舞台「1984」を観てきました。
ストーリーは、
西暦2050年以降のいつか、人々が小説「1984」とその”附録”「ニュースピークの諸原理」について分析している。やがて彼らは小説の世界へと入って行く-。
そこは1950年代に起きた核戦争により、世界がオセアニア、ユーラシア、イースタシアの3つの国に分割され、統治のために戦争が絶え間なく繰り返される「1984年」の世界-主人公ウィンストンが生きるオセアニアでは”ビッグブラザー”を頂点とする党により、思想、言論、行動など、生活のすべてが監視され、統制されていた。彼はある決断を胸に、無謀とも思える行動に出る・・・。
というお話です。
この舞台、面白かったなぁ。この戯曲は、とても古い作品のようで、1949年に出版されたようです。大人気になり、映画にもなったようですが、私は、全く知りませんでした。でも、この内容なら、面白かっただろうなぁ。
雰囲気としては、「時計仕掛けのオレンジ」のようで、私、「時計仕掛けのオレンジ」が大好きなので、この作品も、とっても楽しめました。どうも、あそこら辺の作品は、このジョージ・オーウェルの「1984」が出版され、この作品に触発されて書かれた作品のようでした。それくらい、この作品は、古い時代に、センセーショナルなものだったようです。
人間が、ある絶対君主に支配され、”いつも見ているよ”と言われて、独裁者に反抗は一切出来なくなって行くんです。そんな中でも、何とか、この状況を打開しようと動き出す人々が居て、政府を倒そうとするのですが、段々と、あれ?おかしいよねって事が出てきて、真実が見えてくるんです。
私たちの社会も、いつの日か、知らない内に、独裁者では無いかも知れないけど、政府とかシステムに支配されて、支配されている事に気が付かない内に、それが自分の生活に組み込まれていて、何も疑わなくなってしまうかも知れません。そんな恐ろしい未来が描かれています。
何処までも言論の自由といって、言いたい事を言っているように見えて、本当は、全て、政府や裏の勢力に統制され、情報操作されているのかも知れません。もちろん、警察もグルなので、政府に洗脳されない人々は、罪人として捕まっているかもしれない。そんな恐ろしい事が描かれていて、凄く面白かったです。
この舞台、今、上演する事って、凄く良いなぁと思いました。だって、言論の自由と言いながら、マスコミは、みんな操作されているでしょ。何か問題が起きても、例えば、タレントのスキャンダルとかを大きく出して、政府の問題を人々の頭から消し去ってしまう。本当の事とは何なのかと言う事を、観ているこちらに突き付けてくる作品で、凄く感動しました。
この舞台、また観たいなぁ。また新しく、映画化してくれないかしら。今だったら、面白く作れると思うんだけどなぁ。以前は、イギリス映画のようですが、これハリウッドでやると、凝り過ぎちゃうから、日本で、設定を変えてやったらどうなのかしら。凄く面白そうです。
システム側のオブライエンという人物を、亡くなってしまった大杉連さんが演じられる予定でしたが、神農直隆さんが変わりに演じられました。雰囲気を大杉さんにワザと似せていたのかも知れませんが、大杉さんに雰囲気が似ていて、とても上手かったです。感動でした。
この作品、本当に観に言って良かった。私は、超!お薦めしたいと思います。これは、良い作品だと思いました。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「1984」 http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_009661.html