イタリア映画祭2018「チャンブラにて」を観てきました。
4日目の3作目です。
ストーリーは、
14歳にして酒と煙草をたしなむピオは、兄のコジモからストリートで日々の糧を得る術を学び、家族やロマの仲間を支えていた。だが、コジモが失踪。大きな負担が肩にのしかかってきたピオは、危ない橋を渡ることにする。
というお話です。
カラブリアのジョイア・タウロ。チャンブラと呼ばれるロマの共同体で大家族と共に暮らす14歳のピオは、兄のコジモの元、路上で生活の糧を稼ぐすべを学んでいる。ロマの人々は、アフリカ系移民とは距離を保っているが、ピオはブルキナファソ出身の青年アイヴァを七日と頼りにしている。
ある日、兄のコジモと父親が逮捕され、小さないとこたちも含めた大家族の生活がピオの方にのしかかる。ピオは停車中の列車に乗り込んで観光客のスーツケースを盗み、荷物の中の電子機器をアイヴァのつてでアフリカ系難民のキャンプに売ることを始める。アフリカ人に温かく歓迎されたピオは、アイヴァが倉庫に様々な品物を集め、コンテナでアフリカに送る商売をしている事を知る。
祖父が亡くなり、葬式にあわせて父と兄が釈放され、一家の元に戻ってくる。ロマの仲間の家に盗みに入ったピオは、捕まってしまい、家族に叱咤される。家からも追い出されてしまい、アイヴァを頼って行き、寝かせて貰う。家に帰ったピオに兄のコジモが、アイヴァの倉庫から品物を盗み出す計画を話され、協力すれば、先日の事件も忘れて、大人の男として受け入れてやると言われ・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画は、ちょっとごちゃごちゃしていて、途中で主人公の男の子の性格にイライラしちゃったのですが、これが、この人達の現実なんだと思ったら、イタリアには、たいへんな人達が住んでいるんだなぁと考えさせられました。
ロマという人達は、移民みたいに扱われているんだけど、彼らは昔からイタリアに住んでいるジプシーなんだそうです。いつも移動して生活をしていたんだけど、今時は、一か所に留まって生活を始めたそうです。でも、ジプシーだった為に、貧困だし、定住しているイタリア人には嫌われているみたい。
そんなロマと同じように、移民として扱われている、本当にアフリカから逃げてきた移民の人達が居るんです。アフリカでは生活が出来ずに、イタリアに流れてきて、移民として、その場所にキャンプみたいのを作って、住み着いているようでした。
この2種類の”移民”と呼ばれる人達のお話なのですが、イタリア人は、ロマの人達を下層の人間として見ているのですが、ロマの人達は、アフリカ移民を自分たちよりも低い人間として見ているんです。でも、アフリカ移民の方が、自国に仕送りをしなければいけないという思いがあるから、必死で働くので、金回りが良さそうなんです。それがロマには気分が悪くて、いがみ合っているようでした。
この主人公の少年ピオは、まだ、そんな社会の仕組みを全く知らず、仲良くしてくれるアフリカ移民の人に懐いて、彼らの為に働くと褒められるので、嬉しくなって調子に乗っているんです。家族は、そんなピオには、ほとんど注意を払っていなくて、子供のすることだからと、ほおっておいたのですが、ある事件を起して、状況が変わってしまうんです。
ピオは、まだ子供だから、言われるがままに、あっちの言う事を聞いたり、今度はこちらの言う事を聞いたりと、上の人に言われれば、たとえ好きな人であっても、平気で裏切ってしまうという、もう、この”クソガキ”と呼びたくなるような最悪のガキでした。でも、それが、この地域、この民族として生まれてしまったサガなんでしょうね。可哀想だなぁと思いましたが、クソガキなので、憎たらしかったです。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。内容は、良く出来ていたと思います。クソガキが気分悪かったですが・・・。米アカデミー賞外国語映画賞のイタリア代表作品です。日本公開は難しいかなぁ。もし、観る機会があったら、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
イタリア映画祭 2018 http://www.asahi.com/italia/2018/