「ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談」を観てきました。
ストーリーは、
イギリス各地でニセ超能力者やニセ霊能者たちの数々のウソを暴いてきた心理学者フィリップ・グッドマン教授は、ベテラン学者・キャメロン博士から3つの超常現象の調査依頼を受ける。キャメロン博士が「自分ではどうしても見破れない」というトリックを暴くため、初老の警備員、家族関係に問題を抱える青年、妻が出産を控えた地方の名士と、3人の超常現象体験者に話を聞く旅に出たグッドマンを待っていたのは、オカルト否定派でも受け入れざるを得ない怪奇現象と想像を絶する数々の恐怖だった。
というお話です。
厳格なユダヤ教徒の家に生まれたフィリップ・グッドマン教授。子供の頃から、キャメロン博士の偽超能力や偽霊媒師を暴くTV番組が好きで、彼に憧れ、自分も心理学者となり、博士と同じようにイギリス各地で、偽の超能力者や霊媒師を暴く番組を担当し、本も執筆するようになった。
ある日、フィリップの元にキャメロン博士からの手紙が届き驚きます。先日、TVでキャメロン博士が行方不明になったと見たばかりだったからだ。ある場所に来て欲しいと書いてあったので、急いで、その場所を訪ねると、古いキャンピングカーの中は酷い状態だったが、博士は、そこで点滴などを打ちながら闘病しているようだ。話をすると、オカルト否定派だが、否定出来ない事例が3例出てきたという。その3例を検証し、偽物だと証明して欲しいというのだ。不思議に思いながらも、博士からの頼みなので断れず、資料を持って旅立ちます。
1例目は、今は廃墟となった病院跡の警備員が、ある夜に怪奇現象にあったという。見回りに出た彼は、ある通路で、何度照明を点けてもプラグが抜けて消えてしまい、おかしいと思っていると、今度は変な音が聞こえてくる。そして一瞬の光の中に少女の姿があった。驚いた彼は侵入者が居るものと思い、直ぐに捕まえようと捜索を始めるが、何処に行っても誰も居ない。そして、ある部屋に入ったら・・・。
彼には、娘がいるのだが、植物状態で病院に入っていて目が開いていても意識が無い。何度見舞っても解らないようなので、見舞いを辞めたという。そんな状況で、彼は罪の意識から、不思議なものを見たと思ったハズだとフィリップは結論づける。
2例目は、家族に問題がある青年が、家の車を無断で借りて、夜にドライブをしていると森の中で何かを撥ねてしまう。驚いて見ると奇妙な生き物であり、怖くなってそのまま放置し逃げてしまう。しかし、逃げる途中で車が止まってしまい、助けを呼んで待っていると、何かが車にぶつかってくる。そして・・・。
彼は家族との間に問題を抱えており、自分の罪の意識に耐え切れずに強いストレスを感じて、悪い方向へ考えが行ってしまったのではないかとフィリップは考える。
3例目は、ある富豪を訪ねると、妻が妊娠し、子供を楽しみにしていたのだが、出産時に妻は亡くなり、子供には問題があったという。妻は子供を見ないで亡くなって良かったと話し、持っていた猟銃で・・・。
彼は、成功者だが、それまでに色々な事があったはずだし、子供に障害が見つかった事と、妻の死により、精神に闇を宿したのではないかとフィリップは考える。
以上で3例は、怪奇現象でも何でもないと言い切るフィリップに、キャメロン博士は、君は真実を観たのか?観たいものを観たのではないのかと語り掛け、あるモノを破り始める。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
これ、私は、凄く面白かったのですが、雰囲気がデヴィッド・リンチなんですよ。この展開の感じ、リンチ的!詳しくは言えないけど、あるモノを破る行動で、突然に世界が変わって行くという、面白い構造です。私、こういうの大好きなんです。
そして、最初の場面から、全てにヒントが散りばめられていて、それを全部覚えていると、最期に全てがつながってくるんです。不思議な番号、ユダヤの儀式、姉が異教徒との交際を両親に怒られ、友人に虐めを受け、などなど、最期に全部説明がついてくるんです。それが、凄く嬉しくなっちゃうんです。あー、あれは、それに繋がっていたのねとスッキリして、納得出来ちゃうの。面白かったなぁ。
なので、この映画、最初からの記憶力と理解力が必要となります。ただ、怖い映画と思って、突然に襲ってくる部分とかだけを見ていると、大して面白い映画に思えないかも知れません。何重にもトリックが仕掛けられているので、ぼんやり観ていると、判らなくなっちゃうんです。でもね、これが理解出来た時、すごいスッキリするんです。うーん、気持ちイイの。
人は、見たいものを見る、意識は無いけど目を開けて見ている、という部分がキーワードになっているかな。一番怖いものは、幽霊でも、怪物でもない、人間なのだという事が描かれていると思います。幽霊や怪物は、外にいるんじゃない。自分の内部にいるのだと。そして、それにより、人間は壊れていくんです。凄く解るなぁと思いました。罪の意識が大きくなり、それが幽霊や怪物となっていく。本当にそうだろうと思いました。
いやぁ、久々にこういう映画観たなぁ。この雰囲気、大好きです。マルホランドドライブを思い出しましたよ。あの映画、大好きなんです。マーティン・フリーマンも大好き!上品なオーラを漂わせながら、どこかとぼけていて優しい雰囲気が好きなんです。シャーロックが面白いのも、カンバーバッチだけじゃなく、フリーマンがいるからこそだと思っています。そんな彼が、今回は、様々な顔を見せてくれて楽しめますよ。
主演のアンディ・ナイマンは、脚本・監督も務めていて、この作品は、彼が舞台で作・演出をしていたものを、映画化したそうです。初の映画監督だったらしいですが、良かったです。日本でも、俳優もやり、演出家や、映画監督をする方、出てきていますよね。野田さんや長塚さん、岩松さん、白石さん、赤堀さん、などなど、何人もの方がやられていて、日本の作品も、これからが楽しみです。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。これは面白い!でも、気を付けて頂きたいのが、只のホラー映画だと思って行くと、ホラー部分は、大して怖くありません。だって、良くあるホラー映画では無いんですから。ホラーと言うよりも、ミステリーサスペンス映画という方が合っているかな。謎の解明が主となっている作品です。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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