「ビューティフル・デイ」を観てきました。
ストーリーは、
トラウマを抱え、暴力を恐れない元軍人のジョー。年老いた母と暮らす彼は、行方不明の少女たちを捜し出す報酬で生計を立てていた。そんな彼のもとに、政治家の娘ニーナを捜してほしいとの依頼が舞い込む。しかし見つけ出したニーナは、怯える様子もなく人形のように感情を失っていた。やがてニーナはジョーの目の前で再びさらわれてしまい・・・。
というお話です。
ある所から依頼を受けて、連れ去られた少女を奪還するという仕事をしているジョー。元軍人であり、敵は容赦無く殺して行く男であり、依頼主は、それを解って、奪還及び復讐の為の暗殺を頼んでいる。ある日、選挙を控えた政治家の娘が、母親の死後に家出をして、どこかの少女売春クラブに捕まっているらしい。娘を連れ戻して欲しいという議員の依頼を受けて、資料を集め、道具を揃えて、捜査を開始する。
ジョーは、年老いた母親と暮しており、母親は認知症のようだ。彼は、子供の頃に、父親がDVで母親を殴っている情景を忘れられず、何かあると、その事を思い出して怖くなって狭い所に入ってしまう。その上、戦争に行った時、子供にお菓子をあげた事で、子供同士で争いになり、その一人が銃を使って相手を殺しお菓子を奪って行った様子を見てしまい、それもトラウマとなって、フラッシュバックする。幾つものトラウマは彼を苦しめ、死を望んでしまい、暗殺の時に殺して欲しいとさえ思っているので、恐さが無く、相手に殺られる事が無いようだった。
政治家の娘・ニーナを探し出し、突入して、彼女を奪還したジョー。何人かは殺したが、比較的、簡単に終り、ニーナを連れて、政治家の家に帰ろうとするのだが、彼女の父親である政治家が暗殺されており、沢山の敵が向かってきて、またもニーナを連れ去られてしまう。何とか逃げ出したジョーだったが、依頼を引き受けていた窓口の男も殺され、自宅に帰ると、自宅にも踏み込んだらしく、母親も殺されていた。自宅にいた敵を捕まえ、誰が首謀者か聞くことが出来、怒りに駆られたジョーは、復讐し、ニーナを奪還すべく、再度、体制を立て直す。
敵を見つけて、尾行し、ニーナが捕まっているだろう場所を特定するのだが・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、ストーリーとしては、結構、単純なお話なんだけど、ホアキンの演技が凄くて、目が離せませんでした。トラウマを持った元軍人の暗殺者にピッタリという感じで、時には恐ろしく、時には子供のように見えて、驚きました。とっても残酷に人を殺すんだけど、少女には、とても優しいんです。それに、母親の介護もしていて、これもとても丁寧にするんですよ。お母さん、バスルームを水浸しにしたりと、結構、酷いんですけど、文句も言わずに、世話を続けるんです。
子供の頃に、母親が父親にDVを受けていたらしく、それをクローゼットの中で聞いているんです。終わるまで、数を数えて待っている姿が、今も浮かんできて、彼の行動が止まってしまうの。子供には、怖かったんだろうなぁと思いました。そりゃ、トラウマになるよね。
大人になって、軍に入って、湾岸かイラクかアフガンに派遣されたのかしら。その戦争の中で、子供同士が銃でお菓子を取り合う光景を見てしまい、その暴力にもトラウマになっているようでした。あと、少女を奪還しに行ったのに、コンテナの中で、大勢のアジア人少女が死んでいるのを見つけて、それもトラウマになってしまったり、ジョーは、とっても繊細な精神の持ち主のようで、恐ろしい事に出会うと、脳から離れなくなっちゃうようでした。こういう人って、生き難いだろうな。
で、そんなトラウマから逃げるように、暗殺をしているみたいでした。残酷に殺して、自分も痛めつけられるけど、別に、”あの”光景の事を思うよりも、よっぽどマシだとでも思っているようでした。ジョーは、いつも、死を夢見ているようで、トランス状態に陥ると、妄想の中で、自殺したりしていて、他の人から見ると、ちょっと変わっている怖い人って感じなんだろうな。
それにしても、少女愛好者って許せない。キモい親父が、まだ小学生くらいをベッドに引き入れるんですよ。もう、マジで許せませんでした。そんな奴ら、殺してください。許せないからね。子供の誘拐とか、日本でも子供が殺されたりがあるでしょ。本当に、極刑にすべきだよ。小さな子供を殺すなんて完全に怪物だし、生きていて解放されても、その子の人生に、恐ろしいトラウマを埋め込んだって事だよ。そんな奴、改心なんてしないでしょ。極刑がダメなら、ロボトミーをしちゃってください。マジで許せませんでした。
この映画、ホアキンがもちろん凄いんですけど、女の子・ニーナも、良かったです。捕まっていて、イタズラをされ続けて、思考を停止してしまっているという表情が、ジョーに出会って、突然、人間的になる所も良かったな。お母さん役の役者さんも、訳の分からないことを言って困らせる所が良かったです。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。ハッキリ言って、内容は、簡単です。少女奪還と復讐をするというだけのお話です。難しい事はありません。だけど、その人物の内部に、深い闇があり、それを表情で出しているので、上手いと思いました。私は、好きな映画ですが、この映画、万人が面白いと思うかは、ちょっと難しいかな。観て、ふーん、って終わっちゃう方もいそうな気がしますが、私は好きです。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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