【TIFF2018】「シレンズ・コール」イスタンブールから出られない男の苦労を描きます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京国際映画祭2018 18作目は、コンペティション「シレンズ・コール」です。

 

ストーリーは、

新しいイスタンブールへようこそ。
カオスと偽善を生む出す巨大なコンクリートジャングルで、住民は我慢の限界。タフシンはこの街での生き方に息が詰まりそうになっている疲れ切った建築家。ある夜、昔の友達シレンに再会する。見違えるほど変わった彼女は、今は自然が残るトルコ南部の海岸沿いで有機農業を営んでいる。一瞬で魅せられたタフシンは彼女を追って南部に行く決断をする。スーツケースに荷物をまとめ、職場に怒りを込めた別れの挨拶をして、空港に向かう。しかし、どれほど彼がイスタンブールを出ようと思っても、街はそうそう簡単に彼を放してはくれない。

というお話です。

 

 

イスタンブールで建築家をしているタフシン。義父が社長をする建設会社に勤めており、仕事で大忙しだ。今、イスタンブールは建設ラッシュであり、どんどん巨大ビルが立ち並んでいる。タフシンも、その中で現場に出て指示をしているのですが、現場の統制が取れておらず、ミスばかりが目立つ。問題が多過ぎて、タフシンは、もうお手上げで現場から逃げ出してしまう。

 

義父との会食もバックレてしまい、友人と飲み屋に行くと、そこで懐かしい友人に出くわす。若い頃の友人シレンで、今はイスタンブールを出て、地方で野菜を作ったりして、環境を守るようなコミュニティを開いているらしい。都会とは違い、息が出来るわよと言われた事と、シレンが、昔あなたが好きだったとタフシンに告白したので、つい、舞い上がってしまい、もう、イスタンブールから出て行こうという気持ちになってしまう。

 

家に帰り、うるさく言う妻に別れを告げ、会社も退職し、シレンを追って、夜の飛行機で一緒に地方へ行こうとするのだが、何故か、ことごとくハズれてしまい、空港に近づくことが出来ない。小銭は無くてバスに乗れず、小銭を作ろうとすると押し売りをされ、カードは止められてしまう。車と携帯は会社所有のものだった為に取られてしまい、何処まで行ってもシンガポールから出る事が出来ない。

 

落ち込むタフシンだったが、それでもシレンを追って、何とか地方のコミュニティに辿り着くが、そこでもやっぱり仕事に追われる日々が待っていた。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

このお話、面白かったです。イスタンブールって、本当に建設ラッシュなんですね。バンバン、高層ビルが作られていて、地盤大丈夫なのかよって思っちゃった。それに、作業員が持ってくる問題が、合板が薄すぎるとか、発注してないとか、もう、私には耳が痛いような内容ばかりで、映画だからこそ、大笑いしちゃいました。そうなのよ、合板が薄い事は日本ではあり得ないけど、発注がしてないとかって、良くあるのよねぇ。誰かがやってくれていると思っていて、誰もやってないのよ。うんうん、判る判る。

 

で、このタフシン、イスタンブールを出て行こうとするんだけど、まぁ、何処まで行っても出て行けなくて、これも大笑いしちゃいました。バスに乗って、小銭が無くて降ろされるなんて、日本では無いよなぁ。

 

日本のバスの運転手さんって、本当に良い人が多いから、出来るだけ自分のお財布を出してでも崩してくれて、それでもダメな場合は、次回に払ってくださいって言ってくれる人がいます。だからね、必ず、次回に乗る時に前回払えなかったからって、払うようにしています。今はカードになったからそんなことも無くなったけど、日本社会には、性善説が生きていて良い社会ですよね。

 

 

映画の中では、チケット販売機にお金が飲み込まれちゃうの。それで監視員に捕まるんだけど、これは文句を言って良いよね。機械のせいなんだから。ちょっと酷いと思いました。

 

話を戻して、こんなモタモタが続き、全く空港へ行けないタフシン。イスタンブールに閉じ込められているのかなぁって思い始めるんだけど、それでも、何とかしてシレンが居るコミュニティに辿り着きます。そこでは、穏やかな時間が流れて、意義のある仕事が待っているのかと思って行くのですが、もちろん、そこだって、資本主義な訳ですよ。うんうん、お金が無くちゃ生活は出来ないよね。

 

どこまでも楽したい男がハマってしまった、ドン詰りとは何なのか。笑っちゃうお話でした。それにしても、昔の女が、ちょっとイイ女になっていて、昔好きだったのよとか言われると、なんで男って、直ぐについて行っちゃうのかしら。同じ様に年を取っているんだから、そんだけ腹黒くなっているって思わないところが、男はバカなんだよなぁ。まぁ、奥さんの所に婿として入って、義父の下で働くことになったら、頭は上がらないだろうし、大変だろうことは分かるけど、だからって、そんな怪しげなコミュニティに行くなんて、変な宗教に入るのと一緒だよ。良く考えて欲しいですよね。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。男って、おバカだなぁという感じのコメディで、楽しめました。でも、そんなに派手な映画では無いので、日本公開はどうかなぁ~。うーん、公開して欲しいけど、まぁ、機会があったら、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

東京国際映画祭2018 「シレンズ・コール」

https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31CMP12