「ヘレディタリー 継承」今回は微妙にネタバレさせてください。でないと感想が書けません。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「ヘレディタリー 継承」の試写会に行ってきました。映画レビューサイトのcocoさんのご招待でした。

 

ストーリーは、

祖母エレンが亡くなったグラハム家。過去のある出来事により、母に対して愛憎交じりの感情を持ってた娘のアニーも、夫、2人の子どもたちとともに淡々と葬儀を執り行った。祖母が亡くなった喪失感を乗り越えようとするグラハム家に奇妙な出来事が頻発。最悪な事態に陥った一家は修復不能なまでに崩壊してしまうが、亡くなったエレンの遺品が収められた箱に「私を憎まないで」と書かれたメモが挟まれていた。

というお話です。

 

 

祖母エレンが亡くなり、長年疎遠だったアニーは、皮肉交じりの弔辞を語り、夫のスティーブと息子・ピーター、娘・チャーリーと共に、母親を埋葬する。その頃からアニーはグループカウンセリングを受けるようになり、そこで、母・エレンが解離性同一性障害だったことや、父親が精神分裂症で餓死し、兄が被害妄想で自殺をした事を語る。そして自分も夢遊病に悩まされていて、もしかしたら自分の子供たちも精神疾患になるのではと不安に思っていた。

 

ある日、ピーターが友人の家に遊びに行こうと、アニーの車を借りに行くと、妹のチャーリーも連れていってと言われ、ピーターは仕方なくチャーリーも連れて行く。アニーはミニチュア模型アーティストとして注目されており、近々、個展を開くために仕事に集中したかったのだ。友人の家でパーティーを楽しむピーターをよそに、チャーリーは一人でケーキを口にすると、入っていたナッツでアレルギー発作を起こし、直ぐにピーターはチャーリーを病院へ連れて行こうと車に乗せる。途中で道路に大きな動物の死骸を見つけ、避けた拍子に窓から首を出していたチャーリーは電柱に当って、亡くなってしまう。

 

チャーリーが亡くなり、悲しみに暮れる家族。アニーは精神的に少しおかしくなり、カウンセリングで知り合った降霊術をやるというジョアンと知り合いになり、チャーリーに会いたいアニーは、降霊術のやり方を教わり、チャーリーを呼び戻すことに成功して、ピーターやスティーブに戻って来たと話すのだが、二人は取り合わない。アニーはどんどん精神的に病んで行き、ある日、ピーターの首を絞めようとする。夢遊病のせいだと言うアニー。アニーは子供たちが幼い頃、夜中に夢遊病で、二人と自分にオイルをかけて火を付けようとしたことがあったのだった。

 

 

悩むアニーは、チャーリーを呼び出したことが悪いと思い、彼女の呼び出しに使ったスケッチブックを焼こうとするが、スケッチブックを焼こうとすると、何故か自分に火が回ってしまう。自分では出来ず、スティーブにスケッチブックを焼いて貰い、自分も死のうと思うのだが、再度、スケッチブックを焼くと、今度はスティーブに火が周り、彼は焼死してしまう。アニーは完全に狂ってしまい、残されたピーターは・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、怖かったです。でもね、映画を観ただけでは、全部理解することは出来ず、帰りに貰った完全解析サイトの案内を呼んで、やっとスッキリしました。これ、観る前に、ネタバレになってでも、ある程度の知識を与えないと、細かい部分が分らず、最期にどうなったのかの理解が出来ないと思いました。でもね、理解出来ると、凄くゾッとして、昔の”オーメン”や”サスペリア”というホラーに近い恐さを味わうと思います。

 

アメリカなので、”悪魔”的なホラーですよね。今回は「パイモン」という悪魔が出てくるのですが、パイモンはルシファーに使える地獄の王の一人という説と、ユダヤ教では旧約聖書のレビ記に出てくる「アザゼル」=堕天使と一緒とされているようです。パイモンは「ゴエティア」という書に記された悪魔であり、ソロモン王により封印された72体の悪魔の一人のようでした。悪魔、多過ぎるよね。で、このパイモンという悪魔を崇拝していた祖母エレンが元凶だというのが、大きなネタバレです。

 

 

悪魔崇拝って、気持ちは解るのよね。だって、正しい事だけやってたら、人生、全然面白くないですもん。やっぱり、道を外れてこその人生じゃないですか。ただ、王道を行けば良いのならロボットで十分でしょ。折角、人間に生まれたんだから、神も悪魔も、両方、使い分けたいですよね。ある時は神にすがり、ある時は悪魔にすがり、人生を謳歌するのが、一番だと思うんです。だって、人間だもの。ねぇ。

 

チャーリーとピーターの大きな問題とか、アニーに関してはネタバレしないので、映画を観て下さいね。家族の部分が一番怖いと思います。祖母が元凶と知っていても、それは結果だけなので、ホラー部分は、全く削られていません。怖いのは、他の事です。

 

もう一つ私の考えを書くと、こちらも少しネタバレになるけど、アニーが夢遊病というのがあるでしょ。それね、寝ている時だけは、アニーの母親としての本当の心が出てきて動いていたから、子供たちを悪魔に渡したく無くて殺そうとしたのかなと思いました。だって、悪魔に取り込まれたら、天国に行けずに煉獄に囚われる訳でしょ。アニーの母親の部分が、子供たちを助けたいと思って、囚われる前に殺そうと思ったんだろうと思いました。

 

 

もう一つ、首の無い死体が出てくるのですが、この首無しが表すのは、パイモンが個々の考えは要らないから身体だけで良いという考えなのかなと思いました。悪魔的な考えだと、動く手足さえあれば、個々の心など必要無いですもんね。私も悪魔だったらそうするなと思ったので。

 

最期にもう一つ、チャーリーが女の子なのに不気味で中性的なのは、パイモンのキャラクター設定が「王冠を被り、女性の顔をした男性の姿を取り、ひとこぶ駱駝に乗って、人に人文学、科学などあらゆる知識を与える。」という悪魔なんです。中性的でインテリって感じですね。それにしても、チャーリー役の子、恐かった。タマミちゃんみたいだった。

 

もっと解説したいし、自分の考えも書きたいけど、これ以上書くと、長くなるし、もっとネタバレになっちゃうので、そろそろ止めておきます。でも、再度、書いておきますが、出来れば配給会社さんがある程度のネタバレをしてくれると嬉しいなって思います。でないと、何でチャーリーが女の子なのに不気味で中性的なのか、母親が夢遊病だったのか、祖母がメモを残したのか、ネックレスの紋章は、などが、観ている途中でスルーされてしまい、後から、そんなとこあったっけって事になると思います。私は、アニーの父親や兄の死に関しての詳しい事を頭に残さなかったので、何で兄の事で怒っているのか、解説を読まないと分かりませんでした。私でさえそうなので、ただ恐さを求めて観に来た人は、頭を使わないで観ているので、この映画の本当の恐さに気が付かない恐れがあります。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。怖いです。本当に恐いです。途中で、残酷だったり、グロかったりが目立ちますが、本当の恐さは、全てが理解出来た時だと思います。だから、出来れば、細かい部分の単語を覚えておいてください。最後に全てが解決します。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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