東京国際映画祭2018 14作目は、コンペティション「翳りゆく父」です。
ストーリーは、
仕事上の事故と思われる悲劇の後、悲しみに暮れる父親を娘が見つめる。父娘は会話が成り立たない。ダルヴァは亡くなった母親をよみがえらせることができると信じている。父親の存在が薄くなり、やがて危険な状態にまでなるにつれ、ダルヴァは母親の生還こそ唯一の希望と考えるようになる。
というお話です。
ブラジルに住む少女ダルヴァ。母親を亡くした少女は、父親から母親の形見を貰い、それを使って、まじないで母親を生き返らせようと考えている。叔母は、ダルヴァが祈ると、色々な願いが叶った前例があったので、怪しい呪いで母親を呼ぶのは辞めるように、形見は捨てなさいと言うが、ダルヴァはコッソリ隠している。叔母は、結婚する為に、家を出て行き、家には父親とダルヴァの二人きりになってしまう。
父親は、母親が亡くなってから落ち込んでいて、会話も少なくなっていた。その上、仕事場でリストラが始まり、仲間がリストラにあってしまう。自分もリストラされるのではないかと怯えていた矢先、リストラされた友人が、仕事場から飛び降りて死んでしまう。リストラの恐怖と友人の死のショックで、段々と様子がおかしくなって行く父親。
そんな父親を不安に思い、ダルヴァは、早く母親を生き還らせようと、母親の形見の歯と髪の毛を庭に埋め、一身に願う。父親は、落ち込みながらも、変な呪いをする娘を心配しており、辞めさせようとするのだがダルヴァは言う事を聞かない。そして、父親は仕事現場で、先日、飛び降りた友人らしき人影を見て、怯えて・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、ホラーでした。最初は、ヒューマンドラマかと思っていたら、どんどん、暗くなって行って、マジなホラーになってしまいました。ちょっと怖かったなぁ。なんたって、ブラジル人も黒髪だから、長い黒髪をうねらせると、まるで貞子っぽく見えて、イヤなのよ。気持ち悪いの。
父親なんて、生きているのに目の周りが黒くなって行って、まるでゾンビのような顔つきになって行ってしまい、おかしいよって言いたくなっちゃった。何で誰も、彼を病院に連れて行こうとかしなかったのかしら。まぁ、とっても貧しそうだったから、仕方ないのかもしれないけど、父親って、建設現場で左官の仕事をしていたから、そんなに低賃金では無かったと思うのよね。それでも、あんな状態で、お金を何に使ってたのかなぁ。ちょっと不思議でした。
うーんと、スミマセン、私、この映画、あんまり怖く無くて、責任感の無い父親にムカついて、娘のダルヴァにもイライラしちゃったから、共感が出来なかったんです。でも、ブラジルでは、日常的にまじないとかを
真剣に信じて、やっている人が多いようで、ブラジルの雰囲気を知っている人には、これが理解出来るのかもしれません。
私は、この映画、まぁ、お薦めしても良いかなぁという感じでした。ゴシックホラーが好きで、古い感じの映画も好きな方には、良いかもしれません。日本公開は、ちょっと難しいかも知れませんが、もし、観る機会があったら、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
東京国際映画祭2018 「翳りゆく父」
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31CMP05