舞台「赤道の下のマクベス」を観てきました。
ストーリーは、
1947年夏、シンガポール、チャンギ刑務所。
死刑囚が収容される監獄・Pホールは、演劇にあこがれ、ボロボロになるまでシェイクスピアを読んでいる朴南星、戦犯となった自分の身を嘆いてはめそめそ泣く李文平、一度、無罪で釈放されたにも関わらず、再び捕まり二度目の死刑判決を受けるはめになった金春吉など朝鮮人の元捕虜監視員と、元日本軍人の山形や黒田、小西など、複雑なメンバーで構成されていた。BC級戦犯である彼らは、わずかばかりの食材に腹をすかし、時には看守からのリンチを受け、肉体的にも精神的にも熾烈を極める日々を送っていた。
ただただ死刑執行を待つ日々。そして、ついにその日が訪れた時・・・。
というお話です。
第二次世界大戦後に、戦犯として収容されていた人々のお話なのですが、戦犯って、日本人だけでは無く、日本の兵士として戦っていた韓国人も罪を問われていて、収容されているんです。日本兵として、捕虜の監視などの仕事をしていた人々らしく、捕虜だった連合軍兵士から訴えられて、戦犯となるらしいのですが、確かに、捕虜に対して、酷い扱いをすれば訴えられますよね。日本人であろうと、韓国人であろうと。
韓国人なので、好きで日本兵として戦ったんじゃないとか、無理矢理、連れて来られて兵士にされたとか文句を言っているのですが、戦犯として捕まったのは、個人で捕虜に対して、酷い扱いをしたからでしょ。韓国は日本の属国だったのだから、日本兵として戦争に行かされるのは当たり前なの。そういう時代だったんだから。で、戦争中に、捕虜に酷い扱いをしたのは、日本人でも韓国人でも一緒。上官に命令されて捕虜に酷い事することになっちゃったのかも知れませんが、同じ事を命令されて訴えられていない人もいるのだから、訴えられたからには、何か、やり方に残酷さがあったとか、理由があるハズなんです。同じ叩くでも、悪意がある攻撃と、やりたくないと思ってやる攻撃は違うでしょ。何度考えても、本人責任もあると思うんです。
何か、いかにも日本に酷い事をされて、罪も無いのに戦犯にされたような事をいつまでもズラズラ言っているのに、ちょっとイライラしました。日本兵として良い生活を一時は手に入れていた訳でしょ。捕虜に対して、横柄な態度をとれて、気持ち良かった訳でしょ。それで、都合が悪くなると、日本のせいにする。何処までもズルい人種だなと思いました。
私、何度か、鄭義信さん演出の舞台を観ているのですが、どうしても合わないと言う事に気が付きました。在日韓国人の方だから、韓国側に偏るのは当たり前だし、自分の国である韓国が正しいと描くのは解りますが、あまりにも日本の事情を考えなさ過ぎるような気がして、日本人の私としては、苦しくなるんです。観ていると、ずーっと責め続けられているように感じて、勝手な事言ってんじゃねーよって言いたくなっちゃうんです。舞台でも、映画でも、観ているこちらは反撃出来ませんもんね。
日本には日本側の言い分があって、戦後、敗戦国である日本に対して、勝ったという韓国人が、どれ程残酷な事を日本人にしたのか。今も風俗店やパチンコ屋などで日本を食いつぶしていますよね。それを書く日本人があまりいないのは、後から恨み言を言うなんて潔くないというプライドと、被害を訴えるのは恥じだと感じる民族性からです。
ごめんなさい、舞台の内容に戻りますが、池内さんと平田さんは、もう素晴らしいので、何も言う事がありません。池内さん、カッコ良くて、時々、寂しそうな表情をする感じが素敵なんですよね。とっても好きな役者さんです。
ずっと、収容所の中でのお話なので、展開は少ないのですが、その中で、歌ったり、踊ったり、演劇をしたりと、自分達で気を紛らわせることを探して、楽しんで、死刑までの日々を平穏に過ごそうとします。でも心の中には、無念さが詰まっていて、それが伝わってきました。そこら辺の描写は、良かったと思います。
私は、この舞台、まぁ、良かったかなと思います。私は、気分が悪い部分もあったけど、舞台として見ている分には、良くまとまっていたし、楽しめるように作ってあったので、良いと思いました。もう、公演は終わっているので、良かったら、DVDなどで観て下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
「赤道の下のマクベス」
http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_009660.html
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