イタリア映画祭2018「ラジオフレッチャ」を観てきました。
2日目の3作目です。
ストーリーは、
70年代、エミリア・ロマーニャ州の小さな街で独立ラジオ局を立ち上げた若者たちの友情と恋愛を描く自伝的作品。
というお話です。
1970年代、ある田舎町で、短波ラジオ局のラジオ・フレッチャが閉局されるというニュースが流れる。18年やって来た局が無くなるのを寂しく思う町の人々。その局は、最初は違う名前でやっていたが、DJブルーノの仲間であるフレッチャが亡くなり、それからフレッチャという名前になった。
フレッチャは、右のこめかみ辺りに矢のアザがあり、そう呼ばれるようになった。彼の父親は亡くなり、母親はあばずれで、父が生きていた頃から男を連れ込んでいた。フレッチャを含む5人ほどの仲間は、いつもつるんで遊び、悪い事も一緒だった。ラジオ局をやりたいといったときも、フレッチャが材料集めを手伝ってくれて、開局出来たのだ。
ラジオ局はぼちぼち始まり、波に乗っていった。それに連れ、みんな成長し、青春の楽しみも苦い思い出も作っていった。そんな中、町でもドラッグが出回り、フレッチャは遊んだ女に勧められ、始めてしまい、ドラッグに溺れて行く。そんなフレッチャは、このままではいけないと自分で気が付き、優しい女性マルツィアの献身的な介護で、ドラッグから抜ける事に成功する。
友人のティートは、実の娘を何年にもわたってレイプし続けてきた自分の父親を殺そうとするが成功しなかった。イエナは結婚することになるが、その花嫁はヤリマンとの噂で、実際に式の途中で友人のボリスと浮気をしているところをフレッチャに目撃されてしまう。その結婚式で、フレッチャは、美しい女性に恋をしてしまう。
その女性に、何度、告白しても付き合う気は無いと言われ、それでも諦め切れないフレッチャは、彼女が付き合っている金持ちの男のマネをしてベンツに乗って訪ねて行くのだが・・・。後は、映画を観て下さいね。
70年代の小さな田舎町に住む青年たちのグラフティです。もう20年程前の作品なのですが、とても新鮮に見えて、青年たちの繊細な気持ちの動きが良く描かれていて、凄く良かったです。古い映画だけど、観れて良かった。アンコール上映してくださって、嬉しかったです。ここで観れなかったら、一生、出会う事が無かったかも。古い音楽と共に、ボロボロになりながらも、必死でもがいて生きている青年たちと、その中でも、目一杯、明るく燃えて、消えて行ってしまった青年を、美しく描いていました。
なんたって、最初に主人公の青年が亡くなったところから始まって、そこからさかのぼって描いていくんです。だから、結末が解っていて、そこにたどり着くまでの2年間を描いていたんです。そして、その2年間を懐かしく思い出し、ラジオ局でDJをしているブルーノが、18周年になる前にラジオ局を閉局すると言って、放送している姿が描かれているんです。
私が思うに、きっと、フレッチャが生きていたと同じ時間だけ、ラジオ局も放送して、そして終わらせようと思ったのかなと思いました。フレッチャが精一杯生きて、死んでしまったという、彼の人生を、再度、ラジオで描いたのかなって。だから、彼の人生以上の放送は出来なかったのかなと思いました。
何だか、この映画、凄く良かったんです。でも、言葉では言い表せないんですよ。この何とも言えない気持ち、どうしたら良いんだろう。何だか、「スタンド・バイ・ミー」を初めて観た時の気持ちに似ているんです。ただ、そこに生きる男の子たちの人生の一時なんだけど、でも、それが明るく輝いて、そして消えていくという、何とも美しくて、二度と来ない時間だろうなと感じる映画だったんです。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。でも、DVD、出ているのかなぁ。20年も前の映画だし、どうなっているんだろう。もし、観れる機会があったら、ぜひ、観てみて下さい。感動すると思います。これも、ルチャーノ・リガブエ監督作品です。彼の1作目です。大きな賞を沢山取っているみたいですよ。イタリアで大ヒットしたそうです。
ぜひ、楽しんでくださいね。
イタリア映画祭 2018 http://www.asahi.com/italia/2018/
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