「終わった人」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
大手銀行の出世コースから子会社に出向し、そのまま定年を迎えた田代壮介。世間からは「終わった人」と思われ、仕事一筋の人生を歩んできた壮介は途方に暮れる。美容師の妻・千草は、かつての輝きを失った夫と向き合えずにいた。壮介は「どんな仕事でもいいから働きたい」と再就職先を探すが、これといった特技もない定年後の男に職など簡単に見つかるはずがなく、妻や娘から「恋でもしたら」などとけしかけられたところで、気になる女性がいてもそう思い通りになるものでもない。しかし、すでに止まってしまったかに思えた壮介の運命が、ある人物との出会いから大きく動き出す。
というお話です。
大手銀行の出世コースで権力闘争に関わっていたが敗れ、子会社に出向し、そこで定年を迎えることになった田代壮介。仕事一筋で、他に何も楽しみを持ってこなかった。定年し、行くところが無くなると、何もする事が無く、途方に暮れてしまう。妻は、美容師という仕事を持っており、毎日、出かけて行ってしまう。食費一つ作る事もままならない壮介を見て、妻・千草は、ちょっとうんざり。
このままではと思い、壮介は仕事を探し始めるが、定年して、特殊能力も何も持っていない彼に、簡単に仕事が見つかる訳もなく、どうしたもんかと思い、カルチャーセンターやジムに行き始める。そこで、若い精力的な青年に出会い、意気投合すると、彼は会社を経営しており、壮介に銀行で培った人脈と経験を貸して欲しいと言われ、彼の会社経営を手伝う事となる。若いIT企業であり、これからという感じで順風満帆に思われたが・・・。
一方、カルチャーセンターの受付をしていた浜田という女性と仲良くなり、親切にしてくれる彼女に、つい、若い頃の気持ちが芽生え始め、恋愛感情を覚えるのだが、浜田の方は・・・。後は、映画を観て下さいね。
会社の仕事だけという生活を続けている人は、定年したら、本当に何をするんでしょうね。この壮介も、ぼんやりするばかりで、妻にウザがられていましたが、確かに、今までいなかった夫が、毎日、朝から晩まで家でうだうだしていたら、マジで目障りだろうなぁ。家に居るなら、せめて家事でも手伝うとか、そうでなければ、部屋で大人しくしていてくれれば良いけど、ご飯はまだかとか、あれ何処にあるとか、仕事の邪魔ばかりされたら、イライラするだろうなぁ。
私の父は、多趣味な人だったので、定年しても、少し会社に行きながら、大好きなゴルフ三昧をし、囲碁をしたり、家庭菜園をしたり、本を読んだり、ネットをしたりと、会社に行っている時よりも忙しそうです。だから、母も同じように多趣味になり、遊びに出かける事も多いです。それでも、年に何度かは2人で旅行に出かけたりもするので、お互いにそれぞれの楽しみを持っていると、仲良くいられるのかもしれませんね。
話を戻して、何も無くなっちゃった壮介さんですが、一応、頑張ってもがいてみるんですよ。だけど、まぁ、あんまり上手く行かなくて、途中から、バタバタっと、大きく展開していきます。ええー、そんなことになっちゃうのぉ~って思ったけど、仕方ないのかな。私は、この展開、ちょっと納得がいきませんでした。
ええっと、ここから、ネタバレさせて貰います。そうしないと、私が納得行かない事を書けないんです。スミマセン。ここからネタバレね。
壮介がIT企業に呼ばれて、経営の手伝いを始めた時は、会社は上手く行っているんです。仕事も入って、社員も増えて行っているのですが、社長をしている鈴木が、突然、亡くなってしまうんです。そしたら一気にダメになり、潰れて、借金が残るんです。確かにワンマン社長だったのかも知れないけど、壮介が経営を見ていた訳だし、ある程度の金が動く会社なら、社長は経営者保険に入っているよね。だから、借金は保険金で賄えるはずなんです。でないと、保険に入っている意味がない。なんか、そこら辺の話が、とっても駆け足で適当に流されてしまうので、ちょっとムカつきました。会社を経営するなら、もしもの事を考えてセーフティーネットをしておくのは当たり前なんです。それなのに、社長が亡くなるだけで、こんなになる会社なんて、それまで経営なんて上手く行っていなかったんじゃないかと思いました。酷い設定だったなぁ。
年を取って定年したら、何かやる事を探しておくべきですね。特に、会社勤めの方は、生活が180度変わる訳ですから、本当に大変だと思います。でもね、働いている時から、仕事は、自分が好きな事をやる為にお金を稼ぐ場所だと思っていれば、そんなに大変じゃないんじゃないかな。仕事なんかに一生を捧げるなんて、そんなアホな人生、無駄ですよ。好きな事を探してください。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。でもね、若い人は、全く共感出来ないだろうから、年配の方向けかな。ま、でも、若い人もこの映画を観て、定年後に哀しい人生にならないように、趣味を探そうと思うかも知れません。でもなぁ、今の若い人が定年する頃には、制度が変わってきているかもしれません。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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