「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」を観てきました。
ストーリーは、
1960年代、沖縄返還について米国との交渉を任された男・千葉。沖縄から核兵器を撤去させ、ベトナム戦争の拠点に利用されないよう、彼は激しい交渉を重ねる。一方で、足しげく沖縄へと飛び、住民たちの苦悩に耳を傾けては、返還への思いをますます強くし・・・。
というお話です。
沖縄の日本返還にあたりアメリカとの交渉にあたった外交官・千葉一夫を主人公に、沖縄返還の知られざる歴史を骨太に描いたNHKドラマの再編集劇場版。「鬼の千葉なくして沖縄返還なし」とも言われ、アメリカと激しい交渉を繰り広げた千葉の存在を掘り起こしたノンフィクションです。
第二次世界大戦時、通信兵として関東に勤務していた千葉は、沖縄戦の酷い状況を通信で聞いていた。何も出来ない自分を悔しく思いながらも、戦争は終り、沖縄はアメリカの統治下となってしまった。
それから10年以上経ち、沖縄を返還を訴える日本との交渉の席にアメリカが着くことになる。その交渉を任された外務省の千葉は、1972年に沖縄を日本に返還する事を目標に、アメリカの大使や職員と何度も会談を重ねます。
日本の希望は、1.核を基地から排除すること。2.出撃時には日本政府に了承を得る事、と言う事だった。出来れば基地も減らして欲しいとの希望を伝える。しかし、アメリカは受け入れず、返還交渉は暗礁に乗り上げる。日米安保条約があり、基地の縮小は簡単には出来ないし、ベトナム戦争をしている最中に、日本政府に了承など取っている場合ではない。そんなアメリカ相手に、しつこく希望を突きつける千葉を、段々とアメリカ大使は遠ざけていく。
日本政府も、アメリカが簡単に了承する訳はない事を知っており、表向きに結ぶ約束と、裏で結ぶ密約を作れば良いだろうと言い出す。とにかく沖縄を日本に返還してもらうことが先決だというのだ。沖縄は帰して貰うのでは無く、取り戻すのだという考えを曲げない千葉は、何処までも突き進み、沖縄へ言っては、住民の人々の意見を聞き、取り入れ、アメリカとの交渉を進める。しかし・・・。
後は、映画を観て下さいね。
沖縄がアメリカの統治下にあって、日本に返還されたのって、1972年なんですね。もっと昔の事かと思ってたけど、結構、近いんだと知り、ビックリしました。だって、高校や大学の時に沖縄旅行とかしていたから、沖縄がアメリカだったなんて、想像が出来ないんだけど、大変だったんですね。
確かに、沖縄の立地を思えば、あの頃、ベトナム戦争をしていたんだから、一番、戦闘機を飛ばすのに便利だっただろうし、泥沼だったベトナム戦争でボロボロになった兵士を癒す為には、温暖で穏やかな沖縄は、アメリカにとって、良い土地だったんでしょう。だから、アメリカが簡単に返す事に同意するはずがなかったんです。でも、この千葉さんと言う方が頑張ってくれて、沖縄が帰って来たんでしょう。
でも、裏に密約があったのは、ムカついたでしょうね。千葉さんは、最期の最後まで、密約はダメだと言っているのに、外務省の上の方々は、とにかく返させるのが先だと言って、密約を結んでしまう。仕方なかったのかなぁ。この時、頑張って密約なんてしなかったら、今頃、どうなっていたんだろう。
今も、米軍基地の問題で揺れている沖縄ですが、いつになったら、沖縄の人々が、ゆっくり眠れる日が来るんでしょうね。日本にある米軍基地は、70%以上が沖縄にあるらしいのですが、何でこんな割合になっちゃったのかしら。本土にあった方が、大きく土地が取れそうなもんだけど、何で、沖縄にまとめたのかなぁ。日本国内の米軍基地の割合を見たんですけど、全然、基地が無い県もあるのよね。まぁ、無い県は住みにくそうなところだから仕方ないのかもしれないけど、関西には無いという事に驚きました。性格が荒っぽそうだから、米軍も恐がって作らなかったのかな。
この映画を観て、今も沖縄の人が起こっている気持ちが何となく分かりました。本当に申し訳ないけど、本土に居ると、イマイチ、彼らが苦しんでいる状況が分からなくて、親身になってあげられないのですが、少し、理解出来ました。元々、占領されて、返還があっての、今の話なんですね。彼らが納得出来ない意味が良く分かりました。この問題、いつの日か、何とかなるのかしら。誰か、千葉さんのような責任感の強い人が最後まで関わって頑張ってくれると良いのですが、何とかならないのかしら。うーん・・・。
この映画、とても考えさせられる映画でした。NHKのドラマの再編集の映画化だったんですね。全く知りませんでした。ほとんどTVを観る時間が無いし、特にNHKは観ないので、全く知らなかったです。こんな良いドラマを作っていたんですね。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。良く出来ていると思いました。ちょっと、ブチブチ切った感がありましたが、話は繋がっているし、沖縄返還に関して、こんな話し合いがあった事が描かれていて、考えさせられ、感動しました。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す|映画情報のぴあ映画生活
![]() |
僕は沖縄を取り戻したい 異色の外交官・千葉一夫
2,592円
Amazon |
![]() |
返還交渉 沖縄・北方領土の「光と影」 (PHP新書)
Amazon |