「サバービコン 仮面を被った街」仮面を被ってたけど直ぐに剥がれます。そしてロッジ家の仮面も・・・ | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「サバービコン 仮面を被った街」の試写会に行ってきました。Fan's Voiceさんのご招待で観てきました。

 

ストーリーは、

笑顔があふれる町サバービコンに暮らすロッジ家の生活は、ある時、強盗に入られたことで一変。一家の幼い息子ニッキーの運命は思いがけない方向へと転じていく。一方、時を同じくして町に引っ越してきた黒人一家の存在が、町の住人たちのどす黒い本性をあぶりだしていく。

というお話です。

 

 

新興住宅地サバービコン。そこには、街に必要なものが全て揃っていて、誰もが幸せに暮らせる街として大きく宣伝され、沢山の人々が各地から集まり、暮らし始めていた。見るからに穏やかで、ちょっと志の高い人々が住んでいるようにみえる街だが、ある日、黒人の一家が越してきたことから街の雰囲気が、ガラッと変わり始める。

 

サバービコンの人々は、黒人がこの街で一緒に住むなんて許せないと言い始め、彼ら一家のスーパーでの買い物を拒否し、連日、嫌がらせをするようになる。警察が出動し、暴徒を治めようとするが、いつまで経っても続いている。

 

 

そんな黒人の家の裏隣に住むロッジ家。息子のニッキーは、黒人一家の男の子と野球をして遊ぶような子供だった。父親のガードナー、母親のローズ、母の姉のマーガレットで暮らしていた。一見、ロッジ家の人々は、差別もせず、真っ当に暮らしているのだなと思われるが・・・。

 

ある日、ロッジ家の強盗が入り、母・ローズが殺されてしまう。悲しみに暮れるロッジ家。警察が犯人を追ってくれているが、ニッキーは母の葬式を済まし、今も強盗の恐怖から逃れられず、悲しみに暮れていた。

 

 

そして警察から強盗犯らしき人間を捕まえたから、面通しに来て欲しいと言われ、ガードナーとマーガレットが警察に出かけようとするが、一人になるのを怖がるニッキーも連れて行くことになる。そしてニッキーは、何人かの犯人候補の中に犯人の姿を確認するが、何故か、父と叔母は、強盗犯はこの中にいないと警察に話す。おかしいと話すニッキーを黙らせ、家に連れ帰る父親と叔母。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、怖いんだけど、笑ったなぁ~。シニカルな内容というのが一番合っているかしら。酷い状況を映しているのに、何故か、笑ってしまうんです。何と言うか、ゾッとして、つい笑い始めてしまうという感じでしょうか。考えると怖すぎて、笑いに変わってしまうというのが正解かな。真面目に考えると怖すぎるんです。

 

 

映画は、人間の恐ろしさと傲慢さ。自分の思うことが正義であり、正解であると信じて疑わず、酷い行動に移してしまうと言うことが、一つは街全体の中で起こっている事であり、一つはロッジ家の中で起こっているんです。2つの出来事が並行して動いていて、どちらも凄い事なのに、何故か、全く絡まないという恐ろしいことになっています。

 

これ、ネタバレ出来ないと、感想が難しいんですよねぇ。面白いですくらいしか書けないのよ。ま、黒人一家が越してきて、街の均衡が崩れてしまい、住人たちが暴徒と化すというのは、まぁ、最初から解っている内容だし、実際にあった事を元に映画化されているので、そこは感想を書いちゃいます。

 

 

この時代だと、まだ人種差別が酷い時期であり、白人の街だから安全だったのに、黒人が来たら安全じゃないと、大声で訴えるんです。でも、そんな事を言っている白人が暴徒化している訳だから、アンタたちが危ないんじゃんって事なんだけど、でも裏返せば、黒人が来なければ白人が暴徒化しなかったから、黒人が来なければ安全な街だったんですよね。何処まで行っても、鶏が先か卵が先かという話と一緒なんです。

 

時々、日本でも近所に嫌がらせをしている人がいるとか、ニュースになっていますが、嫌な奴が居るからと言って、追い出す訳にもいかないし、かと言って、自分が逃げ出す訳にもいかないでしょ。だって家ですもん。簡単に移せる訳じゃないし、本当に困った事です。でも、どこかで折り合いをつけないとね。

 

 

サバービコンの街の問題、大変なことになって行きますが、ロッジ家の問題も大きな問題になって行きます。強盗に入られて、ママを殺されちゃったニッキーは、その日から怖くて眠れなくなり、一人でも居るのが怖くなっちゃうんです。でも、段々と、色々な事が分かってくると、その家に居るのも嫌になってきちゃう。だけどねぇ、まだ11歳の子供だから、一人で出て行く訳にもいかないしねぇ。可哀想だったなぁ。

 

マット・デイモンとジュリアン・ムーアが、ニッキーの親と叔母役をやっているのですが、この二人、今回、超!怪演でした。面白かったよぉ。よくなったなぁ、こんな事。監督がジョージ・クルーニーだから、やっちゃったのかしら。それにオスカー・アイザックも重要な役で出ていました。この人達、ちょっとおかしいどころの話じゃありません。目一杯、狂っているよぉ~って叫びたくなるけど、でも、叫びません。ネタバレになるのでね。でも、なんで狂っているのかは、映画を観てからのお楽しみです。凄い秘密が待っていますよ。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。これは面白かったなぁ。怖いんだけど、面白くて笑ってしまい、差別は良くないと思いながらも、そんな事しちゃうんだって笑ってしまう。もー、ごめんなさいと言いながら、笑って観てしまいました。頭が良いんだか、おバカなんだか、良く分からなくなってきちゃいましたよ。いやぁ、ラストでツボに入るような笑いがあり、私、後から思い出し笑いをしてしまうほどでした。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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