「モリーズ・ゲーム」の試写会に連れて行って貰いました。
ストーリーは、
モーグルの選手として五輪出場も有望視されていたモリーは試合中の怪我でアスリートの道を断念する。ロースクールへ進学前に1年間の休暇をとろうとロサンゼルスにやってくるが、ウェイトレスのバイトで知り合った人々のつながりから、ハリウッドスターや大企業の経営者が法外な掛け金でポーカーに興じるアンダーグラウンドなポーカーゲームの運営アシスタントをすることになる。その才覚で26歳にして自分のゲームルームを開設するモリーだったが、10年後、FBIに逮捕されてしまう。
というお話です。
心理学教授の厳格な父親の英才教育を受け、幼い頃からスキー練習を重ね、12歳の時には背骨の大手術を行い復活したモリー。コロラド大学を首席で卒業した彼女は、オリンピックで金メダルを取って、会社を設立するという人生計画を立てていたのですが、2002年、冬季オリンピック、モーグル競技予選の最終戦。斜面にあった1本の枝がスキーに引っかかり、スキー板が外れて転倒。それまでのモリーのアスリートとしての人生は終わってしまいます。
2002年、転倒の怪我から回復したモリーは、ロースクールへ行く前にLAで1年間の休暇を取ります。ハリウッドでウェイトレスとして働き始めたモリーは、店の常連客のディーン・キースから雑用係としてスカウトされ、彼が主催するポーカー・ゲームを手伝い始める。サンセット大通りのコブラという店で毎週火曜、参加費は1万ドル。はりうっどのプレイヤーX、映画監督、ラッパー、ボクサー、実業家など、参加者は大金持ちの有名人ばかり。
2005年、モリーはポーカーを通じて、最高レベルの人々と交流することに生き甲斐を見つけていた。しかし、突然にディーンからクビを言い渡され、モリーはポーカーゲームの横取りを実行する。プレイヤーたちに「今夜からフォーシーズンズ1401号に変更」とメールをし、ホテルでの新しいゲームルーム”モリーズ・ルーム”を開いてしまう。そしてプレイヤーⅩの協力を得て、モリーズ・ルームは開催される。しかし、数年でプレイヤーⅩと決裂してしまい、ハリウッドでは潰されてしまい、今度はニューヨークに渡り、新たなゲームルームを開催し始める。
2014年。回顧録「モリーズ・ゲーム」を出版し、サイン会を終えて眠りについたモリーの携帯電話が鳴り響く。FBIが逮捕令状を持って、モリーの所に現れ、何も触るなとされて、そのまま部屋から出されてしまうモリー。容疑は違法賭博の運営だと言われたモリーは誤解だと訴えるのですが、「合衆国対モリー・ブルーム」と書かれた令状を前に何も言い返せない。
弁護士のチャーリー・ジャフィーの事務所を訪ねたモリーは、自分の弁護を願うが、彼は受けられないと断る。しかし、モリーを、ジャフィーの娘が気に入り、父親に弁護を願い、モリーはジャフィーという弁護士を得ることになる。それまでのゲームルームの経緯を話し、ゲームで違法な手数料を受け取ったのは半年間だけで、あとの1年半は受け取っていないにも関わらず、2年間に稼いだ全ての財産をFBIに没収されたと訴えます。ジャフィーは、全財産を没収された時、負けた客の未払金の権利を売れば良かったのにと言うと、モリーは彼らが暴力的な取立てを受ける事を恐れて売らなかったと話し、彼女が人間としてのプライドを最後まで捨てなかったことに感動し、彼女を助けたいと思う様になる。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
あらすじが長くなっちゃいましたが、この映画、説明が難しいんです。彼女がモーグルの選手だった事が、このポーカーゲームに関係あるのかというと、全く関係が無いように見えるのですが、彼女が、育ってきた環境、そして負けたということが、その後の人生が窮地に陥った時、彼女を助ける事になるんです。一度、失敗して、どん底に落ちた人間は、その苦しみを知っているからこそ、同じ様な苦しみを人に与えたくないと思い、それを回避しようとする。そこら辺が、良く描かれていました。でもね、この描き方だと、それが理解出来る人が少ないかもなぁと、ちょっと思いました。良い映画ではあるんだけどね。
このモリーさん、子供の頃から、父親に厳しく躾けられて、ほとんど遊びもさせて貰えず、可哀想でした。子供がやりたくてやっているなら良いけど、親が無理矢理にやらせるのって、どうなのかしら。それって、パワハラじゃないの?モリーは、途中で大手術が必要になった時に、医者に激しいスポーツは無理ですって言われたんです。彼女は、それで終れると思ったように見えたのですが、それでも父親は無理に続けさせたんです。子供は親に強制させられたら、逃れられませんもんね。うーん・・・酷いよなぁ。
スキーが出来なくなった時、まるでそれまでの抑えていたモノを爆発させるように遊び始めるんです。遊びというか、やれなかった普通の女子の楽しみですね。そして、有名人に沢山会って、楽しくなっちゃったんだろうなぁと思うんです。お金は持っているし、チヤホヤされるし、新しい世界を泳ぎ回っているというように見えました。
そんな世界で、お金持ちが楽しんでいるのがポーカー。只のカードゲーム、されどカードゲームなんです。一瞬で大金が動き、大金持ちになったり、大きな借金を作ってしまったり。その人生を左右するゲームのスリルと楽しさにのめり込んでいきます。でも、モリーはゲーマーにはならずに、主催者としての姿を貫きます。そして主催者は客を庇護する者として、その秘密は、どんな事があっても話さないんです。だから、FBIにも嫌われたのかも知れませんね。
そんな彼女の姿を、過去を描き、現代を描くという、交互に見せて対比させながら楽しませるという描き方をしていました。内容が細かいので、途中でちょっと忘れたりして、思い返さなければならず、ちょっと大変でした。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。モリーというエリートモーグル選手がどんな風に育てられ、どのように育って行ったのか、ぜひその目で確かめてみて下さい。こんな彼女の生き方を賞賛するのか、否定するのか、人によって違うのでしょうね。私は、それでも自分の信じるモノを曲げなかった彼女を賞賛したいと思いました。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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