「響 HIBIKI」を観てきました。
ストーリーは、
出版不況が叫ばれる文芸界。文芸雑誌「木蓮」編集部に一編の新人賞応募作が届く。応募要項を一切無視した作品のため、破棄されるはずだったその作品に編集者の花井ふみが目を留めたことから、状況は大きくは変わり始める。「お伽の庭」と題されたその小説は、15歳の女子高生・鮎喰響によって書かれたものだった。
というお話です。
高校1年生の女の子・鮎喰響。いつも本を読んでばかりで、学校では、ほとんど誰とも交流が無い。部活が必修となっており、仕方なく文芸部に入ろうと幼馴染の涼太郎と部室に入部希望をしにいくと、不良の溜まり場となっていた。出て行けと言われた響たちだが、文芸部に入りたいと近づくと胸倉を掴まれ”殺す”と言われた直後、響は相手の小指を折ってしまう。不良たちは居なくなり、文芸部の部長である祖父江凛夏だけが残り、二人を歓迎する。祖父江凛夏は、有名な作家・祖父江秋人の娘であり、彼女自身も小説を書いていた。響も小説を書いて出版社の新人賞に送ったばかりであり、何となくイイ感じで学校生活も動き出す。
響が出版社に送った小説は、新人賞の応募要項がネット応募だった為に読まれずに破棄されることになるが、ふと気が付いた花井ふみに読まれる事となり、花井は、響の才能に陶酔することになる。手書きだった原稿をPCで打ち直して、直ぐに新人賞の参加作品としてアップする。そして最終選考に残った響の作品は、新人賞を受賞することとなる。
その年の木蓮新人賞は2人、田中康平と鮎喰響だった。授賞式に出席した響は、田中の生意気で人を馬鹿にしたような言動に怒りを覚え、授賞式の最中なのに、田中に暴力を振るってしまう。その場面をマスコミに撮影されバッシングにあうが、本人は他人の事などどこ吹く風で気にしていない。花井は、編集長に響を押さえられなかった責任を問われ、暴力を振るう作家の本は出版出来ないと言われてしまう。
このままでは、響の小説を出版出来ないと花井が悩んでいると、雑誌に載った新人賞小説の反響が大きく、暴力問題よりも書籍化して欲しいとの声が押し寄せ、出版される事となる。すると、響の小説「お伽の庭」は、芥川賞、直木賞、の両方の賞にノミネートされてしまう。響のあまりの才能に文芸界は大騒ぎとなるが、彼女の暴力的な性格を追うマスコミも出てきてしまい・・・。後は、映画を観て下さいね。
私、この原作漫画は読んでいないのですが、まぁ、面白かったかなと思います。どーも、絶賛が出来ないのは、天才的な才能に恵まれた女子高生小説家という題材が、どーも受け入れられなくて、何と言えば良いのか難しいです。小説って、読む人それぞれ感じ方が違うものだから、天才小説家と言っても、必ずしも万人がその人の小説を面白いと言うかというと、そうでも無いんですよね。映画の大ヒット作品がアカデミー賞を取れないのと一緒で、芥川賞を取ったからといって、必ずしも面白い小説とは言えないところが、微妙な部分なんです。だから、天才的だと騒がれても、ふ~ん、って感じなんです。
この主人公の響、凄い性格でしたね。実は、私の子供の頃にそっくりです。親が苦労したようでした。身体が小さいから、暴力を振るったり暴れたりしても、直ぐに抑えられたから良かったようですが、自分が正しいと思った事を曲げろと言われると、どうしても我慢出来なかったようです。だから、アスペルガーだったのではないかと言われるのですが、その時代は、アスペルガーなんて診断も無かったし、それくらいで病院に連れて行って診断して貰う何てなかったですからね。
この響も、そういう障害があるのかなと思いました。表情も無いし、人の話を聞かないし、良く言うアスペルガー障害に似てますよね。でも、普通に高校生活を送っているので、問題は無いのだと思います。私だって、普通に学校生活を送っていたもんね。
話を戻して、響ですが、親は全く出てこないんです。そこも、何故か不思議でした。こんな暴力とか、訴えられるような事したら、親が責任取らされるでしょ。だって15歳ですよ。いくら天才小説家でも、まだ親が責任を取る年代でしょ。親が全く出てこないというのが、どーも納得が出来ませんでした。映画の中で、一瞬、母親の声だけは出ましたが、何だかねぇ。大体、学校で先輩の指の骨を折ったら、親が呼ばれて、相手の親に謝らされるでしょ。いくら誤魔化したって、保健室の先生は、あの折れ方なら解ると思うよぉ。映画だから許すけど、イマイチ、リアル感が無いところが、この映画の問題点かな。
響役の平手さん、待ったく表情が無いし、セリフも棒読みで、決して上手い訳では無いのですが、どこか惹かれる部分があって面白いなと思いました。目力なのかな。時々、ふっと凄く美しく見える場面があるんですよね。全体的には、そんなに美人でも無いし頬がプックリしていて、ちょっと子供的というか顔が太目かなと思うのですが、時々、凄く美人に見えるんですよね。不思議な子だなぁと感心しました。無表情だったのは、原作がそうだったのかもしれないから、今度は演技も勉強して、他の映画にも挑戦してみて欲しいです。
北川さんは、段々と脇を固める役になり始めましたね。セリフ回しが、ちょっとワザとらしく聞こえてしまうのですが、でも、美しいし、演技も良くなっているので、今後も楽しみです。今度は、その美しい顔で、悪女をやって欲しいなぁ。ごりっごりの悪い奴をしてくれたら、ちょっと嬉しいかもしれません。
凄い俳優陣が脇を固めていて、周りは凄かったのですが、そんな中でも、アヤカ・ウィルソンさんを久しぶりに拝見いたしました。「パコと魔法の絵本」の時に、こんなに天使みたいな子いるんだなと思ったけど、今も、その可愛さは健在でした。もっと観たいなぁ。映画やTVに出て欲しいです。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。小説が題材なので、イマイチな部分もありますが、映画としては、良く出来ていたと思います。私は楽しめました。北村さんとか柳楽さんが、響に暴力を振るわれる部分が、結構凄くて、笑ってしまいました。平手さん、アクション上手い!そうそう「欅坂46」の真ん中の子なんですってね。そりゃ、歌って踊っているんだから、運動神経は良いのかな。良かったです。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。![]()
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