいといつも思っているんです。そんな二人の関係にも、少しづつ”ひび”が入っていきます。

 

 

だってね、ミユリは表面の紬の姿しか見ていなくて、彼女が抱えている暗い部分を何も見ようとしてないんですもん。紬は、深い悩みを持っていて、本当は、それを話せるように、ミユリにも成長して欲しかったんだと思うんです。だけど、いつまでもミユリは後ろを付いてくるだけ。紬と並んで歩くことは出来なかった。だから、ヒビが入って、その関係は段々と壊れていったのだと思いました。

 

この映画、良かったな。私は好きでした。自分の高校生の時代に重ね合わせてしまいました。ミユリのような子も、紬のような子も、周りにいたんですよね。私は、いつも傍観者で、そんな彼らが変わって行くのを見ていたような気がします。それこそ蝶が羽化するように、少女から女へ変わる姿は何とも美しく眩しかったなぁ。その頃の私は何だったんだろう、ずーっと同じ姿のカマキリだったのかな。変わらないのもイイもんですよ。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。もう、上映はしていないので、1月にDVD化されるそうなので、レンタルか配信で観てみて下さい。あまり男性には、この感覚は判らないかもしれません。女子同士の何とも危うい関係を描いているので、女性には、理解出来るし、共感出来るのではないかと思います。ぜひ、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

少女邂逅|映画情報のぴあ映画生活