【TIFF2018】「アマンダ」家族の死を前に、生きる道を模索する叔父と姪の心の行く先は。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京国際映画祭2018 13作目は、コンペティション「アマンダ」です。

 

ストーリーは、

便利屋業をしているダヴィッドは、パリに出てきたてのレナに出会い、恋に落ちる。しかしその直後、姉の突然の死によって彼の人生は無残に壊れていく。ダヴィッドはショックと辛さを乗り越え、まだ若い姪っ子アマンダの世話をしながら自分を取り戻していく。

というお話です。

 

 

短期間滞在用の宿舎の管理をしながら、街路樹の伐採作業などを請負っているダヴィッドは、シングルマザーの姉を助ける為に、姪の送り迎えを手伝っている。姪のアマンダは7歳。かわいい盛りで、とっても素直だ。ダヴィッドもとても可愛がっている。

 

ある日、近所の公園でテロ事件が起こり、突然、姉がそのテロ事件の犠牲者になったと告げられる。それまで、公園は彼女と語り合ったり、散歩をしたりと、生活の一部であったのに、そこで姉が亡くなってしまった。ショックを受けるが、姪のアマンダの事もあり、ぼんやりはしていられない。アマンダの保護者となり、彼女を育てて行けるのか、心配は山ほどあるが、二人で生きて行くしかない。

 

 

アマンダは、エルビス・プレスリーの曲を聞きながら母親が話してくれた、「エルビスはもうこの建物を出ました。」というフレーズを思い出す。観客を帰す為に使われたこのフレーズを楽しそうに話していた母の姿を思い出し、本当に一人になってしまった事を感じる。

 

姉が亡くなった事で、アマンダの親権をどうするかという話の時に、ダヴィッドと姉の母親がイギリス人で、今もイギリスに住んでいる事が分かり、ダヴィッドは、一度、訪ねようと、イギリスにアマンダを連れて、テニスの試合(ウィンブルドン)を観がてら行く事にする。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、良かったなぁ。見せ方が上手いんです。アマンダ役の少女も素晴らしいのですが、話しの持って行き方が上手いんだよなぁ。平穏な日々を過ごしている家族に、突然とテロの脅威が牙を剥き、姉が亡くなってしまいます。だけどね、その悲惨な事件はほとんど描かれていません。公園に人が倒れているように見えて、何か騒いでいるなという雰囲気しか分からないんです。そして、その後、姉の死を伝えられるんです。そこで、やっと、無差別テロ事件があったのだと言うことが判るのですが、これ、見せないからこそ、後から、その恐怖がじわじわ来るんですよ。だって、生活の一部だった場所で、そんな事が起こるのだという現実が見えてきて、日常の場所が違って見えてくるんです。本当に恐いと思いました。

 

 

そんな中で、新しい生活を始めなければならないアマンダとダヴィッドは、戸惑う事ばかりで、手探りで生活を進めて行きます。そりゃ、そうよねぇ。まさか、結婚もしてないのに、いきなりパパをやれと言われても、簡単に行く訳は無いし、アマンダの方だって、突然、叔父と2人きりの生活になり、どうして良いのか分からないと思います。

 

そんな二人が、段々と家族の死を受け止め、何かに感動して、未来を観ていく姿が描かれていて、観ているこちらの気持ちが楽になるような作品でした。現在のパリは、テロが起こったりして、いつ何が起こるか分からないような情勢なのですが、そんな中でも、人々は、力強く生きているという感じで、素敵でした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。ステキな映画だなぁと思ったら、やっぱり、日本公開が決まったそうです。2019年の初夏に公開になるようでした。楽しみに待っていてください。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

東京国際映画祭2018 「アマンダ」

https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31CMP01