「純平、考え直せ」抗い切れない運命と、彼を止めたいと思う人達の思いがぶつかって・・・。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「純平、考え直せ」を観てきました。

 

ストーリーは、

新宿歌舞伎町で、いつか「一人前の男」になることを夢見ながら、雑用に追われる日々を送る、21歳のチンピラ・坂本純平。ある日、対立する組の幹部の殺害を命じられた純平は「これで一人前の男になれる」と気負い立ち、偶然出会ったOLの加奈と一夜を過ごす。純平から「鉄砲玉になる」ことを聞いてしまった加奈は、決行までの3日間を純平と行動をともにする。拳銃一丁と数十万円の支度金を手に、新宿を見降ろすホテルに泊まり、焼肉を好きなだけ食べる純平と加奈は、孤独と不安を慰め合い、次第に惹かれ合っていくが・・・。

というお話です。

 

 

新宿歌舞伎町の暴力団下っ端チンピラの坂本純平、21歳。家を飛び出て、今のアニキの所に弟子入りし、今日も、地場の店舗を周り、みかじめ料を徴収していた。フィリピンパブの女の子が困っていれば、話を付けに行くのも仕事である。ある不動産屋に退去時の迷惑料を不当に取られたと訴える女の子の話を聞き、不動産屋に怒鳴り込むと、そこのケツ持ちの暴力団が出てきてしまい、ボコボコにされてしまう。そんな失敗もしながら、日々、一人前の漢になる為に頑張っていた。

 

そんなある日、アニキではなく親分に呼ばれ、行って見ると、「男になる気はあるか。」と聞かれ、もちろんと強く答えた純平に、親分は、敵対する組の若頭を殺ってこいと言われ、拳銃を渡される。そして、捕まれば10年は刑務所に入ることになるからと、数十万円のお金を渡され、イイ処に泊まって、旨いものでも食えと言われる。

 

 

純粋な純平は、これで世話になったアニキに恩返しが出来て、男になれると喜び、何をしようかと考えながら歌舞伎町を歩いていると、先日行った、不動産屋に務めていた女が付いてくる。純平を気に入ったらしい。可愛い女だし、丁度良いと思い、純平はその女とホテルに入り、貪り合うように求め合う。

 

純平は、依頼された殺しまでの時間を、その準備と、心残りが無いように使いたいと思い、付いてきたOLの加奈にも打ち明け、疎遠にしていた母親に会いに行ったり、バイクを手に入れたりと、忙しく動き始める。そんな純平を見て、死んで欲しくないと思った加奈は、SNS仲間に、事の次第を打ち明け、意見を求めていく。すると、SNS仲間たちも、段々と真剣になり、何とか、純平を止めたいと思い始める。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

何か、この映画、良かったです。私は好きでした。直木賞作家の奥田英朗さんの小説なのですが、一見、チンピラがはくを付ける為に無茶をするというだけのお話に見えますが、違うんですよねぇ。これ、小説読むよりも、実写で観た方が、寄りリアルだったような気がしました。あのね、若い青年を、汚い大人たちが寄ってたかって、良いように使っているというのが、ありありと見えるんです。それが、今の社会の仕組みなのだという事を訴えているようで、考えさせられました。

 

 

確かに、暴力団などは問題だけどその部分じゃなくて、普通に暮らしていても、少子高齢化が進んで行くので、若い青年に高齢者が寄ってたかっておんぶにだっこしているような状態でしょ。彼らに働かせて、自分たちは何もせずに座っている。若い子を騙している訳では無いけど、高齢者が彼らに押し付けるせいで、若い人達が潰れて行ってしまう、そんな事を言われているような気がしてしまいました。

 

 

そして、利用されている純平を、見も知らないSNS仲間たちが、心配して、必死で歌舞伎町を探し回るというところがあって、そういう繋がりってあまり良くないイメージだったけど、人と人との関わりって不思議だけど素敵だなと思いました。もし、純平を止められたら、今まで、あまりイイ事なんて無かったけど、何か運命に勝てたような気がするかも知れないと思いましたね。

 

純平なのですが、この子、男になるとか言って、バカそうに見えるけど、本当は、色々な事を良く分かっていたのだと思います。でも、後戻りは出来なかったのと、自分でも、このまま同じ仕事を続けていても、何も変わらないと思ったからこそ、勢いを付けて、一発やってやろうじゃないかと思ったのかななんて思いました。純平だって、本当はやりたくなかっただろうと思いますよ。でも、彼には、この世界しか無くて、もがいていたのだと思います。

 

 

純平に付いてくる加奈ですが、彼女も毎日に退屈していて、最初は退屈しのぎで、純平に付いてきたのだと思いますが、段々と彼に惹かれて行き、彼を助けたいと本気で思い始めるんです。だから、SNS仲間に情報を流したり、止める方法を考えていたのではないかと思いました。

 

最期に、不動産屋の加奈の同僚で、加奈に思いを寄せている男に岡山天音さんが出演していました。彼は、どんどん良くなって行くねぇ。若いのに上手くて、好きな俳優さんです。

 

 

小さな町歌舞伎町で、必死に生きている人々を描いていて、私は好きな映画でした。私は、この映画、お薦めしたいと思います。本当は、超!を付けたかったのですが、これは好き嫌いがあるかなと思い、付けるのを辞めました。良い映画ですので、ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

純平、考え直せ|映画情報のぴあ映画生活