「レディ・バード」母の気持ちも娘の気持ちも解るから、観ていて唸ってしまいます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「レディ・バード」の試写会に行ってきました。

 

ストーリーは、

カリフォルニア州のサクラメント。閉塞感漂う片田舎の町でカトリック系の女子高に通い、自らを「レディ・バード」と呼ぶ17歳のクリスティンが、高校生活最後の年を迎え、友人やボーイフレンド、家族、そして自分の将来について悩み、揺れ動く様子を、みずみずしくユーモアたっぷりに描いた。

というお話です。

 

 

カリフォルニア州のサクラメント。田舎町で、町の誰もが子供の頃からの知り合いのような環境の中、17歳のクリスティンは、高校に通っていた。高校最後の年で、大学受験の準備を始めていた。今日も、母親と大学の下見に行ってきたところだ。母親は、近い大学に通わせるつもりでクリスティンに話しをしている。しかし、クリスティンは、本当は都会のニューヨークの大学に通いたいと思っており、ナイショで願書も出してしまっていた。

 

実家を離れて大学に行きたいというクリスティンに、母親は、父親の収入も少ないので、学費も部屋を借りるお金も出すなんて出来ないし、そんな遠くに行かなくても十分な勉強は出来るはずだと話します。でもクリスティンは、奨学金もあるし、この町から出てみたいと訴えます。そして、私の名前をクリスティンじゃなくて、”レディ・バード”と呼んで欲しいと話します。

 

 

厳格なカトリック系の高校に通っているクリスティンは、自分の名前が息苦しくて仕方がなかったんです。そんなクリスティンですが、ダニーという彼氏が出来て、両親に反発心があった彼女は、感謝祭の日をダニーの家で過ごしてしまいます。ダニーと親密になり、本気になりかけていたクリスティンでしたが、ある日、女子トイレがあまりにも混んでいて、どうしようもなくて男子トイレに入ったクリスティンは、ダニーが男とキスをしている場面を見てしまいます。驚いた彼女は、直ぐにダニーと別れます。

 

レディ・バードは、母親に言われてコーヒーショップでアルバイトをすることになります。そこで知り合ったカイルと友達になり、カイルの彼女が、自分が憧れていたジェンナだと知ります。ジェンナは、美しくて裕福な家庭で育ち、レディ・バードは近づきたいと思っていたのでした。ある事でジェンナに協力したレディ・バードは、ジェンナと仲良くなって行き、それに伴い、今まで親友だったジュリーと疎遠になっていきます。ジュリーは良い友達だったのですが、とても太っていて、ジェンナのグループとは馴染めない雰囲気だったんです。

 

 

小さな町で、こんなにも色々な出来事を経験していたレディ・バードでしたが、奨学金を貰いニューヨークの大学に行く事が出来るようになりました。しかし、母親は怒り、口を聞いてくれません。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

映画紹介が、何となく、バラバラしているように見えると思いますが、この映画、クリスティン=レディ・バードの日常を細かく描いている映画でありまして、一貫した事件が起こるとか、何か変化が起こって行くということが無いんです。彼女が、田舎での生活をどのように送っていて、その田舎を嫌がっていた彼女が、都会へ行って、何に気が付くのかを描いている映画なんです。

 

 

だから、最期に何とも言えない共感と感動を覚える映画なのですが、それがこうだから感動するとか、文章で伝える事が難しいんですよ。娘と母親の関係が一番泣けるかな。私は、娘の気持ちも凄く解るし、母親の気持ちも解って、観終わった時に唸ってしまいました。

 

娘の立場だと、いつも何から何まで干渉してきて、小言をいう母親がウザくなり、もうヤダってこの年代に思いますよね。そんな母親から離れたいと思い、都会の大学に行きたくなるのも凄く解るんです。それに、田舎町だと、家庭の事情も周りに知られていて、自分を変えたいと思っても変える事が出来ないでしょ。この子は誰々さん家の子供だと知られているから、家庭環境も、家の収入さえ知られてしまう。本当に息苦しかったのだと思います。

 

 

でも、そんな町だからこそ、周りから守られていたんです。誰もが知っていてくれるからこそ、危険な事も少なく、危ない道にも入る事が無い。一長一短なんです。どちらが良いんでしょうね。

 

母親の立場だと、可愛い私の娘を何処にもやりたくないと思うのは当たり前だと思いませんか?自分の産んだ娘ですもん。どんなに文句を言われても、反発されても、娘なんです。近くに置いておきたいのは当たり前。だけど、娘は離れて行ってしまう。そりゃ、寂しいですよ。頭の中では、自分が娘にべったりで縛り付けていると理解しているんです。それでも放したくないという気持ちが先に立ってしまう。いつかは娘だって、結婚して離れて行ってしまうと判っていても、辛いんです。もう、凄く解るなぁと思いました。

 

 

きっと、若い頃は、お母さんの気持ちって、解らないと思いますが、母親になってみると、自分の娘って特別なんです。どんなにムカついても、自分の所有物、自分の産んだ子供という気持ちを捨てられないんです。この映画、そんな気持ちを、本当に良く描いていたなぁと思いました。

 

そして、こういう閉鎖的な田舎町での出来事なのですが、都会だと、隣に誰が住んでいるかなんて知らないでしょ。私もマンションの隣室が誰かなんて知りません。入居する時に、女性は周りに挨拶をしない方が良いと言われましたもん。だけど、田舎町だと、ご近所との関係は大切だし、町内会とかもあるし、大変ですよね。どこの子は、どんな大学に行ったとか、どんな仕事に就いたとか、結婚したとか、関係無いのに、みんな知っていたりして、驚きます。でも、どちらが良いのかしらね。私は、結構、田舎町って良いと思っているんです。確かに鬱陶しいと思う事もあるけど、でも、どこか温かくて、安心感がある。そんな風に思うんです。

 

 

ああー、凄く良い映画だったので、つい沢山書いてしまってすみません。この映画、私は、超!超!お薦めしたいと思います。私は、好きな映画でした。派手な内容では無く、別に、何か大事が起きる訳でもなく、ただ、女の子が巣立つお話なのですが、自分が共感出来る部分が多くて、観ていて、つい、映画の中に入ってツッコミを入れてしまいたくなりました。でも、アクションとかサスペンス映画のように、分かり易い映画をお好みの方には、ちょっと面白いと思えないかも知れません。ごめんなさい。でも、興味を持たれたら、ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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