「スターリンの葬送狂騒曲」観ていて笑っちゃうのですが、ほとんどが事実と聞き驚きました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「スターリンの葬送狂騒曲」を観てきました。

 

ストーリーは、

粛清という恐怖で国を支配していた絶対的独裁者スターリンが急死した。厳かな国葬が執り行われる一方、その裏では次期最高権力者の座を狙う側近たちが熾烈な争いを繰り広げる。

というお話です。

 

 

1953年、戦争時から書記長となったスターリンは独裁政治を続け、自分が気に食わない人間は全て粛清し、誰もが彼を恐れていたある日、自室にて、突然、苦しみ出し、倒れて亡くなってしまう。74歳という年齢だったので、この時代に長生きした方だ。そんな彼を見つけた食事係が人を呼び、スターリンの懐刀だった4人と、スターリンの娘が入り乱れる。

 

まず、スターリンの死を一時隠して、葬儀の用意をする前に、誰が何を受け持つかの話し合いをしなければならない。警察組織を受け持っていたベリヤは、側近を自分の仲間にして、自分がスターリンの後釜に収まりたいと思って動いていた。同じようにフルシチョフも、側近の所を周り、上手い事を言って、自分に引き入れようとする。そんな二人の横で、マレンコフはオドオドするばかり。とりあえずのスターリンの後を務めるのは、副書記長だったマレンコフだ。しかし実質の力は無い。

 

 

ベリヤとフルシチョフの権力争いが始まり、スターリンの娘や、ソビエト軍の最高司令官ジェーコフ、外相などの大臣たちは、どちらに付くかで右往左往するのだが、手際が良く、口の上手いベリヤに段々と傾いていく。しかし、フルシチョフも黙ってはいない。

 

スターリンの国葬を行うに当り、国民がモスクワに大挙しては危ないと、ベリヤは地方から来る列車を止めていたのだが、勝手にフルシチョフは列車を動かし、沢山の国民がモスクワを目指して入って来てしまう。暴徒の様に押し寄せる国民を止める為に、NKVD警備隊(警察組織)は国民に向けて発砲してしまう。1000人以上の国民が殺され、その責任を誰が取るのかとなり、警備隊責任者のベリヤが悪いとされてしまう。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、笑っちゃいました。内容的には、笑うような内容じゃないのに、あまりにもマヌケというか、あからさまに相手を追い落とそうと、安易な作戦を立てて行ったり、口から出まかせを言ったりと、笑ってしまうんですよ。でも、彼らのせいで、沢山の人が粛清されて、大変なことが起こっていたんですよね。

 

ソ連の歴史を思い出すと、スターリンの後って、フルシチョフ-ブレジネフ-ゴルバチョフ だったかしら。結構、ニュースで良く名前を聞いていたから、覚えているんですよね。ゴルバチョフの時に、随分、開かれたソ連になって、その時に、フルシチョフとかブレジネフっていう名前を何度も聞いたような気がします。

 

 

今回、フルシチョフが出ていたのですが、フルシチョフの前に、この残虐なスターリンだったのかと思うと、恐ろしいです。だって、次から次へと、自分のいう事を聞かない人を殺して行くんですよ。独裁者って、どうしてこうなってしまうんでしょうね。自分に意見をしてくれる人間を殺してしまったら、自分の国が悪い方向へ行くと解かるだろうに、どーして何だろう。ソ連しかり、北朝鮮しかり、独裁政権になると、そこの独裁者は狂ってしまうんですかね。

 

スターリンの側近の権力争いなんですが、そこにピアニストが絡んでくるんです。彼女が書いたメモを読んでいる最中にスターリンが死に、まるでそれが原因だったかのように、それをネタに、ベリヤが脅し始めるんです。このピアニストを、オルガ・キュリレンコさんが演じていて、彼女だけは知っている顔だったので、嬉しくなりました。

 

 

それにしても、この内容がほとんど事実だったと書いてあり、おいおいって笑ってしまいました。だって本当に、会議を開いていると、一言言うと、こっちに傾き、また意見を言うと、別の方に傾きと、もう、権力にしがみ付きたいから、あからさまに手の平返しをするんです。それが、もう、えげつなくて、笑っちゃうのよねぇ。そして、スターリンの子供が2人いるんだけど、これが頭が悪いのよ。もう、最低でした。

 

 

この後、スターリン像を引っ張って倒しているという映像が出て、ソビエト連邦が解体したんですよね。でもね、これだけの大きな国を一つにまとめて、ドイツと戦って、日本や中国にも侵攻してという行動を起こしたのは、このスターリンでしょ。恐ろしい人です。独裁者となって、最期の方は酷かったのかもしれないけど、本当は、凄い指導者だったのかもしれません。

 

ソビエト連邦の崩壊へと続く、スターリンの死を描いているけど、コメディ映画のようで、本当に笑えて、楽しく観れる映画なので、上手い作り方だなぁと思いました。フランスのベストセラー小説の映画化だそうですが、ロシアは文句を言わなかったのかしら。まぁ、コメディと思えば、それはそれで良いのかな。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。とっても笑えて楽しめる映画でした。出来ればスターリンの事を調べて読んでおくと、分かり易くて、このバタバタ劇の意味が良く分かるかもしれません。周りの人物たちは、沢山出てきますが、フルシチョフとベリヤの二人を覚えておけば、それほど問題はありません。理解出来ます。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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