「ブレス しあわせの呼吸」の試写会にFan’s Voiceさんのご招待で行ってきました。
ストーリーは、
運命の恋に落ち、祝福されて結婚したロビンとダイアナ。しかし1959年、出張先のナイロビでポリオに感染したロビンは、首から下が動かなくなり、人工呼吸器がなければ息もできない状態になってしまう。イギリスに戻り、息子が生まれるも絶望の日々を送るロビン。病院を出たいと望むロビンのために、ダイアナは自宅で看病する決意をするが、そのことがロビンの運命を大きく変えていく。
というお話です。
クロケットの試合に来ていたロビンは、その会場で美しい女性を見つける。兄の付添いで来ていたらしい彼女はダイアナといい、双子の兄が彼女を守っていた。彼女が気に入ったロビンは、彼女の気を惹く為に彼女の近くに球を打ち、話す機会を手に入れ、彼女と付き合うことになる。兄たちが止める間もなく、二人は盛り上がり、結婚することに。
ロビンは、茶葉の仲買人をしており、茶葉の買付けをする為にケニアに移住することが決まっていたので、兄たちは反対していたのだが、ダイアナは、さっさと結婚し、ロビンと共にケニヤへきてしまっていた。茶葉の仲買は上手く行っており、彼女も妊娠し、順調な人生を歩んでいたのだが、ある日、テニスをしている途中でロビンの足がもつれ、おかしいと思っていると、どんどん悪くなり、ロビンは全身が動かなくなってしまう。
ロビンの身体にポリオウィルスが腸から脊髄に入り込み、手足、全身と麻痺をさせてしまい、呼吸も出来なくなってしまう。直ぐに気道確保をされ、一命を取り留めるが、もうベッドから出る事は出来ず、余命も長くないだろうと言われてしまう。ダイアナはこれから子供も産まれるというのに、絶望のどん底に突き落とされる。しかし、気丈な彼女は自分が出来る事をしようと思い、ロビンに付添い、”死なせて欲しい”と願う彼に、一緒に生きて欲しいと希望を与えていく。
息子が生まれ、それでも生きる気持ちを持たないロビンを、ダイアナは家で介護をしようと思いつく。医者には、死にに帰る様なものだと言われるが、新しく購入した家に人工呼吸器と共に移動し、自宅での生活に入る。ロビンは家に帰り、生きる希望を持ち始め、彼の発案により、車椅子に人工呼吸器をつけて移動できるようにしたものを、友人の技術者テディに頼み、造ってもらうことにする。すると、外にも出れるようになり、彼の世界は広がって行く。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、素晴らしかったです。少し前に「最強のふたり」という映画が流行りましたが、あの雰囲気や感じに似ているかなと思いました。というか、この人が居なければ、あの映画だって作られていないと言うことが分かり、ちょっと驚きました。
このロビンさんの発案で、全身麻痺の方でも車椅子で動くことが出来るようになり、それまで、只の”ブロイラー”のように生かされていた患者たちが、人間として生きる様になれたという実話なんです。ロビンさんは、この映画のプロデューサーであるジョナサン・カヴェンディッシュさんの父親で、ジョナサンは、自分のお父さんの自伝を映画にしたんです。素晴らしいでしょ。ジョナサン・カヴェンディッシュさんは、「ブリジット・ジョーンズ~」等々を作った名プロデューサーです。
この時代、ポリオというウィルスの病気が蔓延しており、本当に大変だったそうです。今は、日本では発生は確認されていないそうですが、海外にはまだあるので、予防接種をしていますよね。もし、この病気にかかってしまうと、治療法がまだ無いのだそうです。恐ろしいですね。
ロビンは、美しくて強い女性・ダイアナに出会えたので、病気になっても、強く生き続ける事が出来たんです。この時代、”死なせて欲しい”と思うのは当たり前だと思いました。だって、本当にブロイラーの様なんですもん。無菌にして、箱から首だけ出して、呼吸器をつけて、行かされているだけなんです。酷いなぁと思いました。どんな障害があったって、生きる権利はあるし、生きるという事は目標が必要だと思うんです。それなのに、何もさせて貰えず、ただ餌を与えられているだけという状況にゾッとしました。本当に、このロビンさんが、生きる権利を主張してくださって、車椅子に機械を取り付ける事を考えてくれたことが、良かったと思いました。
生まれつき障害を持っていたり、事故などで障害を持ってしまったりと、色々な障害があると思いますが、何があっても同じ”人”ですよね。誰もがベッドの上だけじゃなく、外へ出て、人と交わり、話をして、色々なものを見てと、自分に合った生き方をしたいと思っていると思うんです。それを、障害があるからと言って、束縛されたり、禁止されたりしたら、苦しいですよ。何の為に生きているんだろうと思ってしまう。それなら少し危険でも、無理して外へ出て、人と出会ってみる方が、よっぽど人間らしい生き方だと思います。いつも安全を考えていたら、生きている意味が無い。ロビンさんも、命の危険があっても、明日、死ぬことになっても、家に帰るというんです。これが真実だと思いました。
そして、自分だけの為では無く、他の沢山の障がい者の為に、色々な事を考え、運動をして、出来る限りのことをしたんです。素晴らしい方でした。本当に、息子のジョナサンさんは、誇らしいと思います。
最期は、素晴らしい感動で終わるのですが、私は泣けました。人間って、こういうもんだよね。こんなに素晴らしい人が居たんだと思って、感動です。でも、この映画、病気で辛いはずのお話なのですが、とっても笑えます。ロビンさんが、とっても明るくて、辛いことも笑いにしてくれるんです。ロビン役をアンドリュー・ガーフィールドさんが演じているのですが、その笑顔が上手いんです。辛いだろうに、とっても楽しそうに笑うんです。そして面白い事を言うんです。この雰囲気が「最強のふたり」に似ていると思ったんです。お涙ちょうだいの映画では無いので、気持ち良く観れると思います。
そうそう、これも書いておかなくちゃ。監督がアンディ・サーキスさんです。そう、あのゴラムのキャプチャーをしていた方です。映画監督もやられるのだと初めて知りました。良く出来ていましたよ。
もう一つ、忘れる所だった。コール・ポーターの曲が、上手く使われていました。とっても雰囲気が良くて、やっぱりコール・ポーターって最高~って言いたくなっちゃいました。何故か、この曲はサントラに入っていないようなので、コールポーターの自伝「五線譜のラブレター」のサントラを聞いて下さいね。
エンディングで、本当にロビンさんとダイアナさんの映像が出てきます。とっても美しくて、幸せそうな彼らの笑顔が観れるので、感動でした。最後まで、観て下さいね。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。またも、良い映画が出てきてしまいました。最近、本当に良い映画が多いなぁ。これは素晴らしい映画です。出来るだけ沢山の方に観て欲しいと思う作品でした。ぜひぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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