イタリア映画祭2018「環状線の猫のように」を観てきました。
5日目の1作目です。
ストーリーは、
ローマの中心に住み、シンクタンクで社会的統合の問題に携わるインテリのジョヴァンニ。多様な人種が混在する郊外で調理スタッフとして働き、日々の生活に追われるモニカ。生活環境が全く異なり知り合うことはなかったはずの2人だが、彼らの子どもが好意を抱き合うことから、やむを得ず交流することになる。
というお話です。
シンクタンクに勤め、郊外に住む移民や低所得者層の社会的統合を目指すプロジェクトを率いる、インテリのジョヴァンニ。彼は妻と離婚し、現在は娘と暮している。娘は思春期になり、彼氏が出来た様で、デートに出かける前にお小遣いを貰いに来たのだが、娘が連れてきた彼氏は低所得者層らしく、髪はモヒカンでスゴイ格好だった。驚いたジョヴァンニは、小遣いを渡して娘の後をつける事にする。
娘と彼氏がたどり着いたのは、低所得者が住む郊外の団地で、多国籍の住民が住み、エレベーターは壊れ、階段で寝ている住民もいる。驚いたジョヴァンニが後を付けて行くと、その後から、彼氏の母親であるモニカも尾行をしてきていた。母親も息子が釣り合わない女子と付き合っているのではないかと心配し、尾行していたのだ。
向き合った二人の親は、あまりにも住む世界が違う事に困惑しながらも、無理に交流を持ち始める。お互いの考え方の違いから、何度も衝突を生むのだが、少しづつ、互いの価値観に影響を与えていく。
ジョヴァンニは、統計では見えてこない郊外の暮らしの実態を、そこに住む人々との交流を通して知ることになり、今まで階層で判断していた自分の尊大さに気が付く。モニカも、今のままで何もしないのではなく、改善をしようと努力することの大切さを知り、支援制度をりようしてピッツェリアを開くことに成功する。そして、子供たちが分かれた後も、2人の交流は続いて行くのだった。 というお話です。
この映画、面白かった!日本でも、あるよねぇ。こういう”住む世界が違うから”的な事を言う奴ら。でね、偉そうに低所得者との格差社会が広がっていて、何とかしなくちゃとか言いながら、自分は高額の所得を得ている奴、よくTVに出てるでしょ。あんたたちが言うなって。本当のことを何も知らないくせに、偉そうに統計を出して解説してんのを見ると、マジで金儲け楽しそうだねって思っちゃう。TVもそういう奴らを出すなって、目障りだから。それなら大阪の下町や東京の小岩とかで小さい飲み屋をやっている人を連れてきて、最近の事を聞いた方がよっぽど解かるよ。
この主人公のジョヴァンニも、偉そうに国連みたいな会議で統計データを見せながら解説してるけど、それが現実に全く合っていないことを、モニカとの出会いで知るんです。全く価値観が違う2人ですが、子供を大切だと思う気持ちは同じ。もちろん、悪い事は悪いと思っているし、何が良い事かも解っている。
不思議ですよね。だって、生活は同じ事をしている訳でしょ。朝起きて、ご飯食べて、仕事をして、寝るという、誰もが同じ事をしているのに、食事の値段が高いか低いか、仕事の種別が違うか、寝床が柔らかいか硬いか、そんな違いでしょ。どちらが偉いかなんて、無いと思うんだよね。お金があっても、安い焼き鳥が好きとか、寝床が暗くてジメジメしたところが好きとか、好みの問題じゃん。人にとやかく言われたくないと思う気持ち、解かるんです。
そりゃ、もしかしてお金が沢山あれば、欲しい物を買うかも知れないけど、それ、本当に欲しい物なの?ブランドのバッグなんて見栄の為だけで、使いにくいし重いし、洋服に合って無いって理解してるの?そんなら持ちやすくて、汚れたら直ぐに買い換えられる安いバッグの方が良いでしょ。要するに、価値観の問題なのよね。
このジョヴァンニも、それを理解して、これからは、もっと実態に則した改善策を模索していってくれるだろうと思いました。きっと、低所得層が住む地域も、良くなって行ってくれるかなという期待を持たせてくれる最後でした。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。これ、面白いよ。凄く笑えて、考えさせられるコメディ映画でした。日本公開して欲しいなぁ。これは日本の状況にも似ているから、共感して貰えると思うんだけど。でも、まぁ、派手に人気が出るような作品ではないので、難しいかなぁ。もし、公開されたら、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
イタリア映画祭 2018 http://www.asahi.com/italia/2018/
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