【TIFF2018】「テルアビブ・オン・ファイア」パレスチナとイスラエルのコメディって面白い! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

東京国際映画祭2018 2作目は、コンペティション「テルアビブ・オン・ファイア」です。

 

ストーリーは、

サラムはエルサレムに暮らすチャーミングな30歳のパレスチナ人。
「テルアビブ・オン・ファイア」という人気メロドラマの制作インターンをしている。撮影所に通うため、毎日毎日、面倒なイスラエルの検問所を通らなくてはならない。ある日、検問所の主任アッシと知り合う。ドラマの熱烈なファンである妻に自慢するため、アッシはドラマの脚本に関わることに。アッシの脚本案で、サラムは正式脚本家に出世することになった。サラムの業界でのキャリアアップに火がつくが、アッシとスポンサーがドラマの結末に不満を抱く。

というお話です。

 

 
パレスチナ人のサラムは、ふらふらしていたので、父親のいる映画会社でバイトを始める。そこでは「テルアビブ・オン・ファイア」というソープオペラ=昼メロを製作しており、バカにしながらも、働かなければと頑張っています。
 
ある日、パレスチナから職場のイスラエルへ入る為に、検問所を通る時に、セリフの事を考えていて、”爆発”と口走ってしまう。検問所の兵士に不審がられ、車から降ろされて調べられていると、ドラマの脚本を見つけられてしまいます。そしてドラマの脚本家だと嘘をついてしまったサラムは、検問所の主任アッシと知り合い、彼の妻や家族が、この昼メロを楽しみにしているから話しの先を教えろと詰め寄られてしまいます。まさか、脚本家などでは無くバイトだとは言えず、つい、主人公のスパイが誰と結婚するかなど、決まっても居ない事を勝手に話してしまう。
 

 

介抱されたサラムは、仕事場に行き、出来るだけ自分が話した話に近くなるように、みんなを誘導し、話の内容に口を出すようになると、その内容が採用されたりして、とうとうドラマの脚本家に抜擢され、出世してしまう。

 

何故か、主演女優にも気に入られ、彼女が喜ぶような脚本に変更し、その上、アッシに話した内容にも合致させるようにしなければならず、苦慮しているのだが、段々と、アッシに話した内容とは変わって来てしまい、妻に話していた内容と変わってしまった事に腹を立てたアッシが、サラムのIDカードを取り上げて、決めた通りの話にしないと返さないと言われてしまう。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、本当に笑えて面白かったです。イスラエルとパレスチナという微妙な関係の地域で、両方の人種に観られているソープオペラを、どうやって、誰もが納得するように創り上げていくのか、そして、バイトだった男性がどこまで出来るのか。もう、大笑いでした。すんごく間抜けなんですもん。なんで、どうしてそんな事言っちゃうの?って言ってあげたくなっちゃった。

 

監督は、自分はパレスチナ人だけど、元々、イスラエルになっちゃった場所に昔から住んでいたから、パレスチナ人だけど、イスラエルのIDも持っているのだそうです。そういう微妙な人々も沢山いて、あっちに行ったり、こっちに行ったり、全て検問所でIDを見せないと出来ないような、そんな事もあるようです。難しい地域です。だけど、そんな地域にあって、こんなに誰もが笑える作品をつくって、素晴らしいと思いました。

 

 

映画の中には、パレスチナ人がイスラエル人に虐められたりという場面もあり、問題視されなかったのかという質問が出まして、それに関しては、監督が言うには、日常に起きている事なので、今更、それに関して苦情を言われる事は無かったそうです。映画の中の姿が、通常の姿だから、問題が無いとの事でした。

 

面白いと思ったのは、フムスというパレスチナの名物食べ物が出てきて、それをイスラエス人のアッシが美味しいと食べるのですが、サラムは嫌いだと言って、そのやり取りがとても面白かったです。ひよこ豆を潰して練ったものらしく、そんなに美味しそうじゃないけど、名物だそうですよ。

 

 

この映画、すっごく面白いコメディで、イスラエルとパレスチナという地域の映画としては、とんでもなく面白い作品だと思いました。これ、本当は、沢山の人に観て欲しいな。この地域は、悲惨な映画ばかり公開されているので、こんな楽しい映画もあるんだよって知って欲しい。私は、超!お薦めしたい作品だと思いました。日本公開してくれないかなぁ。ぜひ、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

東京国際映画祭2018 「テルアビブ・オン・ファイア」

https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31CMP13