【イタリア映画祭】「世情」世の中の事情全てが道理の行くものとは限らない。不条理もある。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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イタリア映画祭2018「世情」を観てきました。その前に「開会式」も開催されました。

1日目の3作目です。

 

ストーリーは、

ナポリのアパートに一人暮らす77歳の元弁護士と、母の死をきっかけに父と不仲になった娘が、父の隣家の家族に起こった予期せぬ事件をきっかけに、その関係を見つめなおすことになる。

というお話です。

 

 

ナポリのアパートの最上階に暮らす77歳の元弁護士ロレンツォ。心筋梗塞で病院に入っていたが、直ぐに退院し、アパートに帰ってきた。娘と息子がいて、彼らは父親を心配しているのだが、ロレンツォは母親がまだ生きている頃に浮気をして、その現場を娘のエレナに目撃され、娘との仲がギクシャクしていて、父親の方が子供たちを避けていた。妻が亡くなって、今ではアパートに一人暮らしをしている。

 

アパートに戻ると、向かいの部屋に越してきたという家族の女性が話しかけてきて、鍵を忘れて出てしまったんですという。彼女・ミケーラは、夫のファビオと2人の子供と越してきたらしい。彼女に好感を持ったファビオは、彼女の夫や子供たちとも交流し、仲良くなって行った。

 

 

ある日、街中でミケーラ家族を見つけたロレンツォは、息子夫婦を見るような気持ちで眺めていたのだが、途中から、夫のファビオが突然キレてしまい、暴力的になった姿を見てしまう。心配になったロレンツォは、ファビオと話をすると、彼は北イタリア出身の船舶技師で、ナポリに仕事の関係で移ってきたのだが馴染めず、子供たちとも、どう接して良いのか分からないとロレンツォに相談をする。

 

ある日、ロレンツォが外から帰宅すると、家の周りに警察車両が集まっていて、規制線を張っている。何かと思い、家に無理矢理入ると、隣のファビオが拳銃でミケーラと2人の子供を撃ち、自分も自殺をしたらしい。驚いたロレンツォだったが、ミケーラだけ命を取り留めて、意識不明だが生きている事を知る。少し関わっただけだが、ミケーラを娘のように見ていたロレンツォは、彼女の意識が回復する事を祈りながら彼女に付きそうのだが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、深くて難しかったなぁ~。観た後、まだ、私、考えていますもん。元弁護士のロレンツォは、移民たちの為に弁護を引き受け、無理な部分を押し通したりなど、強引な手段で仕事をしていたようで、警察などでも名前を知られているらしいんです。そんな彼が、浮気をして、その現場を娘に見られてしまい、そこから娘と疎遠になってしまうんです。浮気の後に母親が亡くなり、母親は浮気を知って悲しみながら死んだと娘が思って、父親を軽蔑しているだろうと、ロレンツォは思っているんです。でも、娘のエレナは、もうそんな事は昔の事だと割り切って、父親を心配しているのですが、それが上手く伝わらないんです。

 

 

娘と上手く行かない分、お隣のミケーレさん一家を心配して、相談に乗っていたら、夫の方が不安定で、とうとう一家心中となってしまうんです。ちょっと展開に驚きましたが、子供まで道連れにするなんて、なんて父親何だろうと腹が立ちました。酷いでしょ。

 

お隣さんを観ていて、やっぱり家族の大切さに気が付いて、巡り巡って、娘と和解するというお話なのですが、何とも難しくて、私には理解するのに時間がかかりました。

 

 

とても良い映画なのですが、移民を弁護していたらしい敏腕弁護士ということや、娘も移民局で通訳をしていて移民はずる賢く嘘をつくことを指摘する部分があり、そんなバラバラした場面を繋ぎ合わせると、やっと内容が見えて来るということなので、パズルの様なんです。移民の味方をしていた敏腕弁護士の父親と、移民が嘘をついて入国している事を知っている通訳の娘。だから娘は、移民の味方をしてヒーローに見えていたけど、本当は騙されていたバカな弁護士と非難しているんです。そんな父と娘の葛藤が、言い合いでは無く、細かい会話の中に含まれていて、良くセリフを覚えていないと分からなくなってしまうんですよねぇ。ちょっと面倒でしょ。解かると、素晴らしい映画なんですけど。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。万人受けはしないと思いますが、深い所を理解出来た時、おおっ!と感動が来ると思います。でも、ハッキリ言って、難しいです。ぜひ、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。今年の冬に公開予定です。カメ

 

 

イタリア映画祭 2018   http://www.asahi.com/italia/2018/