「ペンギン・ハイウェイ」の試写会に連れて行って貰いました。
ストーリーは、
毎日学んだことをノートに記録している勉強家の小学4年生アオヤマ君は、通っている歯医者のお姉さんと仲良し。お姉さんも、ちょっと生意気で大人びたアオヤマ君をかわいがっていた。ある日、彼らの暮らす街に突然ペンギンが現れる。海もないただの住宅地になぜペンギンが現れたのか。アオヤマ君は謎を解くべく研究を始めるが、そんな折、お姉さんが投げ捨てたコーラの缶がペンギンに変身するところを目撃する。
というお話です。
小学校4年生のアオヤマ君は、通っている歯医者のお姉さんに夢中。おっぱいも大きいし、なんたって優しい。お姉さんも可愛がってくれて、一緒にチェスをやってくれたりする。アオヤマ君の研究の一番はお姉さんだ。
ある日、登校時に通学路の横の空き地にペンギンがいた。みんな、何故、こんなところにペンギンがいるのか分からず遠巻きにして見つめている。好奇心旺盛なアオヤマ君はペンギンに近づき、観察をするのだが普通のペンギンだ。それからというもの、街にはぺんぎんがちょくちょく現れるようになり、アオヤマ君は友達のウチダ君と一緒に、プロジェクト・アマゾンの研究を休み、ペンギンの研究を始める事にする。ペンギンが陸地を歩く時の道を”ペンギン・ハイウェイ”というので、ペンギン・ハイウェイの研究と命名する。
ペンギンを追跡して行くと、森の中に、水の球体が浮いているのを見つける。その球体を”海”と名付けたアオヤマ君は、その日から海の監察を始めます。クラスメイトのハマモトさんとも意気投合し、一緒に研究をするようになり、3人での研究が始まるのですが、クラスメイトのスズキ君は、ハマモトさんと仲良くするアオヤマ君を良く思わず、捕まえて自販機に括り付けて逃げてしまいます。そこへ、ひょっこりお姉さんが現れ、助けてくれます。そして自販機で買ったコーラを投げると、何故かそのコーラがペンギンに変身します。え!と思ったアオヤマ君は、その後、お姉さんに色々なモノを投げて貰い、ペンギンに変わるか検証しますが、ペンギンに変わる事はありません。
「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」とお姉さんに言われ、研究を進めるアオヤマ君。ある日、お姉さんがチェスの最中に本を読んだと話し、その中に”ジャバウォック”という怪物が出てきて怖いという。その日から、森の中にペンギンを食べる怪物が出るようになり、その姿を見たアオヤマ君は、それがジャバウォックだと気が付く。
お姉さんが投げた缶がペンギンになり、怖がった本の怪物ジャバウォックがペンギンを食べ、海は段々と大きくなって行く。謎が多過ぎて押し潰されそうになるアオヤマ君にお父さんが、「気になった事を大きな一枚の紙に書いてごらん。そうしたら何と何が繋がっているか良く分かるはずだ。」と言われ、気になった事を1枚の紙に細かく書き込み始める。そして、そこには謎を解く鍵が・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、凄い面白い。これ、SFと哲学、物理が入り混じり、凄く深い内容なんだけど、子供には難しいんじゃないかな。大人でさえ、全て理解するのが大変かもしれません。只のアニメだと思って、バカにしてみていると、え?え?というくらい、謎が出てきて、それを説くのが難しくなって行ってしまいます。全ての謎を、それこそ頭の中で1枚の紙に書きこんで繋げないと、謎が解けないんです。
凄く原作の小説が読みたくなりました。これは面白いだろうなぁ。映画化するのも分かります。これは凄いよ。だって、SF的な観点と、哲学と、子供の成長、そしてファンタジーの要素が入り混じっていて、全て上手く融合しているんです。これ、好きだなぁ。公開されたら、また観に行こうと思います。
ペンギンは、CMでも分かるように、お姉さんが生み出しています。そして森の中の海は、何故か、この空間に穴が開き、そこが異界の水分=海と繋げてしまっているんです。この海は、この世界に在ってはならないものであり、ペンギンは、この世界自体が自浄作用を発動したと考えて良いのではないかと思います。何故、ぺんぎんなのか。海とペンギンはどう関わっているのか。ペンギンを海だすお姉さんは何者なのか。出現した怪物は何故ペンギンを食べるのか。それが、ここで起こっている事件の謎ですね。
空間に空いた穴という考え方なのですが、映画の中で、ハシモトさんが持っている本がアインシュタインの「相対性理論」で、アオヤマ君が僕も読んだというんです。ここで、ブラックホール=空間に空いた穴という考え方に行き着くのだと思います。穴に詰まった海は、穴を引っ張っていると考えられ、海が小さくなれば穴が塞がって行くということです。
この謎を解きながら、アオヤマ君のお姉さんへの憧れ、恋心と、ハシモトさんのお姉さんに対しての嫉妬、などなど、子供たちの初々しい心の動きが描かれていて、何とも、上手いなぁと思いました。良く、これだけ融合出来たもんだって思っちゃいました。これ、原作通りなのかしら。凄い原作ですね。知らなかったのが悔しいくらいです。早く読まなくちゃ。
可愛いペンギンを観て、かわいい~って思いながら、小学4年生が考える3段論法、4段論法を考え、大きな紙に書かれたいくつかの謎を重ね合わせていくと、この世界は生きていて、必ず、人間を助ける様に動いてくれているのだというのが解かるんです。人間の英知を合わせても解決が出来ない事が起こった時は、人間の上の存在が、それを取り去ってくれる、助けてくれるんです。
この”海”という命名なのですが、良く母なる海って言うじゃないですか。全ては海から生まれていると考えると、突然、空間に空いた穴を塞ぐように水が溢れて球体になる。世界を守るために海=母親が助けてくれているという事なのかもしれません。
ごめんなさい、これ、書いていると、どんどん面白い考えが浮かんできちゃって終わらなくなるので、ここら辺で止めておきます。この映画、考え始めると、本当に止まらなくなるほど面白いんですけど、SFと哲学、物理が好きでないと、ちょっと難しいかもしれません。普通の子供には難しいかもしれません。アオヤマ君みたいな、ちょっと生意気な子じゃないとね。(笑)
最期に、主題歌が宇多田ヒカルさんの「Good Night」なのですが、とっても合っています。エンディングで流れますが、心に沁みます。これを書きながら、ずっと聞いていました。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。でも、賛否が分かれると思います。ただ、アニメとして楽しみたい方には、難しいので理解出来ないと思いますが、SFと哲学と言い始めると、本当に面白い。この考え方を進めて行くと、何処までも追及したくなると思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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