イタリア映画祭2018「ザ・プレイス」を観てきました。
4日目の1作目です。
ストーリーは、
カフェ「ザ・プレイス」には毎日ずっと居続ける謎の男がいる。たえず訪問者がいて、彼らは自身の願いを男に訴え、男はそれを叶える条件としてそれぞれに特異な任務を与える。はたして、彼らは任務を遂行できるのだろうか? 男が任務を与える理由とは?
というお話です。
カフェ「ザ・プレイス」の奥まった席に一日中座る男には、絶えず訪問者が現れる。彼らは自らの願いや欲望を男に訴え、望みを叶えるためには男が継げる行為を行わなくてはならない。
老婦人のマルチェッラは、アルツハイマーの夫を救うために人の集まる場所に爆弾をしかけねばならない。ルイージは、ガンに苦しむ幼い息子を救うため、幼い少女を殺さねばならない。修道女キアラは、神を取り戻す為に妊娠をしなければならない。マルティーナは美しくなるために盗みをしなければならない。オドアクレは、ピンナップガールとSEXするために見知らぬ少女の護衛を果たさねばならない。アッズッラは夫の関心を得るために別のカップルを破局させなければならない。盲目の青年フルヴィオは目を見えるようにするために婦女暴行をしなければならない。刑事エットレは、放蕩息子を立ち直らせたいが、息子アレックスは父親からの自由を望んでいる。
このバラバラした望みと行動は、一見、何も関係無さそうだが、実は、どこかで全てが繋がっているのだ。男は、願いを叶えるための行動を告げていき、カフェで一息ついていると、店員のアンジェラが、男に近づき、彼との会話をしようとするが、男は自分の事を語ろうとはせず、アンジェラも無理に聞き出そうとはしない。そして、段々と、個々の事象が、絡み合い始める。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、面白かったなぁ。ローマ国際映画祭のクロージング作品です。舞台は”ザ・プレイス”っていうカフェの中だけなんです。他の場所は一切無くて、そのカフェにいつも居る男と、訪ねてくる客の会話だけの映画なんですが、これが面白いんですよ。最初は、何を相談しているのか、良く判らず、漠然と望みがあって、その望みを叶えるためには、何か引換えにやらなくてはいけないんです。俗に行く、悪魔との取引みたいなもんです。
カフェの男は、”悪魔”なのか”神”なのか、全く判りません。ただ”男”だということしか解らないんです。でもね、彼が提示する条件をクリアすれば、望みが叶うんです。そして、少しづつ、望みが叶って行く人がいるのですが、反対に、状況が変わって行ってしまう人がいる。誰かが叶えば、誰かに悲劇が起きていっていることが判ってくるんです。
本当に良く出来た脚本というか、物語だと思いました。これ、舞台にしたら凄く面白そうだなと思いました。だって、会話劇なんですもん。舞台は、一切変わらないのですが、段々と、カフェが怖い場所に見えてきたり、神聖な場所に見えてきたりするんです。
男の正体は、全く判りません。そして、彼も、誰かに指示されているのかも知れないという感じなんです。彼は、いつも分厚いノートを読み、書き込みながら、話しを聞いています。そして、そのノートに、何かが現れるみたいなんです。でもね、それが幸せを与えるためなのか、不幸を与えるためなのか分からない。
そしてカフェの店員の名前がアンジェラなんです。そう、アンジェラ=アンジー=天使ですよね。その天使が、男の仲間なのか、それとも敵なのか。それも解りません。全くの謎のまま、話しは進んで行くのですが、それが面白いんです。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは、日本公開して欲しいなぁ。舞台化も出来そうだし、このアイディアは面白いと思いました。この謎の男の存在と、只の会話劇なのに、ドキドキハラハラして、不安にさせる内容に、驚きました。ぜひ、観て欲しいと思います。
ぜひ、楽しんでくださいね。
イタリア映画祭 2018 http://www.asahi.com/italia/2018/
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