「死の谷間」もし核戦争が起こってしまったらを考えるSF映画でした。考えさせられます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「死の谷間」の試写会に行ってきました。

 

ストーリーは、

核戦争により死の灰に覆われた世界。アン・バーデンは放射能汚染を免れた小さな谷で愛犬とともに暮らしている。ある日、彼女は宇宙服のような防護服を着たジョンと遭遇する。ジョンは汚染された滝壺で水浴びをして体調を崩してしまうが、アンの救護によって一命を取り留める。2人は自然な流れで共同生活をスタートさせ、互いの距離を縮めていった。しかし、もう1人の生存者であるケイレブが2人の前に現れたことからその生活は一変していく。

というお話です。

 

 

世界で起こった核戦争により、地球は死の灰に覆われてしまった。しかし、一部の地域のみ、放射能汚染を免れた地域があった。ある小さな村に住むアンは、その地域のみ放射能汚染を免れており、一人で暮らしていた。最初は、弟や村の人もいたのですが、狭い村だけで生きられず、防護服を着て、沢山の人が避難出来ているであろう街を目指して旅立って行ったのでした。

 

一人で暮らすアンは、父親の残した教会を心の糧とし、自給自足の生活を送っていたのですが、ある日、どこからか流れてきた、防護服を着た男性を見つけます。彼の様子を伺っていると、近くの滝で水浴びを始めてしまいます。驚いたアンは、急いで彼の元に行き、その水は汚染されていると言う事を伝え、直ぐに彼を救出します。

 

 

その谷の空気や水は汚染されていませんでしたが、唯一、外から流れ込む滝だけは汚染されていたんです。彼を保護し、寝込んだ彼を介抱します。彼の名前はジョン。外を旅してきた彼は、この場所以外は酷い状態の土地ばかりだったことを話します。そして、打ち解けていく2人。

 

しばらくして、また、一人の男性が何処からかやってくる。最初は警戒をしているのですが、生存者とあれば、この汚染されていない地域で生活をしたいはずと思い、彼も受け入れる事にします。彼は、直ぐに旅立つつもりだとは言うのですが、何処に生きられる場所があるのかも分からない状態で、簡単に突き放す事は出来ません。

 

 

3人での生活が始まりますが、それまで上手く生活をしていたアンとジョンのバランスは、少しづつ、崩れて行きます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

これ、原題が「Z for Zachariah」で、旧約聖書のゼカリヤ書に関係してくるのですが、ゼカリヤ書って、まず、預言書なんです。この映画、核戦争を起してしまった後、人類が悔い改める為にはどうしたら良いのかという事を描いていて、ゼカリヤ書の悔い改めよという呼びかけと呼応しているのだと思いました。そして預言で罪を清める井戸が開かれるとある部分が、このアンとジョンが作った水道を表すのかなと思いました。

 

 

私、原作は読んでいませんが、映画でも、ゼカリヤ書に沿った事がキチンと描かれていたので、これ、やっぱり旧約聖書を読んだ人でないと、本当のところが理解出来ないのではないかと思いました。実は、私、試写会で観たのですが、観た後にトークショーが行われたんです。でもね、一切、聖書の説明は無く、マーゴット・ロビーの事とか、メジャーな事しか話してくれず、ガッカリでした。

 

いつも思うのですが、題名に聖書の名前が入っているなら、日本人はほとんどが理解していないんだから、聖書の説明をするべきですよね。そうしないと、映画の本当の訴えていることが分からないし、その映画を理解することは出来ないんですから。本当の映画解説者というなら、聖書やハムラビ法典、仏教、密教の仏典をある程度把握しておいて、その都度、どこが合致しているのかを探し出し、そこから映画を読み解くのが筋でしょ。だって、作る人達は、聖書を理解して作っているんだから。そういう基本が、日本の映画解説者はダメなんだよなぁ。勉強して欲しいです。

 

 

話を戻して、核戦争後に、人が住めなくなった地球上にわずかに残った汚染回避地域があり、そこに僅かながらに住んでいる人間。でも、きっと、人類は滅びていくのだろうと予想が付くんです。だって、そこ以外には放射能が溢れ、たとえ男女がいて、子供を作ったとしても、マトモな人間が生まれてくるかは分からない。既に、一度は核汚染された地域に住んでいたんですから、身体も健康とは限らないでしょ。

 

聖書のロトと一緒なんです。ロトは、娘と旅に出て、男はロト一人。後は、娘たちしかいなかった。だから、娘たちは父親を酔わして、交わって子供を産むんです。この核戦争後の人類も、もし、子供を作れても、人間が少ないんだから、血縁関係で子孫を増やして行くしかないので、結局、遺伝的におかしくなって行くでしょ。人類は続かないんです。

 

 

そんな予想が出来る汚染された地球。そんな事をしたのは人類で、自分たちがやってしまった事で、自分たちの首を絞めている。今更、悔い改めても遅いんだよってことで、この題名、”Z”という最後の文字が描かれているのかなと思いました。

 

衝撃的な映画でした。人類が道を間違えたら、大変なことが起きてしまうという預言書的な映画です。それほど、派手な映画では無いし、結末がハッキリ出るものではありませんが、その訴えている内容は凄く考えさせられるものでした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。超!とは言えないけど、でも、内容は良いものです。イマイチ画面が明るすぎて、核戦争後という感じに見えないなぁと感じましたが、まぁ、そこら辺は演技でカバーかな。マーゴット・ロビーは、まだブレイクしていない時じゃないかな。美しいですよ。私はタイプでは無いのですが、クリス・パインが出ていました。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

死の谷間|映画情報のぴあ映画生活