「蝶の眠り」愛の足跡は決して消える事は無く、それは先の人生も照らす事となる。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「蝶の眠り」を観てきました。

 

ストーリーは、

50代の人気作家・松村涼子は、自身が遺伝性のアルツハイマーに侵されていることを知る。涼子は「魂の死」を迎える前に小説以外の何かをやり遂げるべく、大学で講師として働きはじめる。そんなある日、学校の近くの居酒屋で韓国人留学生の青年チャネと出会い、成り行きで執筆活動を手伝ってもらうことに。作業を進めるうちに、次第に惹かれ合っていく涼子とチャネだったが・・・。

というお話です。

 

 

50代の作家・松村涼子は、今までやった事の無かった大学での講師の仕事を引き受ける。最近は、新作も出せず、何か気分転換を図る必要もあったのだ。友人に紹介された講師の仕事を始め、その懇親会で、大切な万年筆を無くしてしまう。置き忘れた店舗に探しに行くと、そこに住み込んでいた韓国留学生の青年ソ・チャネに出会う。結局、万年筆は見つからずに家に帰るのだが、次の日、店主が持っている事に気が付いたチャネが、直ぐに万年筆を涼子に届けに行く。

 

大切な万年筆が見つかり喜ぶ涼子。チャネが自分が受け持っている大学のクラスの学生だと知った涼子は、自分の大切にしている書庫を彼に見せる。そして、その書庫の模様替えをしたいから手伝って欲しいと頼み、今までとは違う偶然を楽しめる書庫にして欲しいと望む。それからチャネは、書庫の整理と、涼子の犬の散歩係を引き受けて、家に訪れるようになる。

 

 

二人は親しくなって行き、涼子は、自分の新作の執筆を手伝って欲しいと話し、涼子が口述したものをPCで起こす仕事をチャネに頼む。そして、新しい作品を書き始める。そんなある日、涼子は出かけるときに鍵を閉め忘れ、犬がいなくなってしまう。犬が居なくなったのをチャネのせいだと思った涼子はチャネを責めるが、彼は身に覚えがない。そこで、涼子が遺伝性アルツハイマー病であることを知る。遺伝性アルツハイマーは発病すると3年程で死に至るという。

 

涼子は、薄れて行く記憶の中で、最期の小説を書き続け、それを手伝ってくれるチャネを信頼し、チャネも涼子を助けたいという気持ちから惹かれあい、求め合ってしまう。濃密な時間を過ごす2人だが、50代の女性作家と大学生が付き合うなど、周りの目も厳しく、涼子は大学を紹介してくれた友人から注意を受けてしまう。

 

 

涼子は、自分が何も解らなくなる前に、全てを清算し、チャネにも別れを告げる。嫌がるチャネだが、病んでいく自分を見て欲しくないと話し、離れることに。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、あまり期待していなかったのですが、良かったです。中山さんが、年相応の役を演じられていて、とても美しくて良かったです。やっぱり自分の今の年齢、今の姿で勝負が出来る女優さんって、本当に美しいんですね。普通なら、50代の女性が大学生を相手にするっていうと、いやらしく感じてしまうのですが、この二人、美しいんです。親子以上に年が離れているのに、何故か美しい。これ、素晴らしい事だと思うんです。

 

 

もし、50代女性の大学講師が学生と付き合ったら、今時、セクハラとかで訴えられてしまうかも知れませんね。本人同士は良いと思っても、周りが許さなそうですもん。だって、30歳くらい差がある訳でしょ。そりゃ、淫行と言われても仕方ないかも知れません。学生の両親が許さないでしょ。うちの息子に何したんですかって、大騒ぎになっちゃう。気を付けなくちゃねぇ。

 

遺伝性アルツハイマー病って、発病すると、あっという間に機能が低下して亡くなってしまうと、この映画で初めて知りました。こんなに恐ろしい病気なんですね。涼子は、夫と離婚して、一人で暮らしているのですが、危なっかしくて、チャネが居てくれて良かったと思いました。アルツハイマーで一人住まいは本当に危ないですよ。元夫が助けてくれたから良いけど、ちゃんとヘルパーとか頼まないとね。

 

 

もし、自分が何も解らなくなってしまうと判ったら、やっぱり好きな人には見られたくないかな。ま、きっとそれも解らなくなちゃうから仕方ないんだとは思うけど。でも、好きな人がアルツハイマーになったら、他人では無く、自分で見てあげたいかな。だって、もう、そうなったら、本当に自分だけの人になるでしょ。独占欲の塊みたいなことを言うようだけど、もう彼が頼るのは私だけと思うと、少し幸せかも。我が家は、長く夫婦をしているけど一緒に暮らせていないので、早く年を取って仕事を引退して、一緒に暮したいなぁ。ま、暮らし始めたら喧嘩ばかりかも知れませんが。(笑)

 

 

涼子は、チャネの為に自分から身を引いたのだけど、ちゃんとチャネの為に、愛の証をいくつも作っていたんです。本当に彼を愛していたからこそ、彼女は、最期の最後まで、色々な事にこだわって、足跡を残したと言うことが後から解って、感動でした。深い愛をチャネが気が付くのかどうかは、映画を観て下さいね。うん、結構、私は感動しました。

 

映画としても、絵がとても美しくて良かったと思います。1点だけ、私が気に入らなかったのが、涼子が最初に大学に行った時の”緑のワンピース”が似合っていない!彼女の身体の線を美しく写していないのよ。バランスが悪いんです。他のワンピースにして欲しかったなぁ。もっとシンプルな柔らかいもので、身体にピッタリじゃなく、動くと生地が身体に付いて、身体の線が見えるものだったら、本当に美しくて上品に見えたのになぁと思いました。それだけ、イヤでした。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。私は、この映画、好きだなぁと思いました。30代以上の女性に、ぜひ観て欲しいと思いました。まだまだ、これからだぞって思って欲しい。だって、中山さん、本当に美しいんですもん。深い愛を、ぜひ感じて、感動して欲しいです。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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