「ゲティ家の身代金」内容も凄いけど、凄い演技に惹き込まれて目が離せなくなりました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ゲティ家の身代金」の試写会に行ってきました。Fan's Voiceさん主催の試写会でした。

 

ストーリーは、

73年、石油王として巨大な富を手に入れた実業家ジャン・ポール・ゲティの17歳の孫ポールが、イタリアのローマで誘拐され、母親アビゲイルのもとに、1700万ドルという巨額の身代金を要求する電話がかかってくる。しかし、希代の富豪であると同時に守銭奴としても知られたゲティは、身代金の支払いを拒否。アビゲイルは息子を救うため、世界一の大富豪であるゲティとも対立しながら、誘拐犯と対峙することになる。

というお話です。

 

 

裕福な家庭に生まれたジャン・ポール・ゲティは、父親が営んでいた石油会社を手伝い、会社を大きくして行った。第二次世界大戦後に、イギリスへ移住し、サウジアラビア、イラン、クウェートで油田の採掘権を手に入れ、輸送手段が無かった時代に大型タンカーを製造し、石油を世界各地に供給する事で莫大な財産を築いた。

 

彼の三男・ユージンと妻・アビゲイルの間には4人の子供がいたが、ユージンはドラッグに溺れ、女癖が悪く、アビゲイルはユージンと離婚する事を選ぶ。離婚時に慰謝料の話になり、ジャン・ポール・ゲティはケチな事を言うので、アビゲイルは”慰謝料は一銭も要らないが子供の親権は貰う”と啖呵を切って別れる事となります。

 

 

子供たちとの日々をイタリアで過ごしていたアビゲイルでしたが、ある日、息子のジョン・ポール・ゲティ3世(ポール)が誘拐され、身代金1700万ドルを払えという電話がかかってきます。確かにゲティ家一族ではありますが、全てを蹴って離婚したアビゲイルにお金がある訳がありません。義父のジャン・ポール・ゲティに連絡をし、お金を出して欲しいと願いますが、彼は断固拒否します。彼の言い分は、ポールの誘拐が成功してしまえば、他の孫たちも標的になるというのです。

 

 

身代金を払わないというゲティに、アビゲイルは何度も会いに行き、話がしたいと頼みますが、ゲティはアビゲイルに会う事もしません。マスコミもこの誘拐を嗅ぎ付け、連日、報道をしますがゲティは断固として要求を飲みません。

 

犯人側も業を煮やして払わないならポールを殺すと言ってきますが、それでもゲティは動きません。犯人は、とうとうポールの耳を切り、それを新聞社に送り付けてきます。このままではポールは殺されてしまうと訴えるアビゲイルと公証人のチェイスに対し、J・P・ゲティが下した決断とは・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

これが実在の人物かと思うと、本当に驚きます。だって、何億もするような芸術品を簡単に購入するのに、孫息子の身代金は払わないって、どんな人間性なんだって思ってしまいました。確かに、最初の言い分は、解らないでもないんです。誘拐を成功させてしまったら、他の孫たちも危険になるというのは解かるのですが、その後、渋って渋って、身代金を値切って、それでも払おうとしないことに驚きました。ただのケチなんじゃんって思いました。

 

でも、このゲティの親も問題がある人だったのかな。少し調べたら、ゲティの父親が死んだ時、母親とお金の事で争って疎遠になったそうです。お金は大切だし、必要なものだけど、有り過ぎると人を狂わせてしまうのかも知れませんね。お金は程々に、生活が出来るくらいあれば良いと思う私でした。

 

 

それに対して、母親のアビゲイルは、とても普通の感覚を持った女性だと思いました。そんな彼女が、必死で息子を取り返そうと、犯人とも交渉し、義父とも交渉して苦しむ姿は、本当に可哀想でした。そんなアビゲイルを支えるのが、公証人のフレッチャー・チェイス。彼は、ゲティの警備を担当していた元CIAの人間で、ゲティが誘拐を聞いて、彼をアビゲイルの元に行かせるんです。なんだ、やっぱり心配しているんじゃんと思うなかれ。彼は身代金を払わないで孫を奪還する為に派遣されたのでした。酷いでしょ。

 

そんなチェイスですが、その状況に身を置く内に、アビゲイルに共感して、彼女を助けて、一緒にゲティに進言してくれるようになるんです。ここら辺は救いでしたが、クソジジイは払わないのよねぇ~。もー、映画を観ながら、何度頭の中でジジイを絞め殺したことか!マジで腹が立ちましたよ。

 

 

ゲティ家が所有していた”ゲティ石油”は”テキサコ”に売却されたそうです。アメリカの石油会社といえば、エッソ、モービル、シェル、そしてテキサコですよね。現在はエッソとモービルが合併したり、テキサコがシェブロンになったりとしていますが、結局、大きなところに吸収されてしまったというのが結末かな。必死で守った会社も、死んでしまえば名前も残らなくなってしまう。何とも言えない末路だなって思いました。

 

出演者が上手いので、本当に惹き込まれる映画でした。アビゲイルの苦しさが伝わってきて、観ているこちらも苦しくなりましたもん。息子が殺されるというのに、何も出来ない自分を、力の無い自分を悲しみながらも、何か出来ないかと戦い続ける彼女は、本当に美しかったです。ミシェル・ウィリアムズ、上手いですね。

 

 

ゲティを演じたクリストファー・プラマー、まぁ、とんでもなく憎たらしいジジイを演じて下さって、凄いと思いました。言葉では伝えられないほど、この作品のクリストファー・プラマーは凄いです。とにかく観て欲しいと思いました。

 

誘拐犯の一人・チンクアンタを、私の好きなロマン・デュリスが演じているのですが、あまりにも汚い身なりで、最初解りませんでした。最近、あまり映画で観ていないので嬉しかったのですが、いつものデュリスのような色っぽい役では無くて、ちょっとビックリ。でも、素敵でしたよ。

 

 

私は、この映画、超お薦めしたいと思います。これは、良く出来ていると思いました。お金というものに振り回される人々の姿を、良く描いていたと思います。何度も言うけど、お金は大切だし必要だけど、それだけが人間を評価するモノではないんです。間違えると大変な事になりますので、気を付けようと心に刻みました。ちょっと考えさせられるお話なので、元気な時に観た方が良いかな。でも、誰もが観るべき作品だと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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