イタリア映画祭2018「メイド・イン・イタリー」を観てきました。
2日目の2作目です。
ストーリーは、
リコは精肉工場で働く中年の労働者。グローバル化の影響で工場を去らざるを得ない同僚が出る中、解雇されることもなく、妻や友人たちとの関係も良好で一見幸せに見えたが、実は心の空虚感を埋められないでいた。心機一転を図ろうと、友人たちとローマへの旅に出るが、ローマでの出来事が思わぬ事態を招く。
というお話です。
生肉工場で働くリコ。美容師の妻サラと大学生になる息子ピエトロと共に、父親から受け継いだ大きな一軒家に暮らしている。リコは、会社で仲間がちょっとした事でクビになっていくのを辛い気持ちで見つめていた。収入は生活するのがやっとの状態で、慰めは、友人である画家のカルネヴァーレや地元の友達たちと羽目を外して夜に騒ぐぐらい。こっそり浮気をしたりしていたが、家に帰ると妻は冷たく、スマホには誰かからの怪しいメッセージが届くのを見てしまう。浮気を疑いながらも、自身の行いもあり、問い詰めることも出来ない。
ある日、妻が浮気をした事を告白する。それも相手は友人のカルネヴァーレだった。一度だけで、気持ちがあった訳じゃないと言うのだが、リコは簡単に許す事は出来ない。しかしサラが、何年も前だが息子を死産した事が忘れられず、苦しんでいる事を知り、夫婦関係を修復しようと思い立ち、全てを許し、友人たちを招いて、2人の結婚式を挙げる事にする。幸せを感じていた2人。
それから数日後、麻薬とギャンブルに溺れていたカルネヴァーレが死に、5日も放置されていたと連絡を受ける。悲しむリコに、会社の同僚がカルネヴァーレを中傷するような事を言い、頭に来たリコは同僚を殴ってしまい、会社を解雇されてしまう。再就職を探すが、今のイタリアでは、職など見つからない。そんな時、サラが妊娠したとリコに告げ、再出発をしようと思い立ったリコは、単身、故郷を離れ、ドイツで職に就き、イタリアに帰れる日を思いながら働いている。 というお話です。
この映画、現代のイタリアの状況を描きながら、その中でもがき苦しみながらも、家族の絆を大切にして、故郷である家に戻りたいと思う男を描いていて、良かったと思います。
とにかく、今、イタリアは失業率が11%ほどと高く、特に若い世代は33%以上もになるそうで、3人に一人が職が無いという状態らしいんです。酷いですよね。イタリアって、色々な職業がありそうに思うんだけど、そうでも無いのかしら。イタリア人の方達、日本に出稼ぎに来てくれれば良いのに。
日本って、イタリア料理も好きだし、イタリアって身近だと思うんです。だから日本のレストランとかで働いてくれたら、凄く人気になると思うんだけどなぁ。私の個人的好みだけど、コンビニに中国人とか韓国人が働いているより、イタリア人が働いていてくれてたら嬉しいなぁ。そんなに失業者が居るなら、日本で働けば良いのに。日本もイタリア政府と協定を結んで、他の国より優遇してあげたら良いんじゃないの?アジア系の人間よりも安全な気がするのは私だけかしら。
このリコですが、自分は遊んでいるのに、奥さんの浮気を見つけると、超ムカついているんです。自分がやっているなら、二度とやらないでとか言って、許してあげてよねぇ。自分は良くて、相手はダメっていうのは通らないからね。気を付けて下さいよ。
自称画家の友人カルネヴァーレという人が出てくるんだけど、何処までもダメそうな奴で、まして友達の妻を寝取るってどーなのよって思いました。そういう話を聞くこともありますが、何か、恋人同士の時に、取った取られたというのは解るけど、友人の妻を寝取るって、やっぱりどう考えてもダメだと思うのよ。反対に友達の夫を取るのも許せないと思っちゃう。知らない人ならまだしも、自分の親友の妻って、どんな神経しているんだろうと思ってしまいました。こういう奴は友達にはしたくないよね。平気な顔で人を裏切る訳でしょ。それ友達じゃないよね。良くリコは許したと思います。妻の事は許せても、親友は許せなくないですか?私はダメだろうなぁ。
リコは、自分の家を守るため、自分の帰る場所を守るために、国を離れて働きに行きます。これって、現代のイタリアを象徴しているそうです。悲しい現実ですね。家に帰りたいけど、簡単には帰れないって、寂しいだろうなぁ。イタリアも早く経済的に立て直せると良いのにね。
この映画、ルチャーノ・リガブエ監督は、有名なロック歌手だそうで、調べたらイタリアで最も成功したロック歌手の一人だと書いてありましたが、スミマセン、私は知りませんでした。帰ってきて、彼の曲を聞いたら、良い曲なんですね。はぁ~、まだまだ知らないことが多いなぁ。彼は、ロック歌手であり作家であり、映画監督だそうです。素晴らしいでしょ。超カッコいいオジ様でした。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。主人公のリコが、ちょっと煮え切らなくてイライラする部分もあるけど、男性ってこんな風なんだろうなぁと気付かせてくれて、良かったと思います。それに、現代のイタリアの大変な部分を描いていて、イタリアの大変さも知りました。現代のイタリアという国を知るのに、良い映画なのかなと思いました。日本公開は解りませんが、機会があったら、ぜひ観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
イタリア映画祭 2018 http://www.asahi.com/italia/2018/
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