「モリのいる場所」を観てきました。
ストーリーは、
昭和49年の東京・池袋。守一が暮らす家の庭には草木が生い茂り、たくさんの虫や猫が住み着いていた。それら生き物たちは守一の描く絵のモデルであり、じっと庭の生命たちを眺めることが、30年以上にわたる守一の日課であった。そして妻の秀子との2人で暮らす家には毎日のように来客が訪れる。守一を撮影することに情熱を傾ける若い写真家、守一に看板を描いてもらいたい温泉旅館の主人、隣に暮らす佐伯さん夫婦、近所の人々、さらには得体の知れない男まで。老若男女が集う熊谷家の茶の間はその日も、いつものようににぎやかだった。
というお話です。
昭和49年、東京の池袋。画家・熊谷守一(モリ)は暮らしていた。既に94歳で、家の敷地内からは、既に30年以上出ていない。毎日、朝、起きては、妻に言ってくると告げて、家の庭を散策する。その庭には、沢山の植物、昆虫、動物が息づいており、その息吹を感じながら、絵や書を書く日々を送っていました。
彼の家には、沢山の人が訪れ、それぞれに、色々な事をして行くのですが、モリは我関せずであり、妻と姪の言う事を半分くらい聞いています。そんな日常の中で、妻を愛し、家を愛し、庭を愛し、自分の生きている世界を愛して、それを描いていたのでした。
ある日、隣の敷地に大きなマンションが建つことになり、モリ一家は、自然が損なわれてしまうなぁと思いながらも、時代の移り変わりに抗う事はしなかったのですが、モリを慕う学生たちなどが、マンション反対の立て看板などを立てて、計画に反対をしました。マンション業者は、モリの家に来て、嫌がらせは辞めて欲しいと訴えるのですが、モリの妻は、困ったねぇと言うばかりで何も出来ません。
そのマンション業者と一緒に来ていた職人が、突然、モリに絵を見せて、子供が描いた絵なのですが才能はありますか?と尋ねる。モリは、下手な絵だねぇと言いながら、下手なのは伸びしろがあると言う事だから良い事だと話し、その職人と仲良くなります。そして、30年間、掘り進んでいた穴と、底にあった池を潰して欲しいと頼む事にします。マンションが建ってしまうと、陽当りが変わってしまい、穴は要らなくなるようでした。
すると、その晩、以前、一度、モリの家に来た事のある男が現れ、モリに何かを話し始めます。その男は、何故か頭にライトが付いており、宇宙人?と思しき姿でした。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、ただ、熊谷守一さんという画家が、家の敷地内で暮らしている日々を描いているだけであり、妻との面白い日常と、彼らを取り巻く人々の動きなどを描くだけなんです。だから、何も起こらないし、変わった事も無いのですが、とっても和む映画なんです。
やっぱり、このモリと妻を山崎さんと樹木さんが演じていることが、一番素晴らしいかな。この二人、最高です。ご飯を食べる時に、おかずをペンチらしきもので潰して、その汁が妻と姪に飛び散って、嫌がられるとか、何か、もう、このお二人が演じていると、何をやってもコントなんですよ。もう、それだけで大笑いしちゃうほどなんです。でもね、その笑いが、下品な笑いじゃなくて、とっても温かい笑いなんです。
そして、やっぱりこの映画、沖田監督の素晴らしさが目一杯詰まっていると思いました。とにかく、自然を捉えた映像が素晴らしい。植物や昆虫、動物が、別に、演技をしている訳では無いんですけど、良い具合に映っているんです。特に、昆虫の写し方は素晴らしかったなぁ。その虫に愛情が湧いてきちゃうもん。あ、カエルさんも可愛かったな。沖田監督作品って、彼の人柄からなのか、本当に柔らかくて、優しい映画になるんですよね。派手さは無いけど、観る人を幸せにしてくれるような気がするんです。大好きなんですよ。
その敷地には、蝶も飛んでくるし、猫も訪ねてくるし、カエルも飛んでいるし、そんなに大きな庭ではないと思うのですが、こんなにもバラエティに富んでいて、素晴らしいと思いました。私も、今度、実家に帰ったら、庭を散策してみようかしらという気持ちになりました。皆さんも、お庭があったら、ちょっと散策してみたらいかがでしょうか。もし、マンションの方なら、近所の公園なんかを見てみたらどうかしら。今なら、蟻さんが歩いているし、蝶々が飛んでいたり、色々なモノが生きているんじゃないかな。
この熊谷守一さん、私、今まで、あまり絵を見た事が無かったのですが、猫ちゃんの絵とか、本当に温かい感じがする絵ですね。彼の美術館に行って見ようかと思いました。豊島区だと書いてあったと思うので、何かのついでに行って見ようかな。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。この映画、心が柔らかくなる感じがしました。まぁ、何も起きないので、アクションやサスペンス映画が好きな方には、あまりお薦め出来ないけど、映画を観て和みたいなぁと思う方や、単館系映画に慣れている方には、良いと思います。疲れている時に観ると、何でこんなに忙しくしていたのかと思い、息が付けると思いますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
これが熊谷守一さんの猫の絵だそうです。可愛いですよね。
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