「パンク侍、斬られて候」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
江戸時代を舞台に、隠密ミッションをめぐって繰り広げられる10人の男たちの腹の探り合いと、1人の女をめぐる恋の行方、そして謎の猿将軍が明かす驚がくの真実を描き出す。
というお話です。
ある日、とある街道を歩く一人の浪人が、巡礼の物乞いを切り捨てる。男の名は掛十之進。彼が言うには、この物乞いは、今、流行の”腹ふり党”という新興宗教の信者であり、この先の黒和藩を、この”腹ふり党”で潰そうと企んでいるので、斬ったのだと言う。”腹ふり党”は、既にいくつかの藩に入り込み、一揆にて潰してきたらしい。掛十之進は、危険を早めに察知し排除したのだと言って、黒和藩に入り込み、取り立てて貰おうとしていたのだ。
しかし、ふと見ると、斬捨てた男には腹ふり党の刺青は入っておらず、一緒に居た盲目の女は、実は見える目で見つめていた。そんな事は気にせず、十之進は、黒和藩の家老・内藤帯刀に会い、危険を取り払いましたと、偉そうに話すのだが、内藤は、既に周りの藩に密偵を放ち、”腹ふり党”の事を調べていた。調査によると、既に腹ふり党は党首が死刑になり、壊滅したらしい。え?と驚く十之進だが、内藤は、腹ふり党を使って、ライバルの家老・大浦主膳を潰そうと計画を立て、協力しろと十之進を脅す。
もちろん言う事を聞きますと言う十之進に、密偵の江下レの魂次と知的障害を持つオサムと一緒に、腹ふり党をもう一度作り上げてこいと言う。腹ふり党の恐ろしさを説いて、脅威を事前に取り払おうという内藤と十之進の話を聞かず、何もしなかった大浦の責任問題を追及し、左遷させてしまおうという作戦らしい。それには、腹ふり党が存在してくれていないとダメなのだ。
で、腹ふり党の元幹部のところに行き、もう一度やってくれませんかと頼み、腹ふり党を起して黒和藩に迫ってくる。一方、黒和藩では、腹ふり党の討伐を訴えた十之進を笑い飛ばし、暗殺しようとした大浦は、藩主の怒りを買い、猿回しの村に飛ばされてしまう。藩主の黒和直仁は正論一直線のアホだったのである。
腹ふり党の脅威が迫る中、大浦の猿回しを見る為に、藩主と内藤たちは、城を空けて猿のいる町へ出かけてしまう。そんな城下に腹ふり党が迫ってきて・・・。後は、映画を観て下さいね。
これ、出演者の方も、何て説明したらいいか分からないっておっしゃっていたような記事を見たのですが、うん、確かに難しいけど、これ、SFですよね。どう考えてもSFですよね。どっちかというと、”銀魂”に近いのよ。私が思うに、江戸時代なんだけど、日本の江戸時代じゃないんじゃないかなぁ。だって、エスパーとか出てきちゃうし、猿がしゃべるし、変な新興宗教的な団体が迫ってくるし・・・って書くと、これ、スターウォーズじゃん。フォースでしょ、チューバッカでしょ、新興宗教=帝国軍って感じかしら。刀で戦うしねぇ。(笑)
あ、別に、バカにしている訳じゃなくて、本当なんです。内容に関しては、本当なんですよ。江戸時代と言いながら現代用語でしゃべるしね。もう、マジで大笑いなんです。私なんて、ずーっと笑ってたかな。一応、コッソリ笑っていたんだけど、周りの方に申し訳なかったな。だって、抑えきれなかったんですもん。でもね、この映画で笑っていない人の気が知れないっす。
内藤を演じている豊川さん、こんなに崩しちゃっていいの?家老と言いながら、そこら辺の変態なオッサンでしたよ。敵対する大浦を演じた國村さんは、猿と仲良しで可愛かったな。良く懐きましたね。超仲良しでした。その國村さんと一緒に猿回しをする近藤公園さん。猿回しのプロになってたね。ビックリでした。近藤さん、舞台でも大好きなんです。この映画でも、良かったです。
何か、良い人が沢山出ているので書ききれないなぁ。だって、誰もが、凄いことしちゃってくれているんですもん。アホでバカなんだけど、でも、カッコいいの。この究極にふざけた感じを、良く演じてくれていました。ここまでやってくれて、本当に嬉しかった。
内容は、SFと書きましたが、何かねぇ、この”腹ふり党”の教え的なモノを聞いていたら、サナダムシとか、糞とか、色々言っているんだけど、考え方は、夢枕獏先生の小説「上弦の月を喰べる獅子」に似ているんですよねぇ。日本SF大賞を貰った作品ですが、”螺旋”の考え方が似ている気がして、嬉しくなりました。
あ、やっぱり綾野さん演じる掛十之進について書いておかないとね。この十之進、カッコ良くて、凄い技を持っているんだけど、どーも”持っていない”というか、運が無いんです。でね、こいつのせいで、腹ふり党も復活しちゃうし、猿は爆発することになるし、エスパーのオサムは覚醒しちゃうし、酷いトラブルメーカーなんです。だから、彼がこの黒和藩に来たことが、そもそもの禍だったんですよ。でも、本人は、全く、そんな事に気が付かず、ぼんやり、楽しく、ゴロゴロしちゃってたりして、笑ったなぁ。ああー、もう、お腹痛い。もう一回観たい、いや、何度でも観たい。
ちょっと、面白くて感想が止まらない~!もう止めないとネタバレしちゃうよぉ~!一応、こんなに書いているけど、ネタバレはしてないと思いますよ。チラシに書いてあることのみしか書いてないもん。あ、でも、”腹ふり党”という名前は出てなかったか。これ、ネタバレです。ゴメンナサイ。
そうそう、この腹ふり党の巫女で、先頭で踊っているのが北川さん演じる”ろん”です。綺麗ですよぉ。この顔で、このスタイルで、腹ふりされたら、セクシーで目が離せません。素敵でした。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。これ、賛否が分かれると思うけど、この異世界の江戸時代を受容れられたら、もう、大笑い出来ると思います。本当に楽しめますよ。銀魂で楽しめた人は、楽しめると思います。天人は出てこないけど、猿とエスパーと変な教祖(浅野さん)が出てきます。スターウォーズじゃないです。(笑)私には、最高の映画でした。公開は6/30です。待ち遠しいでしょ。私は、この時期にフリーパスを取って観に行く予定です。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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