映画を観ていないので、今日は、「ルーヴルの猫」という漫画について書かせて頂きます。
この漫画、「ピンポン」や「鉄コン筋クリート」などを描かれた松本大洋さんの漫画です。凄く良いんですよ。話としては、ルーヴルの沢山の絵の中に、声が聞こえる絵があるというんです。そして、ルーヴルの夜警の人の姉が、50年前にルーヴルで行方不明になり、絵の中に入ったのではないかというんです。
姉は絵の声が聞こえていたらしく、絵に飲み込まれたんだと夜警の人は信じていて、ルーヴル美術館に古くから住む猫たちの中の1匹の白い猫も、絵の声が聞けて、時々、絵の中に入っているようなんです。それを、ルーヴルのガイドとして働いている女性と若い夜警の青年が、解明していくという話なのですが、何だか、凄く壮大な話なんだけど、小さな猫の話でもあるんです。
美術館に行くと、確かに、絵の中の人達が、もしかしたら夜には動いているんじゃないかとか、話し合っているのではないかという気持ちになった事ありませんか?私は、結構、美術館が好きで、昔から行っているのですが、一つの絵を良く見て、もしかしたら次に見た時に違っているんじゃないかって思って、じっくり見たりするのですが、同じなんですよね。まぁ、当たり前なんですけど、どうしても、あの雰囲気で、夜には、絵だけになると思うと、考えてしまう。
この漫画も、そんな感じなんです。映画でも、「ナイトミュージアム」というのが、夜の博物館は動き出すっていう映画だったでしょ。美術館は絵自体が動くことは無いだろうけど、絵の中の何かが動き出すかもと思うんですよ。ほら、「ハリーポッター」でも、ホグワーツの寮に飾ってある絵は、動いていましたよね。
この漫画では、動くと言っているのではなく、絵の中に人間が引き込まれてしまうと考えているんです。好きな絵があると、ずーっと見ていて、引き込まれそうになるという感じなんです。確かに、解るなぁと思いました。好きな絵には引き込まれそうになりますもん。一つの絵なんだけど、その中に凄い物語があって世界がある。あのモナリザの絵の中にだって、沢山の物語がある訳でしょ。その中には、沢山の人が住んでいるかも知れないし、生きているかも知れない。そんなことを描いている漫画でした。凄く面白かったです。
こんな素敵な漫画、動いたらいいなぁと思ったけど、映画になったら、雰囲気が壊れちゃいそうだから、もし、動くなら、舞台化とかが良いのかなと思いました。舞台化なら、この美術館の雰囲気とか、裏の雰囲気とか、猫たちが擬人化して人間が演じれば漫画と一緒になるから素敵かもなんて思いました。もし、100歩譲って、映画になるなら、フランスで作って欲しいな。日本人が出ないで、フランスで作ってくれたら、美しいかも知れません。
一度、ぜひ、読んでみて下さい。素晴らしい漫画です。あまり話題になって無いのかな。私、この漫画、大好きなんです。もし、お時間があったら、ぜひ、読んでみて下さいね。
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