【TIFF2018】「詩人」愛し合う夫婦の静かな愛が沁みてくる映画でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京国際映画祭2018 5作目は、コンペティション「詩人」です。

 

ストーリーは、

中国の経済改革の最中、鉱山労働者のリーは紙とペンで自分の運命を変えようとする。妻のチェンは夫の夢を叶えようと全身全霊で支えた。ついに、彼の詩集が出版され、有名になり、鉱山の仕事を辞める。
10年の歳月が経ち、急速な経済成長はあらゆる精神的信条の価値を下げ、詩人でいることなど論外だと考える世の中になった。チェンと離れたリーはもはや詩を書くことができなくなっていた。
しかし、彼の知らないところで実はチェンは彼の生活を支えていた。リーの死後、チェンはリーの影と匂いに囲まれながら奇妙な人生を送る。

というお話です。

 

 
中国のある工場で働くリーは、妻と二人で幸せに暮らしていました。リーは、趣味で詩を書いており、時々、雑誌や新聞などの賞に応募していたのですが、その一つが賞を貰い、賞金が送られてきます。気を良くしたリーは、それから、沢山の詩を書く様になり、段々と有名になって行きます。
 
 
彼の詩集が出版され有名になり、工場も辞めて、詩人として生きて行く事となります。それから10年経ち、中国は急速に近代化されていき、経済成長をし、人々は詩を読む事も無くなって行きました。詩の協会の会長などを務めるリーですが、その需要は無くなり、誰も詩などに気を取られることがありません。
 
有名になったリーは、妻のチェンと別れており、一人、寂しく、机に向かうばかり。実は、妻と別れてからは、詩が書けなくなっていました。
そんな時に、工場で妻の友達だった女性に再開し、何となく近づいて行きます。しかし、彼女が近づいてきたのには、ある理由があり…。後は、映画を観て下さいね。
 

 

中国が、ちょうど発展していく時代に、詩人として有名になった人の末路なのですが、それを描いているのではなく、詩人とその妻の深い愛を描いていました。

 

工場で働いている時は、本当に仲睦まじい夫婦で、いつもくっついていたいというような二人なんです。凄く愛し合っていたと思うのですが、リーが有名になってしまい、その関係が崩れて、別れたのだと思うんです。そこら辺は、あまり詳しくは描かれていません。

 

 

10年後、別々に生きている二人なのですが、リーは、いつも懐かしく思いながらも、彼女に連絡が取れなかったのかなと思うんです。チェンの方も、リーの足手纏いになったらいけないと思い、陰ながら、ずっと支えて行こうと思っていたのだと思います。

 

 

お互いに深く愛し合っていながら、一度、別れてしまって、どうしても歩み寄れなかったのかなという感じで、可哀想でした。どちらかが、カッコ悪くても、邪魔になっても、お構いなしに近づいて行けば、もしかしたら、明るい明日が見えたかもしれないけど、お互いにプライドもあっただろうし、尊重する気持ちもあっただろうから、近づけなかったのかしら。私なら、きっと、直ぐに連絡しちゃうし、こんなに愛し合っているんだったら、再婚すれば良かったのに。でも、お互いの事を思い過ぎてしまうと、こうなってしまうのかしら。とても悲しいお話でした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。でも、とっても大人しくて、派手な映画では無いので、誰にでもお薦め出来るかというと、難しいかな。大人の恋愛が観たい方には、お薦めしたいです。日本公開は、ちょっと難しいかしら。良い映画なんだけど、静かな映画なので。もし、公開されたら、ぜひ、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

東京国際映画祭2018 「詩人」

https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31CMP10