「クソ野郎と美しき世界」を観てきました。
ストーリーは、
監督:園子温×出演:稲垣吾郎のエピソード1「ピアニストを撃つな!」、監督:山内ケンジ×出演:香取慎吾のエピソード2「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」、監督:太田光×出演:草なぎ剛のエピソード3「光へ、航る」、そして「クソ野郎★ALL STARS」が出演し、すべてのエピソードの物語がつながる児玉裕一監督の「新しい詩(うた)」という4つのストーリーで構成される。
という内容です。
「ピアニストを撃つな!」
全力で走っている女・フジコ。彼女を追うのは不気味なマスクをした「マッドドッグ」。フジコはマッドドック(大門)の女だったらしいが、彼に別れを告げて、ピアニストを追っているらしい。そのピアニストは、美しい音を奏でる最高の音楽家だが、ナルシストで、ちょっと鼻に付く。フジコはこんなピアニストに恋い焦がれ、彼の元に走っているのだ。そしてピアニストの元へ行くと、マッドドッグもピアニストを見つけ・・・。
「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」
ある待合室で待っている慎吾の横に、女の子が座る。知り合いかと尋ねられるが、全く知らない。そして別れるが、歌が頭から出てこないことに気が付く。その女の子が行く先々で、色々な人が、歌を忘れてしまい、カラオケが出来なくなり、ステージで歌えなくなり、散々な事になってしまう。そして・・・。
「光へ、航る」
裏の仕事をしていた夫とその妻は、最愛の息子を亡くしてしまう。半狂乱になる妻は、息子の腕を移植した人物を探しに、北へ連れて行けと言い、夫は妻を連れて、車で北へ向かうが、何処まで行っても息子の腕が見つかる気配は無い。夫が、何故、北に向かうんだと言うと、母親の感だと言い、調べてみると、どうも腕移植した人物は、沖縄にいるらしい。喧嘩しながらも、今度は沖縄に向かう夫婦。そして沖縄に付くと、息子の腕を移植した少女は、誰かに誘拐されたらしい。そして・・・。
「新しい詩(うた)」
あるパーティーで歌っている歌手。忘れていた歌が戻り、楽しそうに歌い踊っている。そこへ現れるピアニスト。美しい曲を奏で、その側に近寄るフジコ。そんな二人を見つめるマッドドッグ(大門)。そしてその手下であるジョー。そのパーティーに紛れ込む息子の腕を探していた男。男は、マッドドッグと親しそうに話し、そして・・・。
後は映画を観て下さいね。
これ、あらすじを書くの、大変でした。なんたって、意味不明の部分もあるし、不条理劇な部分も多々あるから、全てを記憶出来ていないんですよ。でも、覚えている限り、ネタバレ無しに書いてみました。
この映画、私は、楽しめましたよ。吾郎さんは、シャワーシーンから始まり、どうせなら、マッパで腰タオルだけで歩いて欲しかったけど、カッコ良くガウンを羽織って(オッサンっぽいわっ!)、ピアノを弾き始める。そして事件が起こって行くんですね。吾郎さんも良かったけど、これは、浅野さんと満島さんの演技勝ちかな。もちろん、吾郎さんも上手いんだけど、変態役の二人の勢いが止まらないから、そっちで笑ってしまうんですよ。でも、良い組み合わせだったなと思います。メチャしているけど、楽しめますよ。
そして慎吾さんの歌を歌えなくなるお話ですが、これ、??っていう部分が多々あり、最期に便器に虹色の何かが浮いているのが強烈だったなぁ。それがどう展開するのか、楽しみにしてください。何かをして、そして、歌が歌えるようになるんです。
最期の剛さんの、息子を亡くした夫婦のお話は、一応、ちゃんとしたストーリーがあって、筋道だっていました。剛さんは、今回もヤクザ系の人みたいで、ちょっと懐かしさを覚えたのは私だけかな。尾野真千子さんとの夫婦役、良かったです。尾野さんに罵倒されながらも、言い返せずに一緒に付いて行く剛さんの姿は、これ、面白い組み合わせだなって思いました。これは、結構、感動作でした。
それぞれに、監督の色が出ていて、楽しめますよ。園子温監督、相変わらずハチャメチャしていたけど、これ、きっとある程度、ストップかかったのかな。園監督なら、もっとエグい感じに仕上がると思うけど、結構、マトモになっちゃってて、少し残念。どーせなら、吾郎さんに目一杯、無理してもらって、園監督色に染まって欲しかった。そうしてたら、演じる役の幅も広がったのになぁ。冷たい美しい顔で人を殺すハンニバル・レクター教授的な役も出来るようになったかもしれないのに。結構、吾郎さんって、そういうの合っていると思いませんか?今後に期待します。
慎吾さんは、なんか、やっと幸せそうに歌えるようになった感じに見えて、嬉しくなりました。こういう明るい役が合うから、今度からミュージカルとかも、積極的にやって行けば良いのに。「ウエストサイド物語」とか「雨に唄えば」とか、主役じゃなくても「マンマ・ミーア」とかに出ても良いよね。彼の持つ明るい雰囲気を生かして、みんなを元気にして欲しいなぁ。
剛さんは、お父さん役も既にやられているので、順調という感じでしたね。彼は舞台も良いけど、やっぱりドラマや映画向きかなぁと思いました。文芸作品とかにも出て欲しいなぁ。なんか、風貌が文豪っぽく見える時があって、芥川とか太宰が合いそうなのよね。難しそうな顔をしながら、突然に変な行動をするとか、上手そうですもん。
新しい道を歩き始めた稲垣さん、草彅さん、香取さん、これからも頑張って欲しいです。何となくですが、今まで、縛り付けられていた何かから解放されたような、スッキリした顔に見えたのですが、それは、観る方がそう見ちゃうのかしら。でも、楽しそうに見えたから、これからは、もっと自分のやりたい事を尊重して、仕事を選んで行けば良いんじゃないかな。歌だって、好きに一人で歌えば良い。あんたはここだけしか歌うなとか言われずにすむから、気持ち良く歌えるよね。弾けて欲しいです。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。超を付けないのは、オムニバス映画なのでそれぞれの監督の特徴があり、好き嫌いがあると思ったからです。でも、彼らの門出には、とても良かったんじゃないかな。解放された感が出ているし、それぞれも、何か吹っ切れたんじゃないかしら。まぁ、これからも、横から嫌がらせは入るとは思うけど、そんな事は跳ね返し、ファンの方々も盛り上げて、頑張って行ってくださることを期待しています。本当に、使い方によっては、面白い事が出来る3人だと思うんです。既に、良いオッサンの年齢なんだから、年相応の役をゴッつくやるのも良いし、もう主演にこだわらず、名脇役にもなれる役者になっていって欲しい。楽しみです。これ、上手いやり方をしましたね。だって、2週間限定っていうと、みんな観に行くでしょ。普通の映画だって、人が入らなきゃ2週間で打ち切りだからね。(笑) ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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