「タリーと私の秘密の時間」の試写会に連れて行って貰いました。
ストーリーは、
仕事に家事に育児にと何でも完璧にこなしてきたマーロだったが、3人目の子どもが生まれて疲れ果ててしまう。そんなマーロのもとに、夜だけのベビーシッターとしてタリーという若い女性がやってくる。自由奔放でイマドキな女子のタリーだったが、仕事は完璧で、悩みも解決してくれ、マーロはそんなタリーと絆を深めることで次第に元の輝きを取り戻していく。タリーは夜明け前には必ず帰ってしまい、自分の身の上を語らないのだが・・・。
というお話です。
もうすぐ3人目の子供が生まれるマーロは、忙しい毎日を送っていた。娘のサラは手がかからなくなったが、息子のジョナは情緒不安定で、気に入らない事があるといつまでも叫び続けたりしてしまう。学校の校長先生に呼び出され、ジョナは他の子の勉強の妨げになってしまうので、専属サポートを自分で雇って付けて欲しいと言われショックを受ける。夫のドリューは優しいが、育児も家事もマーロに任せっきりで、マーロも主婦なのだから、それが当たり前だと思い、努力を続け、全て自分で背負ってしまっていました。
ある日、マーロの兄のクレイグの家に遊びに行った時、クレイグが出産祝いにベビーシッターを手配してくれるというのだが、他人に子供を任せることに抵抗と罪悪感があったマーロは断るのだが、クレイグは妹にもしもの時に使えと連絡先をマーロに渡すのだった。
無事、3人目の子供も出産し家に帰ってくるのだが、上の子供2人と赤ちゃん、そして夫の世話と、マーロの仕事は以前とは比べ物にならないほど増えて行ってしまう。目が回るほど忙しい中、またもジョナの学校の校長に呼ばれ、ジョナは学校では面倒が見切れないので、他の学校に行かせてくれと言われてしまい、とうとうそれまでのイライラが爆発し、校長を怒鳴りつけてしまう。
帰宅したマーロは、限界だと思い、兄に紹介されたベビーシッターに連絡を入れ、頼む事にする。22時半に現れたタリーというベビーシッターは、Tシャツにジーンズというラフな格好で、タメグチの今時の女性だった。戸惑うマーロにタリーは、「私を頼りなさい」と自信たっぷりに宣言し、マーロにゆっくり眠るようにと促すのだった。
その日から、タリーが深夜にベビーシッターをしてくれ、おまけに家事も手伝ってくれるので、家の中は完璧となっていった。そんなタリーだが、何故か、深夜のみしか現れず、朝には帰ってしまい夜まで現れない。昼は何をしているのか尋ねるマーロに、”寝てるかな”とはぐらかし、多くを語らない。段々と相談事も聞いてくれるようになるタリーに、マーロは友情を感じ始め、距離が縮んでいくのだが・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、良かったです。女性は、ぜひ観て欲しい。いや、男性にも観て貰って、女性が全てを押し付けられると、どれほどストレスを抱えてしまうのかと言う事を分かって欲しいと思いました。このマーロの性格、凄く分かるなぁ。つい、完璧を目指して頑張ってしまうと、それが止められなくなって、何処までも頑張ってしまい、自分がボロボロになって壊れてしまうんですよ。これ、どんな女性でも陥ってしまうかもしれない事なんです。
真面目な母親って、自分が完璧に育てれば、完璧な子供に育つと勘違いしちゃうんですよね。完璧に育てるなんて出来ませんから。だって人間なんだもん。個々の感情がある訳だし、性格もあるんです。だから、完璧な子供なんて育たないの。それなりの子供にしか育たないし、もし、その子に素質があるなら、適当に育てていても天才に育って行くんです。だから、子育ては頑張らなくて良いんです。なるようになる、間違えたらやり直すという気持ちでイイんですよ。だけど、このマーロは、どうしても自分で頑張ってやりたいって思っちゃうタイプなんです。だからね、壊れちゃうんです。
息子のジョナは俗にいうアスペルガー症候群なんじゃないかなぁと思いました。だから、校長先生が言うようにサポートを付ければ、学校に通わせても他の子に迷惑をかけないで済むんだったと思うんです。でも人に任せたくないというマーロだから、それをしなかったのよね。ひとりで何でも出来る訳じゃないんだから、人の手を借りなくちゃ。それは、全然、恥ずかしい事でも無いし、サボっている訳でも無いんですよ。
完璧なんて言葉は、仕事で相手にハッタリをかます時に使う以外は、使う必要なんて無いんです。いつでも、どんな時でも、”ある程度”で良いんです。でないと、完璧な人間なんていないんだから、それに併せようとしたら壊れてしまいます。
夫のドリューは優しいんだけど、気が回らない男なんだよねぇ。というか、最近の人達って、気が回らない人が多いですよね。エレベーターに乗ってボタンの前に陣取ったら、最期の人が下りるまで”開く”のボタンを押すのが当たり前でしょ。自分が先に降りたいなら、ボタンの所に立つなよ。小さな事だけど、そういう事って大切で、このドリューも、妻が大変そうなのは見て分かるだろうに、ベッドでゲームしたりして、育児も手伝わず、家事も手伝わず、そりゃ、マーロもキレるっつーの。でも、マーロも悪いんだよ。辛い時はちゃんと夫に言わないと。ひとりで背負うなんて無理なんだから、夫の尻を叩いて下さい。
この映画、考えさせられる事が多過ぎて、何とも言えない気持ちになりました。面白い映画というか、考えさせられる内容でした。人間は、そんなに頑張っちゃダメなんだよって教えてくれる内容でした。
主演のシャーリーズ・セロンは、この役の為に、凄く太っています。走っている姿とかを見ると、驚くほどデプデプなの。でも、この映画を撮り終えて、あっという間にスッキリ痩せたようです。役の為に、こんなに太ったり痩せたり、凄いです。こういう姿を見ると、ダイエットで痩せないのが信じられないと思ってしまう。不思議です。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。これから結婚したり、子供を産んだり、育てたりと考えている方々は、ぜひ観て欲しい。そして男性にも、女性がどれ程大変なのかを、この映画で理解して欲しい。とっても考えさせられる映画ですので、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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