フランス映画祭「顔たち、ところどころ」を観てきました。
ストーリーは、
「ヌーヴェル・バーグの祖母」とも呼ばれる女性映画監督の先駆者アニエス・ヴァルダ、そして人々の大きなポートレイトを街に貼るプロジェクトで知られるストリートアーティストJR(ジェイアール)。本作は、歳の差54歳のふたりがフランスの田舎を旅しながら、村々に住む市井の人々と接し作品を一緒に作り残していくロード・ムービースタイルのハートウォーミングなドキュメンタリー。
というお話です。
ドキュメンタリー映画なので、直ぐに感想に行きますね。またもヌーヴェルヴァーグのなんちゃらって事なのですが、とっても可愛いお婆ちゃんなんです。アニエス・ヴァルダさんという方なのですが、なんか、すっごい人らしいけど、私は、またも、全く名前も知りませんでした。そんな彼女と、ストリートアーティストであるJRさん(元国鉄では無い。)と一緒に、色々な所を旅して、芸術を創って行くというお話でした。
何がどうとか、難しい事は無いんです。ただ、旅をして、建物の外壁に大きく伸ばした人の写真を貼り付けたり、人の目だけを貨物列車に貼ってみたりと面白い事をするんです。別に、お笑いを取っている訳では無くて、もちろん、芸術品なんです。人間の社会の中に自然に存在するアートと言う感じですかね。古い炭鉱夫の街に、昔の炭鉱夫さんの全身写真を貼り付けて、昔を懐かしんだりという感じです。
もちろん、これもヌーヴェルヴァーグ仕様でして、即興演出、同時録音、ロケ撮影中心です。ドキュメンタリーだから当たり前か。でもね、ここのドキュメンタリー、プロットで、全てがキッチリ決められていたそうです。今時、ドキュメンタリーとフィクションの境界が曖昧になってきていると、この映画のプロデューサーであるジュリー・ガイエさんはおっしゃってました。
この映画、映画として真剣に観ていると、ちょっと疲れるけど、一息抜いて、リラックスして観ていると、本当に良い環境映像に思えてくるなぁと思いました。それくらい、映像が綺麗なんです。もちろん、そこに描かれている、人々との友情とか、思いやりとか、そういうところは、とても感動的なのですが、観ていて、とにかく、絵が美しい。それぞれの場面を写真にして飾っておいても良いくらいのものでした。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。本当は、超!と入れたいところなのですが、映画として見ると、ストーリーの無いドキュメンタリーなので、映画好きにはちょっとかなぁと思いまして、普通にしました。でも、絵は美しいです。絵葉書のようなんですもん。これ、映画好きより、美術や写真などが趣味の方に良いかも知れません。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。