「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」今回ごめんね、ネタバレあり。とっても良い映画でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」を観てきました。

 

ストーリーは、

定住する家を失った6歳の少女ムーニーと母親ヘイリーは、フロリダ・ディズニーワールドのすぐ側にあるモーテル「マジック・キャッスル」でその日暮らしの生活を送っている。周囲の大人たちは厳しい現実に苦しんでいたが、ムーニーは同じくモーテルで暮らす子どもたちとともに冒険に満ちた日々を過ごし、管理人ボビーはそんな子どもたちを厳しくも温かく見守っていた。そんなムーニーの日常が、ある出来事をきっかけに大きく変わりはじめる。

というお話です。

 

 

定住する家を持たないヘイリーとその娘のムーニー。フロリダ・ディズニーワールドの近くにあるモーテル「マジック・キャッスル」で、暮らしていました。ヘイリーは仕事を探してはいるものの、全身に入った刺青と、その態度の悪さで定職には付けず、偽ブランドをゴルフ場で売りつけるなどの詐欺をして稼いでいるのですが、上手く行きません。毎週払わなくてはいけない家賃にも困っています。

 

娘のムーニーは、同じ様にモーテル住まいの子供たちと一緒に、無邪気に遊んでいます。しかし、母親から躾というものをほとんど受けていないせいで、言う事も聞かず、酷い言葉遣いをしていて、モーテルの支配人ボビーも眉を潜めるばかり。ある日、ムーニーは、下の階の男の子と、他のモーテルの女の子と、サブプライムで空家になったゴーストタウンに入り込み、事件を起してしまいます。知らない振りをして帰ってきますが、そのせいで、下の階の男の子とは遊べなくなってしまいます。

 

 

どんどん孤立していくヘイリーとムーニー。お金を稼ぐ手立てを失ったヘイリーは、とうとう売春を始めてしまいます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、辛い映画だったなぁ~。現代の現実を良く捉えている内容だと思いました。簡単に言ってしまえば、何も考えずに子供を産んでしまい、お手上げ状態になってしまう人々の末路を描いているのですが、人間なので、簡単に、「ハイ、ダメでした。」って終われる訳では無いですよね。

 

 

ヘイリーという母親は、もう酷い母親で、何で産んだんだって言いたくなるような女でした。私の大嫌いなタイプで、ヤル気が無く、誰かに迷惑をかけても全く悪いと思わない、責任感がゼロの人間です。でも、きっとヘイリーも良い教育を受けられず、親に放置されていた女性だったのでしょう。だから、今の自分の態度も、全く悪いとは思っていないのだと思います。でも、子供にはとても悪い影響を与えていて、このままではダメだよなぁと思いました。

 

ムーニーは、母親に怒られないのでやりたい放題。母親が万引きをしていれば、それが悪い事だとは思いませんよね。そんな酷い環境で育ってしまったら、何が悪い事なのか解らなくなっています。社会の中では生きて行けません。どうなっちゃうんだろうと思いました。物乞いまで覚えていて、これはダメだよなぁ~。マトモに育ててあげないと。

 

 

そんな母親も、これはダメかもしれないと思った時点で、娘との楽しい時間を過ごそうとするんです。もちろんズルい事をして、犯罪なんですけど、でも、楽しい食事をして、良いひと時を過ごすんです。酷いなぁと思いながらも、少し子供を思う気持ちもあるのかなと思ったり、でも、犯罪だしなぁと思ったり、何とも複雑な気持ちでした。

 

そんな母子を心配しながら見守っているのが、ホテル支配人のボビーです。彼だけは、マトモな教育をしなければとムーニーに接しているのですが、どうしても言う事を聞かせる事が出来ません。ここのままではマズイと思いながらも、手をこまねいていると、ある人からの通報もあり、児童相談所と警察がモーテルに来るんです。

 

 

ここでスミマセン、ネタバレさせて頂きます。これ、そこを書かないと感想が書けないので。まぁ、最終的に、娘と別れさせられることになると思うのですが、私は、良かったなと思いました。このまま、この母親に育てられるよりも、ある程度、マトモな教育を受けて、人間としての基本を作って貰わないと、犯罪者を増やすだけになってしまう。社会での基本的なルールを教育して貰い、善悪の判断が付くようになったら、再度、母親と会うようにするのなら良いかも知れません。

 

日本では、あまり里親制度が充実していないけど、海外は里親が多いですよね。私の父の友人も、自分の子供を3人育てたら、3人の里親になって、全部で6人の子供の親になっていました。どの子も同じように、家族になっていましたよ。裕福でないと出来ないけど、でも、育ててあげられる余裕があるなら、里親になってあげられたら良いなと思います。日本も、もっと里親制度を活用すれば、施設で合宿みたいでは無く、家庭の生活がさせてあげられるのではと思うのですが、法律が厳しくて、簡単には里親になれないんです。とても残念だと思います。

 

 

でね、映画では、最期、どうなったか判らないんです。真夏の魔法で、もしかしたら子供だけの世界に行っちゃったのかも。子供を保護する人たちが来たところで、ムーニーが逃げちゃって、結末は描かれません。でも、最期は、観た人が考えれば良いですよね。

 

それにしても、子供の演技、上手かったなぁ。これ、演技じゃなくて、普通に遊んでいたのを撮影したのかも。いや、マジで子役が良くって、驚きました。小憎たらしいんだけど、憎めなくて可愛いんです。言葉遣いは最悪なのに、何故か可愛いって、どーいうことっ!この映画は、内容も素晴らしいですが、子役がそれ以上に素晴らしかったと思います。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。とても良い映画だと思いましたが、若干、私は、母親のヘイリーにイライラしました。”このクソ女ッ!”と、つい画面に言ってしまいそうになるのを抑えたくらいです。でも、ここでは書いちゃった。なので、穏やかな精神状態で行ってくださることをお薦めいたします。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法|映画情報のぴあ映画生活

 

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