「止められるか、俺たちを」若松監督の若い頃って、こんな感じだったんですね。凄いパワーでした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「止められるか、俺たちを」を観てきました。

 

ストーリーは、

1969年春、21歳の吉積めぐみは、新宿のフーテン仲間のオバケに誘われて若松プロダクションの扉をたたいた。そこはピンク映画の旗手・若松孝二を中心とした新進気鋭の若者たちの巣窟。めぐみは、若松孝二という存在、なによりも映画作りに魅了されていく。

というお話です。

 

 

1969年春、21歳の吉積めぐみは、友人のオバケ(秋山道男)に誘われ、若松プロダクションを訪れる。助監督になりたいというめぐみを大変な仕事だぞと言いながらも受け入れてくれた若松。男ばかりの映画の世界に一歩踏み込んだめぐみだった。

 

その頃、素晴らしい映画を作っていた若松だったが、資金繰りが苦しくなり、それを補填する為のピンク映画も多く作っていた。ピンク映画の制作場所に女が入るなど、ほとんど無かった事だが、めぐみは臆することなく、その世界で頑張り始める。

 

 

若松プロには、新進気鋭の映画製作者たちが集まり、いつも議論を交わし、新しいアイデアを求めて動いていた。そんな中で、めぐじ自身も映画にのめり込んで行く。

 

しかし、どこかで女というものも捨てられず、その欲望も叶えてしまい、段々と八方塞がりになっていく。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、面白いんだけど、上手く解説が出来ないんですよね。若松プロに居た方達の軌跡を追って、描いているのですが、それを見ているのがめぐみさんなんです。男ばかりの中で、彼女が喜んだり、悩んだり、疎外感を持ったり、誰かを好きになったり、そんな姿が描かれていました。

 

このめぐみさんの気持ち、痛いほど解かりました。最初は、男ばかりの中でも、全然大丈夫だと思って、同じ様に仕事をしているんですが、やっぱり男社会の中での女は、少し下に見られてしまう部分があり、どうしても満足の行く仕事をさせて貰えないので不満が溜まるんです。仕方ないと思いながらも、どうしても納得出来なくて、そのストレスが、女という自分を引き出してしまい、欲望が出てきちゃうんですよねぇ。

 

 

特に、この時代の女性は、今のように言いたいことが言えない時代だし、男と対等と言いながらも、決してそうは思って貰えなかったと思うんです。でもね、だからって、周りの男性たちを責めている訳では無く、そういう時代だったとしか言いようがありません。だって、男性たちだって、それが悪いとは一切思っていなかったんだから。仕方ないですよね。

 

 

そんな時代に映画の世界で助監督として仕事をし、出来れば、監督になりたいという夢を持っていて、だけど、男性と同じように認めて貰う事は出来なくて、そんな時に、自分が女として産まれた事を確実に思い知らされるような事が起きてしまうと、もう、そこから女として生きた方が良いのか、全てを捨てて男として生きるのか、どうしようもなくなっちゃって、選べなくて、でも、直ぐにでも選ばなくちゃいけなくなってと、追い詰められたと思うんですよ。

 

 

この時代だと、例えば、結婚して、子供を産んで育てながら仕事をするなんて、絶対に許されない時代だっただろうし、子連れなんて言ったら、仕事を馬鹿にしてんのかっ、出て行けって言われた時代だと思います。仕事をしたかったら、追い詰められちゃうよねぇ。

 

 

この映画は、その時代の映画に賭けていた男性たちの姿と、そんな中に女一人で入り込み、戦っていた女性のお話です。私は、お薦めしたいと思います。私は、好きな映画でした。元々、若松監督の作品、好きなんです。きっと、この映画を作った方々も、若松映画が大好きで、作って下さったのだと思いました。愛が感じられました。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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