東京国際映画祭2018 5作目は、コンペティション「詩人」です。
ストーリーは、
中国の経済改革の最中、鉱山労働者のリーは紙とペンで自分の運命を変えようとする。妻のチェンは夫の夢を叶えようと全身全霊で支えた。ついに、彼の詩集が出版され、有名になり、鉱山の仕事を辞める。
10年の歳月が経ち、急速な経済成長はあらゆる精神的信条の価値を下げ、詩人でいることなど論外だと考える世の中になった。チェンと離れたリーはもはや詩を書くことができなくなっていた。
しかし、彼の知らないところで実はチェンは彼の生活を支えていた。リーの死後、チェンはリーの影と匂いに囲まれながら奇妙な人生を送る。
というお話です。
中国が、ちょうど発展していく時代に、詩人として有名になった人の末路なのですが、それを描いているのではなく、詩人とその妻の深い愛を描いていました。
工場で働いている時は、本当に仲睦まじい夫婦で、いつもくっついていたいというような二人なんです。凄く愛し合っていたと思うのですが、リーが有名になってしまい、その関係が崩れて、別れたのだと思うんです。そこら辺は、あまり詳しくは描かれていません。
10年後、別々に生きている二人なのですが、リーは、いつも懐かしく思いながらも、彼女に連絡が取れなかったのかなと思うんです。チェンの方も、リーの足手纏いになったらいけないと思い、陰ながら、ずっと支えて行こうと思っていたのだと思います。
お互いに深く愛し合っていながら、一度、別れてしまって、どうしても歩み寄れなかったのかなという感じで、可哀想でした。どちらかが、カッコ悪くても、邪魔になっても、お構いなしに近づいて行けば、もしかしたら、明るい明日が見えたかもしれないけど、お互いにプライドもあっただろうし、尊重する気持ちもあっただろうから、近づけなかったのかしら。私なら、きっと、直ぐに連絡しちゃうし、こんなに愛し合っているんだったら、再婚すれば良かったのに。でも、お互いの事を思い過ぎてしまうと、こうなってしまうのかしら。とても悲しいお話でした。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。でも、とっても大人しくて、派手な映画では無いので、誰にでもお薦め出来るかというと、難しいかな。大人の恋愛が観たい方には、お薦めしたいです。日本公開は、ちょっと難しいかしら。良い映画なんだけど、静かな映画なので。もし、公開されたら、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
東京国際映画祭2018 「詩人」
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31CMP10