「Vision」を観てきました。
ストーリーは、
フランスの女性エッセイストで、世界中をめぐり紀行文を執筆しているジャンヌは、あるリサーチのために奈良の吉野を訪れ、山間に暮らす山守の男・智と出会う。智は、山で自然とともに暮らす老女アキからジャンヌとの出会いを予言されていたが、その言葉通りに出会った2人は、文化や言葉の壁を超えて次第に心を通わせ、さらに山に生きる者たちとの運命が予期せぬ形で交錯していく。
というお話です。
フランスのエッセイスト・ジャンヌは、世界を巡り、紀行文を執筆している。今度は日本の奈良・吉野に、ある事を調べる為にやってくる。吉野の山に住む老女・アキは、同じく山に住み、山を守っている智に、明日の朝、山の守り神である春日神社へお参りに言ってくるようにと告げる。智は、アキの言う通り、春日神社へ向かうと、そこで、ジャンヌと出会うことになる。
ジャンヌは、智に、この山に”Vision”を探しにやってきたと告げ、Visionを知らないかと尋ねられるが、智は何も知らなかった。「人類のあらゆる精神的な苦痛を取り去ることが出来る」という薬草がVisionらしい。ジャンヌは、智の家の離れに泊まらせて貰える事となり、Visionを探す事となる。
山を散策するジャンヌはアキと知り合い、アキは何故か、「あんただったんだね。最近、森がおかしい、1000年の時が迫っている。」と話し、何か曰くありげだった。アキは智に自分が既に1000歳ほどになると告げ、何となく別れの時が迫っている事を感じさせる。
ジャンヌと智は惹かれあい、言葉の壁を越えて、親密になって行く。そんな二人の前から、アキが姿を消し、ジャンヌも仕事の為に帰国することになる。ジャンヌは「Visionは間もなく現れる。自分も直ぐにここに帰ってくる。」と告げて帰国の途に就く。
季節は変わり、山は秋となり茜色に染まって行く。ジャンヌは言葉通り智の所に戻ってくると、そこには山で倒れていた”鈴”という青年も一緒に暮らしていた。鈴の顔を見ている内に、ジャンヌは、その昔、愛し合っていた”岳”という男性を思い出す。岳もこの山に住む猟師だったのだ。そして、真っ赤に染まる山で、ジャンヌと智はVision(未来)を観る事となる。
というお話です。
これ、私、解説を書いていても、ちょっと良く分かっていません。自分の解釈で良いのか、疑問です。なので、私の解釈が合っているかは分かりませんが、私が思った事を書きますね。
山にやって来たジャンヌは、若い頃、自分がこの山で岳という青年と愛し合い、そして彼がある事故で亡くなってしまい、自分の愛と”ある事”をこの森に置いて自分の国に帰って行ったんです。その”ある事”の始末をつけたのがアキという、この森で長く生きていた女性だったんです。
時は流れ、ジャンヌは、自分が置いて行ってしまった未来を、もう一度、手に入れる為に来たのかなと思いました。手に入れるというと語弊があるかな。ネタバレ出来ないから書きにくいけど、過去に侵してしまった間違いを正す為に来たと言ったら良いかな。
映画を表面的に観ていると、ちょっとオカルト的に見えるし、不思議な話に見えてしまって、何だか理解が出来ないように思えるんです。でも、俗世の目で見ると、若かったから出来なくて、捨ててしまっていた事を、年を取って、自分のしてしまった罪を償おうと戻って来たジャンヌという女性と、彼女の過去を大切に育ててくれていた森と、そこに住む人々って言う事なのかなと思いました。
きっとジャンヌは、若い頃にこの森に置いて行ったモノがずーっと気になっていて、未来が見えていなかったんだと思うんです。だから、彼女が前に進む為に、未来に進む為に、それが必要だったのかなと思います。そして、捨てて行った彼女を責めもせず、温かく見守っていたアキと、そのアキを守っていた智。そして、吉野の森の自然が、全てを守っていたから、ジャンヌが捨てて行ったものも大切に保管されていたって事なんじゃないかなと思いました。
秋になり、山が真っ赤に染まるまで時間が必要だった理由は、ちょっと良く分かりませんでした。赤=炎と表現されていたので、もしかしたら、色々な怒りだったのかな。炎=怒りが鎮火して、全てを許せるようになったという理解かなと、私は思いました。そりゃ、捨てられたら怒りが内包してしまうから、それが収まって、納得出来る時間が欲しかったのかも知れません。
うーん、これで伝わったかな。ネタバレしないで、この映画を解説しようとするのって、難しい。いや、マジで難しい。一応、Vision=未来は、ジャンヌの未来だということで、その未来とは何ぞやと言う事は、ネタバレしていないので、観れば解ると思います。ああー、ネタバレ出来ないから、書きたい事が書けないよぉ~!凄い愛のお話なのよ。大きな愛が彼らを包んでいると言う事なんだけど、書けないっ!辛いっ!
私は、この映画、お薦めしたいと思います。でもこれ、理解出来る人、半分も居ないんじゃないかなぁ。つい、森の雰囲気や、ファンタジーっぽい映像で惑わされて、人間社会の問題と繋がっていることに気が付かないと思うんです。森と表現されているけど、もしかしたら、社会=森だと思っても良いと思うんですよね。解釈は色々出来るけど、大きな愛は感じて欲しいと思います。この映画、理解出来た時は、感動すると思いますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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