【演劇】「MAKOTO」家族を亡くすことの苦しさをキリキリと伝えてきます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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舞台「MAKOTO」を観てきました。

 

ストーリーは、

 

東京・西池袋。

 

突然妻を失った水谷は、失意の中この街に越してきた。心を殺し、淡々と工事現場の交通整理の仕事をこなし、近所の神社に日参し、本業である(と、本人が思っている)漫画家としての日常を過ごしていたが、義理の弟の三郎から「姉の死因は医療事故」だという連絡が入る。どうしようもなく亡き妻との思い出と対峙するしかない水谷。

その中で水谷は、今日、行動を起こす。

 

妻・市子の思いを辿る道中、すれ違う人々、関わらざるを得ない人々。

記憶の断片の中に見え隠れする小さな影。それらを追う水谷に生じる疑問と矛盾した感情。果たして水谷の記憶は真実なのか。

 

今日は、本当に今日なのか。

 

美しい思い出は彼女にとっても美しかったのか。

人はどのくらいのエネルギーを使えば、大切な記憶を消滅させることが出来るのだろうか・・・。

 

というお話です。

このあらすじだけでは、内容が良く伝わらないかもしれないけど、こんなお話なんです。妻を病気で亡くした水谷は、辛くて寂しくて、何もかも忘れたいと思っているんです。そんなある日、義弟の三郎が訪ねてきて、姉の死は医療事故だったハズだから、裁判をしようと言ってくるんです。

 

水谷の妻は、それほど酷い病気では無くて、簡単な手術をすれば治ると言われていたのに、手術中に何かが起きて、亡くなったのでした。確かに、その手術で亡くなるという事は100%では無いにしろ、まず無いと思われたので安心していたんです。すると、突然に亡くなったと言われ、何の心の準備も出来ないまま別れることになったのでした。

 

だから、いつまで経っても忘れられず、一人の生活に慣れないんです。漫画を描いても、仕事をしても、いつも妻のことが頭から離れず、どうにかして頭の中から妻を追い出したくて、妻の執刀医を訪ねたり、その家族と話したりと、何か結末を付けたいと思って行動するんです。

 

何の準備も無く、別れることになってしまったら、うろたえてしまうし、ポッカリ穴が空いたような気持ちになるし、言葉では表しきれないような気持ちになると思うんです。でもね、きっと何をしても、その思いは消えないし、時間が解決してくれるまで待つしかないと思うんですよね。抗っても抗っても、忘れられる訳が無いんです。真実を受け入れるしか、自分で納得出来るように受け入れるしか無いんです。そんな事が描かれている舞台でした。

 

何となく、死が訪れて別れるって、誰にでも訪れるし、それは突然にやってくることの方が多い訳でしょ。前もっていつ死にますなんて言ってくれる訳じゃないですもんね。だから、誰もが経験する、家族ロスという精神的な苦しみを表現すると、こんな感じになるのかなと思い、ちょっと考えさせられました。自分も、家族を失ったら、あんな風になるのかしら。失いたくないけど、必ず、順番に来るんですもんね。うーん、辛い話でした。それを受け入れるには、何をしたら良いのか。

 

私は、この舞台、お薦めしたいと思います。阿佐ヶ谷スパイダースの新作です。新メンバーを加えて、何となく賑やかになったかなぁって感じでした。この劇団の作品、本当に面白いんです。長塚さんが演出をされていて、いつも良いんです。ぜひ、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

P.S : パンフの最後にチケットを貼るところと、観劇記録の頁があって、凄く嬉しかったです。いつもチケットをパンフを買って、貼っているので、場所が作ってあって、助かりました。

 

 

「MAKOTO」   http://asagayaspiders.com/stage.html