フランス映画祭「2重螺旋の恋人」を観てきました。
ストーリーは、
原因不明の腹痛に悩まされるクロエは、精神分析医ポールの元を訪れる。穏やかなカウンセリングで痛みから解放されたクロエは、ポールと恋に落ち、同居を始める。そんなある日、クロエは街でポールそっくりの男と出会う。ルイと名乗る男はポールと双子でしかも同じ精神分析医だった。偽名を使ってルイの診察室に通い始めたクロエは、優しいポールと違って傲慢で挑発的なルイに惹きつけられていく…。
というお話です。
クロエは原因不明の腹痛に悩まされ、精神分析医ポールのカウンセリングを受けることに。何度か通う内に、突然、ポールが他の医者を紹介するからと言う。やっと治りかけたのに何故?というクロエに、自分が好意を持ってしまったからと告げ、2人は恋に落ちてしまう。
一緒に暮らし始めた2人。腹痛も無くなり、落ち着いたクロエは、美術館での監視員の仕事を始める。ある日、仕事の帰りにバスに乗っていると、知らない女性と話をしているポールを見かける。仕事だと言っていたのに、全く反対方向の場所で何をしているのかと疑うクロエ。ポールに聞いても、一日中病院に居たと言うばかり。
どうしても納得のいかないクロエは、先日、ポールを見た場所を訪ねてみると、ルイという人物の精神分析医だった。不思議に思ったクロエは、ポールには内緒でルイの病院に通う事に決める。そして、ルイに話を聞いてみると、ポールと双子の兄弟で、兄だと言う。
ポールはとても穏やかで優しい性格だが、ルイは正反対の性格で、傲慢で暴力的な男だった。クロエは、もう来ないとルイの医院で彼を拒否して出てくるのだが、次の週には、まるで引かれるように、またルイの病院へ行ってしまう。そして、イケないと判っていながら、ルイとも関係を持ってしまう。
家に帰ると優しいポールが、病院へ行くと傲慢なルイが、という同じ顔で違う面を見せる2人によって、クロエの精神は不安定になって行く。その上、妊娠をしたようで・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、面白かったぁ~!これは傑作だと思いました。本当に面白かったです。幻想的な映像と、精神的に不安定なクロエ、美術館に飾ってある前衛的だけどグロテスクな現代芸術、そして美しい双子の男。これだけでも面白そうでしょ。これらが絡み合って、凄いサスペンスになっているんです。
まず、ポールは本当に双子なのか。もし双子なら、何故兄の存在を隠すのか。クロエの腹痛の原因は何なのか。クロエが持つ母親との確執とは何なのか。何が現実で、何が妄想なのか。誰がおかしな事を言っているのか。そして・・・。面白そうでしょ。
最期の最後まで、目が離せませんでした。そして、観終わっても、まだ謎が残ったままなんです。だからね、もしかしたら、もう一度観ると、最初の方にそのヒントがあったのかも知れない。そんな映画なんです。これ、何度か見ると、また違う感想が出てくるのかも知れない。
なんか、ルイが凄い極悪なんだけど、ポールが良い人だから、本当はどうなのよって聞きたくなっちゃうの。悪い奴は、本当はどっちなの?本当に双子なの?うんうん、凄く悩みました。ツインズ=双子である定義を説明されて、どちらかが、どちらかを喰っちゃうことがあるって話が出てくるんです。
そう、ブラックジャックを読んでいる方は分かりますよね。「ピノコ」です。「ピノコ」は、ある高貴な方が双子で産まれるはずだったのに、片方が片方を飲み込んでしまい、身体の中に「畸形嚢腫」として残っていたのを、ブラックジャックが取り出して、身体を作ってあげたんです。それが「ピノコ」。今回の映画に「ピノコ」が関わる訳では無いですが、双子として片方が飲み込むという話が出てきていたので、一応、記しておきます。忘れないでね。それにしても、手塚治虫先生、こんな話を45年前に考えてたんだからスゴイよなぁ。
話を戻して、こんな話も絡んで、謎が謎を呼び、どんどん袋小路に追い込まれて行くようで、面白いんです。クロエが真実を見つける事が出来るのか、楽しみにしてください。映像もとても美しいですよ。もちろん、俳優さんたちも美しいです。2重螺旋というのはきっとDNAからきていて、双子でもDNAは違うと言う事なのかなと思いました。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。私は、とっても気に入りました。面白い!久々に、ドキドキハラハラのサスペンスミステリーで、良かったなぁ。これはまた観たいというか、きっとDVDを買うと思うなぁ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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