「焼肉ドラゴン」日本兵として戦い、そのまま日本で生きた在日一家のお話でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「焼肉ドラゴン」の完成披露試写会に行ってきました。

 

ストーリーは、

高度経済成長と大阪万博に沸く1970年代。関西のとある地方都市で小さな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営む夫婦・龍吉と英順は、静花、梨花、美花の3姉妹と長男・時生の6人暮らし。龍吉は戦争で故郷と左腕を奪われながらも常に明るく前向きに生きており、店内は静花の幼なじみの哲男ら常連客たちでいつも賑わっていた。強い絆で結ばれた彼らだったが、やがて時代の波が押し寄せ・・・。

というお話です。

 

 

日本万国博覧会が開催された1970年(昭和45年)、高度成長期の日本の関西の地方都市には、今なお、仮設住宅的な長屋が立ち並び、そこには、戦時中に日本に連れて来られ、戦後も日本に定着し、生活をしている韓国人がいた。戦後25年にもなり、彼らの子供も成人したが、韓国人でありながら韓国語がしゃべれない。

 

戦争で日本兵として戦った韓国人の龍吉と英順夫婦には3人の娘がいた。長女の静花は片足がちょっと悪く引きずっている。次女の梨花は天真爛漫で、哲男と結婚している。三女の美花は自由で歌手になりたいという夢を持っている。末っ子で長男の時生は、学校で虐めにあっており、悩んでいた。家族は、バラックで焼き肉店ドラゴンを営んでおり、それなりの生活を送っていた。

 

 

梨花の夫・哲男は、実は静花が好きであり、何度プロポーズをしても振られてしまい、梨花と結婚したのだ。でも、彼は、今も静花を好きであり、それに気が付いている梨花は、不満が溜まって、職場の男性と不倫をしていた。美花は、歌手として場末のナイトクラブで歌わせて貰っていたが、そこの社員とデキてしまい、彼の妻であるメインの歌手と戦いになってしまう。

 

そんな日常が繰り返される中、国の政策で、バラックを取り壊し、整備をしたいということで、龍吉の焼肉店にも国からの立退き命令が届き始める。しかし龍吉は、この土地はオレが買ったんだと言い張り、立退きに抵抗をしている。何度も役人が来るのだが、追い返してしまう。

 

 

しかし、時代は流れ、長屋からは一人、また一人と出て行き、人は居なくなって行く。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

私、この映画を観て、途中で、あれ?と思いました。そうです、先日観た「すべての四月のために」という演劇の内容と全く一緒なんです。鄭監督の新作舞台ということで、「すべての四月の~」を観たのですが、「焼肉ドラゴン」と、設定が全く一緒で、戦中と戦後の違いと、場所の違いくらいなんです。ちょっと驚きました。それ、新作じゃなかったんじゃん!もー!とちょっと怒りモードに入ってしまった。

 

 

長女は足が悪く、次女の夫は長女が好きで、次女は奔放で、三女は歌手志望でというのが全く一緒。店は焼肉店が理容室になっていました。何だか、ちょっと騙されたというか、先日観たのが新作じゃなくて、作品の使い回しだったんだということに驚きました。これ、解ってやっていたなら言ってくれないと、観る方は騙されたって思います。ま、この”焼肉ドラゴン”が先だから、こちらで言う事じゃなく、”すべての四月の”の時に言ってくれないとね。

 

映画の内容に入りますが、この家族、文句を言いながらも、日本で良い生活をする為に、ちゃんと働いているんです。日本は戦後、帰りたい韓国人には全て補助をして返してあげていたから、この龍吉さんは帰らなかったんでしょうね。第二次世界大戦後に、韓国と北朝鮮の戦争が始まっちゃったから、帰りたくなかったのかな。日本で生活して25年、今まで暮らしていた家が無くなるという事態に直面し、その生活を変える決断をするまでが描かれています。

 

 

 

末っ子の男の子が虐めにあっているんだけど、これは、在日だから特別と言う訳では無く、良くある虐めです。残酷だけど、子供の残酷さは大人が考える以上だから、仕方ないかな。この時代は、やり返せと言っていたけど、今はやり返したらエスカレートするから別の対処の仕方をするよね。

 

この映画、この前に書いている「赤道の下のマクベス」の演出・脚本の鄭さんの代表作です。初めて映画監督にも挑んだのかな。演出などは良かったし、配役も良かったと思います。特に、韓国人俳優さんを使っていて、彼らが上手いので、それで引っ張られている感もありました。龍吉を演じていたキム・サンホさん、上手いですね。韓国映画で良く見る方で知っていましたが、今回、とっても温かい雰囲気で良かったと思います。母親役のイ・ジョンウンさんは、マジで、”あー、韓国人のこういう五月蠅いオバサンいるよねぇ。”って感じで、雰囲気が良く出ていました。一気に喋りまくるというか、このうるさい感は、特徴を良く出してたなぁ。笑いました。

 

 

真木さんも井上さんも大泉さんも、皆さん、在日役なのですが、その雰囲気は良く出ていたと思いますよ。大阪弁と韓国語と、普段使っている言葉では無いもので演じているので、たいへんそうでした。でも、上手かったですよ。

 

この映画も、在日韓国人が日本人に”理不尽に”虐められて、苦しむという感じに描かれているのですが、どう考えても、”理不尽”だとは思えませんでした。どう見ても不法占拠だし、国が立ち退いて欲しいというのは正しいと思いました。もちろん、立退き代は支払うんですよ。安いと言っていましたが、他の物価とも考えての打倒な額だったと思いますよ。彼らは、働かなくても良いほどの金額が欲しかったのかも知れませんが、生きて行くなら自分で働いて稼いでください。

 

 

いつもの通り、戦争時に勝手に連れて来られてと文句を言っておりましたが、日本は、申し訳なかったからお金を出すので、韓国に帰って幸せに暮らしてくださいという政策を出したハズですよ。それでも帰らなかったんだから、もう日本人と同等に扱われますよ。それに、ほとんどの韓国人の方々は帰られたらしく、残っていたのは、後から韓国より日本が暮らしやすいと思って来た人達だったと聞きました。だから、今、在日として日本に居る方々は、日本が良くて来てくださった方だと思うんですけど。それで仕事が上手く行かなくなると、差別されていると文句を言うのは間違っていますよ。差別が嫌なら、自分の国に帰れば良いだけの事です。でも差別って、どんな世界でもありますよ。日本人同士だってたくさんあります。

 

 

差別は良くないと言いながら、人間は、自分より下に見れる人がいないと安心出来ない、不安定な生き物だと思います。いつも真ん中で、みんなと一緒、外にはあんなに変な人がいるよと仲間と一緒に見る事によって、安心感と、自分がいる場所を確立しているのだと思います。人間って、本当に面倒な生き物ですよね。この映画は、在日韓国人の哀れを描いていますが、私は、そんな事よりも、人間の在り様を感じて、楽しみました。

 

スミマセン、映画の訴える事とは違う感想になってしまいました。だって、この監督の作品、いつも日本人が悪いって事を訴えているように見えるんですもん。観る度に気分が悪く、辛くなります。描き方は上手いのかも知れませんが、日本が沢山の賞を彼に与えるのは、罪悪感から与えているように感じてしまいました。これは、悪魔で私個人の考え方なので、いつもの通り、また、ディスるなと文句を言う方も出てくると思いますが、ディスってる訳では無く、私の考えです。もちろん、真実とは違いますし、そう思う私のような人間もいるのだと感じて欲しいです。

 

 

私は、この映画、まぁ、お薦めしても良いと思います。ハッキリ言って、私はダメでした。日本人ですし、文句を言われるのは辛いのです。でも、そういう事を考えず、素直に、田舎町で苦しいけど楽しく暮らしていた一家がいたんだという気持ちで観れば、楽しめると思いますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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