「ファントム・スレッド」完璧なものをぶち壊すのは女の独占欲だった。女って恐い。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「ファントム・スレッド」を観てきました。

 

ストーリーは、

1950年代のロンドンで活躍するオートクチュールの仕立て屋レイノルズ・ウッドコックは、英国ファッション界の中心的存在として社交界から脚光を浴びていた。ウェイトレスのアルマとの運命的な出会いを果たしたレイノルズは、アルマをミューズとしてファッションの世界へと迎え入れる。しかし、アルマの存在がレイノルズの整然とした完璧な日常が変化をもたらしていく。

というお話です。

 

 

1950年代のロンドンで、オートクチュールのデザイナーであるレイノルズ・ウッドコックは、英国ファッション界のトップとして社交界から認められていた。その生活は完璧ともいえる彼の性格とタイムスケジュールにより守られていた。しかし、ストレスは大きく、彼の心を疲れさせていた。

 

ある日、気晴らしに郊外をドライブし、食事に入ったレストランで、ウェイトレスのアルマという女性に出会う。彼女は、完璧な美人ではないが、身体のバランスが良く、彼のドレスを見せる素材としては、完璧だった。アルマを連れ帰ったレイノルズは、彼女を自分の住居兼仕事場に住まわせ、生活を始める。

 

 

アルマはレイノルズを愛し、彼に愛して貰おうとするのだが、彼女とレイノルズの生活レベルは違い、庶民の生活しか知らないアルマにとって、レイノルズの求める基準は理解出来ず、レイノルズは自分のリズムを崩され、段々とイライラが募って行く。それに対してアルマは、自分がこれ程に愛しているのに答えないレイノルズに対して、独占欲が強くなってしまい、彼の食事に毒を盛ってしまう。

 

アルマの毒により倒れたレイノルズは、何日も寝込んで、アルマの看病を受けることになる。アルマは自分だけで世話をし、その独占欲を満たし、レイノルズからの信頼も得る事となる。そして、とうとうレイノルズは、アルマが必要だと思い、結婚を申し込み、2人は結婚する事となる。そして新しい生活が始まるのだが、またもアルマの下品な生活の態度にうんざりしてしまう。そんなレイノルズの気持ちに気が付いたアルマは・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、素晴らしいと思いました。私は、このレイノルズの気持ち、凄く良く分かります。だから、こういう恐ろしい女とは関わっちゃいけなかったんだよ。人間って平等ではあるけど、生活習慣のレベルってあるのよね。アルマのように、ガチャガチャした俗世の生活をしていた人が、こういう創造をする人間と一緒にいてはダメなんです。必ず、その生活を壊してしまう。絶対にダメなヤツですよ、これ。

 

私は、レイノルズほど繊細でも無いし、才能も無いけど、仕事中に邪魔をされるのも、音を立てられるのも好きでは無いし、まして側に居て欲しくない。集中すると、周りは見えなくなるので、そうなってしまえば問題は無いのですが、それまでは周りにガチャガチャする音や生物があるとダメなんです。でも、仕事以外なら、夫に合わせるし夫も合わせてくれるし、お互いに譲り合うので、問題は無いんですけどね。こと仕事に関しては、ダメなんです。

 

 

だから、レイノルズが、アルマの立てる音に敏感に反応するのが、超解りました。それ、イライラするよね。バターナイフの音も、お茶を入れる音も。我が家でそんな音を立てたら夫が怒り狂いますよ。一発で”うるさい!”って怒鳴られます。もちろん、私も嫌いなので立てませんが。そういう育ちの違いが、この二人は在り過ぎるんです。年齢も違うのでしょうが。

 

その違いを、力技(毒を盛る)を使って、近づけようとするなんて、恐ろしいっつーの。一歩間違えば死んでるじゃん。独占欲の強い女って恐い。レイノルズが、仕事で、色々な女性に微笑み、接触するのに嫉妬したんです。仕事なんだから仕方ないのに、恐ろしいでしょ。ある国の王女にさえも嫉妬して、声を掛けるんです。王女に対して、ウェイトレスだった女がですよ。有り得ないですよ。身の程を知れって言いたくなっちゃいました。それくらい、レイノルズを独占したかったのでしょう。

 

 

こんな女性に睨まれたら、”蛇に睨まれた蛙”状態で、汗をタラ~と垂らしているしかないんでしょうね。レイノルズ、可哀想でした。でもね、ある時点から、アルマに主導権を握られて、今までのストレスから解き放たれて楽になったのかもとも思いました。それまで、カツカツしていた毎日だったけど、俗世の生活を受容れて、休むと言う事を許容したのかも知れません。神の領域にいた人が、人間界に降りてきて、癒しを手に入れたんです。それまでの神の力は無くすけど、でも、穏やかな感情を手に入れた。それを良しとするか、神の力を失くした天使を堕天使とするのか、それは、それぞれの考え方なのかな。

 

 

でも、普通なら癒しを手に入れた彼を良かったと思ってあげるんだろうけど、私は、彼を地に落としたアルマを憎みました。神は神であるべきだと思うし、下品な女は嫌いなの。独占欲丸出しの姿も嫌だったし、何なの、この女っ!って思っちゃいました。大嫌いなタイプの女です。

 

そうそう、ダニエル・デイ・ルイスの引退作となってしまったようで、とても悲しいです。でも、美しい時に引くのも、また美しいですよね。泥臭く最後までしがみつくのも嫌いではありませんが、ダニエルさんは、この引き方で良かったと思います。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。私は、この映画、好きだな。美しいし、女の汚い部分を目一杯表現してくれていて、自分は気を付けようと思った部分と、こういうパートナーとは出会いたくないと思いました。映画の内容は、分かり易いと思いますよ。でも、男性は女って恐いって思ってしまうかも。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

ファントム・スレッド|映画情報のぴあ映画生活

 

Ost: Phantom Thread Ost: Phantom Thread
1,176円
Amazon

 

 

NINE [Blu-ray] NINE [Blu-ray]
1,150円
Amazon