「海を駆ける」日本とは違う、神が人々と一緒にいる場所で暮らしている人々は・・・。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「海を駆ける」を観てきました。

 

ストーリーは、

インドネシア、バンダ・アチェの海岸で倒れている謎の男が発見される。片言の日本語やインドネシア語を話すその男は、海で発見されたことからインドネシア語で「海」を意味する「ラウ」と名づけられた。NPO法人で災害復興の仕事をしている貴子と息子のタカシ、親戚のサチコは、記憶喪失ではないかと診断されたラウをしばらく預かり、身元捜しを手伝うこととなる。ラウはいつもただ静かにほほ笑んでいるだけだったが、そんなラウの周辺ではさまざまな不可思議な現象が起こりはじめていた。

というお話です。

 

 

インドネシアのバンダ・アチェの海岸で、倒れている男が発見され、保護してみると、記憶を無くしているらしく、何も分からない。日本語を理解するようで、インドネシア人と結婚し、現在はインドネシア在住の日本人・貴子と息子のタカシが呼ばれる。貴子は、NPO法人で災害復興の仕事をしている。

 

男と会って、話しかけると、確かに日本語を理解しているので、もしかしたら日本人かもしれない。調べてみると、海辺のコテージを借りていた日本人がいるらしい。コテージの管理人が帰ってくるまで、男を保護しなければならないが、日本語を理解している事は解ったのだが、インドネシア語を理解しているかは分からない。仕方なく、日本人の貴子が世話を受け持つこととなり、呼び名を「ラウ」=海とします。

 

 

貴子の家には、姪のサチコも訪れており、貴子の家は賑やかになっていた。サチコは、父親の遺骨をインドネシアのある場所に散骨する為に来たのだった。インドネシアで、従弟のタカシと、その友人のクリスやイルマとも仲良くなり、暗かった様子が、段々と明るくなって行く。

 

ラウの身元をみんなで探しているのだが、一向に手掛かりは無く、ジャーナリスト志望のイルマがラウのドキュメンタリーを撮影していると、ラウの不思議な力に気が付くこととなる。不思議な歌を歌い、水を操れるようだった。その上、色々な場所に出没するようになり、ラウの周りに居る、サチコやタカシ、クリスやイルマにも、その力が影響をし始める。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、どう解釈したら良いのかしら。正しい解釈かは分かりませんが私の解釈を書かせて頂きますね。7年前に津波が押し寄せ、沢山の人が無くなったインドネシアのアチェ。日本の東日本大震災とは違い、彼らは、流されてきたものは、そのまんま。被災者への援助や色々な捜索などは5年で打ち切られて、その後を、この貴子のようなNPOが援助しているようなんです。

 

彼らの考え方は、神様はいつも自分たちの近くに居て、家族が津波で亡くなったのも、神様が望んだことだからと、悲しみながらも受け入れているんです。確かに、インドネシアに行くと、至る所に「チャナン」というお供え物があり、神様に、悪い事をしないでくださいという願いのお供え物なんです。彼らの地には、何処にでも神様が居て、自分たちは、神様と一緒に生活をしているという考え方なんだと思うんです。

 

 

そんなインドネシアに現れた「ラウ」は、神様の化身だったのかなと思いました。インドネシアの神様は、良い神様だけでは無く、「悪霊」が地に居て、”チャナン”はその「悪霊」を抑えるためのお供え物なんです。そんな所に、ラウが現れ、生かすものは生かし、連れて行くものは連れて行く、運命を彼らに与えているのかなと思いました。

 

私、若い頃に、友人の叔母さんがインドネシアにお嫁に行っていて、あちらで日本料理店を開くというので、しばらくの間、手伝いに行っていたんです。その頃、インテリアの仕事をしていたので、内装やらなんやらをデザインして、絵を描いて指示していました。その時に、インドネシアの日本との違いを、色々感じました。あちらは、一夫多妻、4人まで奥さんを貰って良かったり、犬は不浄のモノだったり、家の中にいる白いヤモリは神様だから追い出してはいけないとか、沢山の不思議な事を知りました。国が違うと、本当に常識が違うんですよね。レストランの天井にトカゲが走っていても、誰も文句を言わないなんて面白いでしょ。日本だったら大騒ぎなのにね。

 

 

あ、そうそう、映画の中で、コーヒーをペーパーで淹れていたけど、インドネシアのコーヒーの淹れ方は、コップにコーヒーの粉を入れて、そこにお湯を注いで、スプーンでかき回して、粉が沈んだら、上澄みだけ飲むんです。ある程度飲んだら、またお湯を足すんですよ。面白いでしょ。結構、美味しいんです。

 

そんなインドネシアは、イスラム教が多いんだけど、ヒンドゥー教の文化も残っていて、シヴァ・ブラフマー・ビシュヌが祀られている所も多くて、何が基本とされているのか、難しいです。

 

 

この映画では、インドネシアでは全てが神によって動かされているので、人間ごときが手を出すべきじゃないと、自然を壊さず、神を尊重し、身の程を知れと入れているような気がしました。

 

ディーンさんが主演と聞いていたのですが、ディーンさんの出演部分、少なかったような気がします。時々、フラッと出てきて、スッと消えてしまう役なんです。だから、主役は若者4人かなと思いました。また、インドネシアに行きたくなってきたなぁ。アチャのあるスマトラ島は行ったことが無いのですが、一度、行って見たいなぁ。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。この自然の中で、全てを受容れていく人間たちと、それをそっと近くで見守っている神という感じの映画でした。スッキリとした結末が付くような内容の映画ではないので、単館系映画に慣れている方にお薦めいたします。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

海を駆ける|映画情報のぴあ映画生活

 

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